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「ギルベルト様、レティシア様が昼間に外に出かけていた事はご存知でしたか」
「……いや、初耳だ」
自らの寮に帰り、数週間が経過したある日、ギルベルトはララからの報告を聞きながら冷や汗が背中に流れていくのを感じていた。
今自分に付いている侍女達の報告とはまるで違う内容に色々と自分の認識が甘かったと分かる。そして、レティシアから送られてくる不満そうな視線も今なら少し理解できた。
まさか侍女達がここまでレティシアに何もしていなかったとは。
始め、朝の準備は拒否され、自ら朝食を作り始め、講師の時間のみ正装し、他は誰も付けず軽装で外出していたらしい。
ララによると、朝の準備に関しては勉強という名目でさせて貰えるようになり、朝食はコックに用意してもらい強制的に食べさせてるようにしたが、外出のみはどうしても同行させてもらえないという。
「……まだそこまで信用できませんと言われてしまいました」
「……そうか、ありがとう」
だが、帰宅後に自室に招き入れて話をする程度には信頼を築いているようだ。今考えれば、彼女に対しての敬意というものは全く無かったのかもしれない。
そもそも、彼女を女性として招き入れたのだとしたら部屋を同じにするべきではなかった。しかしすでに、寮の部屋は全て埋まっていたこと、狭い寮部屋以外は侍女などをリビングを挟んだ部屋に住まわせている生徒もいることから、同じ配置なら学園から許可が下りると踏んで申請した。
ただ、自分の場合は部屋を2つ借りており、もう片方に侍女達を住まわせていた。侍女達を自分と同じ部屋にした場合、色めき立つのも予想がついたし、彼女を侍女の部屋に1人投げ出すことは危険だとは分かっていたからこの配置にはしたが。
もしかしたら、この位置なのであれば侍女的な扱いであると他の侍女から聞いたのであれば話しが変わってくる。
これは自分が急ぎ彼女を自分のテリトリーに招き入れたかった結果なのだから。
「……はぁ」
「まだ良かったではありませんか、学園が始まる前で」
「学園が始まるのは明日だ」
「それは、把握しておりますが」
「レティシアを呼んできてくれないか」
「まぁ、かしこまりました」
「キミは……本当に私に対しての態度は雑だな」
「そんな事はありませんよ、レティシア様の大切なパートナーですから。失礼いたします」
そう言いながらララは部屋を出て行った。
あの、母に仕えていた侍女達は自分に対しての態度は子供に対してと同等と言っていい。恐らく母の影響なのだろうが、お陰で全くなびく者も居ない。ある意味それは、気を使わない為に良い面もあるが、自分の構想通りに動いてはくれないので頼み事がある時には自分からしっかりと意思表示をしなければならなかった。
ギルベルトは、それは必要な事であると思っていたが、気恥ずかしい事である事だとも感じる。
そこの調節がどうも難しいのだ。
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