エターナル姫の独り言
投稿できていなかった…という
随分と昔のことは忘れてしまった。
自分の命が終わるかもしれない状態で、目の前にやり直せる方法が置いてあったら誰だって実行するはずだ。
その方法のせいで、何人もの命が使われるなんて死の直前では知ったことでは無くなるだろう。
蓄積された人の魂を使うだけであれば、自分で殺す訳でも無かったし、罪悪感など一ミリも湧かなかったことは覚えにある程度。しかも、人生のいいとこ取りが可能なんて、実行しない理由などない。
私、聖女エターナルは、呪いの発動を行う際に絶対に行わなければならない儀式を行わなかった。
それにより、呪いが発動しなければ二度と、蘇ることはなくなるらしい。
それでよかった。
私はただ、数日後に死にたくなかっただけなのだ。
延命とは少し違ったかもしれないが、また自分の意識で目が覚めるならば少し寝たと考えれば問題はない。
別に友達など1人もいなかった、目覚めても会いに行きたい人はいない。
だから、人生のいいとこ取りができる人生は非常に楽しかった。
最初から構築されている人間関係、存在する恋人、世界は私たちを称え、崇めてくれる。
永遠に続くであろうこの人生に、私は大満足していた。
いつでも一番の私。
いつでも美しい私。
死ぬ時も起きる時を想像してワクワクして死んだ。
楽しかった、充実していた。
だが、ふと思ってしまった。
飽きたなと。
楽しいと思う物語だって、何度も読み返せばつまらなくなってくる。
ライバルもなく、相手は最後まで自分を好きでいてくれる。
毎回同じ展開で私はもう飽きていた。
100年ぶりに見る世界は、目が覚める度に楽しみではあった。
でもそれすらも、もう、つまらない。
だから、丁度目が覚めなくても良いんじゃないと思っていたところなんだ。
ほらね、全部思い通り。
ありがとう、そう言っておくわ。
さようなら。
お読みいただきありがとうございます!




