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予約ができておりませんでした…すみません!!
「……な、何故だい……君たちは、運命のパートナーなんだよ?」
急に真っ青な顔になった学園長がゆっくりと立ち上がって両手を私たちに伸ばしてくる。
一体なんだろうと身構えるとギルベルト様が私を守るように腕を前に出してくれていた。
学園長が怖い。その信じられないという顔で何をやらかしてしまうのか見たくない。
「パートナーだよ?あの運命のパートナーだよ?今までの運命のパートナーは男女問わず生涯のパートナーとなったケースしかないというのに、それが、け、け、結婚しない?!ちょ、ちょっと一体、どういう事なんだい?!」
「学園長」
「だってパートナーには抗えない魅力を感じて、気がついたら抱きしめあっていたと言われる、運命のパートナーなんだよ。永遠に止められないキスにとろけあうほどのセッ」
「学園長!!!」
ギルベルト様の声に学園長はびくりと体を跳ねさせその言葉を止めた。私からは見えないギルベルト様の顔を少し怯えたような様子で見つめる学園長は1つため息をついた後に再度席につく。
「全く申し訳ない、お茶も出さず、自己紹介もまだだったね」
学園長が片手を上げるといつから居たのかメイド姿の女性がお茶を淹れはじめた。目の前に置かれたお茶からはギルベルト様の実家で楽しんだ紅茶の香りが漂う。
「私はこの学園の長をしている、タラトニア・グラントという。このグラント学園とモンサンドラ地区の管理を行うモンサンドラ伯爵でもある、どうぞよろしく」
「……レ、レティシアと申します。お世話になります。よろしくお願いいたします」
頭を上げると出迎えてくれた時の笑顔がそこにあった。
どうやら少しは落ち着いたようだ。
ギルベルト様を見るとまだ少しだけ怒ったような顔をして学園長の方を見ていた。
「……取り乱して悪かったよ、ギルベルト。機嫌を直してくれ」
「学園長があまりに不適切な発言をされたもので」
「全く冷たいね、少しくらい良いじゃないか。運命のパートナーなんて私が大好物だと分かっていただろう?」
「ええ、ですから今日も、貴方が学園長でさえなければ紹介しに来ておりません」
その会話のテンポと内容に私はもしかしてこの2人は学園以外でも付き合いがあるような気がした。ギルベルト様は私を庇うようにしたまま、学園長をじっと見つめている。
「いや、しかし……運命のパートナーは必ず結ばれていると思っていた」
「貴方の希望をこちらに無理に押し付けないでいただきたい」
学園長が椅子の背もたれに身を預けると、やっと安心したのかギルベルト様が腕を組んで言葉をもらす。
その言葉を聞いて、やはりギルベルト様も私と結婚するつもりは無いのだと思った。ちらりとギルベルト様を見ればパチリと目が合い、スッと晒されてしまう。
「………?」
「…………」
「……ふむ」
少しだけ見える眉間にはシワが寄っており、何かに怒っている表情へと戻ってしまったようだ。
何故。
「まぁ、そうだな、一度2人の魔法を合わせたところを見せてくれないか」
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