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今回はパソコンで書きました。
やはりね…ちゃんとしたパソコンが欲しいです。
ドラゴンが住んでいる場所付近の村へ到着した。
ここは以前エルフや獣人などがいた街とは真逆の位置にある。
森を抜け、崖ぎりぎりの道を辿ってしかたどり着けない場所は、辺鄙な場所にあるのに人が多かった。
おそらく一応温泉の観光地だからだろう。
現在のドラゴン騒動がなければもっと人がいるらしい。
1日で村を歩いて回れるくらいには狭かったが、中央には商店街のような場所もあり
いつもなら人とぶつからないでは歩けない位だと現地の人たちが教えてくれた。
周りが木に囲まれているので、動物も多いし珍しい果実も取れるらしい。
それは観光地になるなぁなんて思いながら今日泊まる宿へ足を向かわせる。
ついた部屋は平民が家族で暮らすほどの広さの2人部屋だった。
本来は結婚前なので問題だと思ったが、なぜか陛下からの許可が出ているだか何とかで、ギルベルト様と同じ部屋である。
まぁ、同じ部屋と言ってもベッドは分かれているし私的には全く問題は無かった。
だが、ギルベルト様は抗議には行き、人を変更する場合は、もう1組みのパートナーと男女を入れ替えるしか方法がないと言われて帰ってきていた。
あの女の子と一緒の部屋は絶対嫌である。
そしてしぶしぶ了承したギルベルト様の背中を押してようやく部屋の椅子に座れたのだった。
「疲れたぁ」
「ここまで歩いたからね」
通常は空を飛ぶ動物による運搬があるのだが、ドラゴンを刺激しないために現在は使用していないらしい。
仕方がないので、できる限り馬車で行き、他は全て徒歩だった。
「来たことがあれば瞬間移動できたんだけど」
「それは仕方ないですし、全員を移動できた訳でもないのに私達だけ移動なんてできませんよ」
「それは確かに」
長く歩いたことよりも崖ぎりぎりを歩いた時の緊張感で体が硬くなってしまったせいで疲れている気がした。
ギルベルト様がいるし、自分でも魔法を使えるのだが
突然落石などがあって瞬時に体が動くとは思えずずっとドキドキしていたのだ。
どこ吹く風であったギルベルト様には怖いですなんて抱きつくことは恥ずかしくてできなかった。
「せっかく温泉地だから入浴でもしてこようかな」
「ああ、いいですね。私も入ろうかな」
「一緒にはいる?」
「な、なにを馬鹿なこと」
「頼めば貸し切りで混浴をさせてくれると言われていてね」
「……」
「ははっ、嘘だよ。出来るのは本当だけどね」
はたと気がついてギルベルト様の顔を伺うと、ニヤニヤとした顔してからかわれたことが分かった。
真っ赤な顔をした私はとても不機嫌な顔で立ち上がる。
「温泉行ってきますから!!」
バタンと閉じた扉の向こうから笑う声が聞こえてきて私は足早にその場を去った。
『ねぇ、レティシア』
(ん?なに、レシー)
『ギルベルト様のこと、好きですか?』
今まで口を閉じていたと思っていたレシーが口を開いたかと思ったら、とんでもないことを聞いてきたので
つい、歩いていた足を止めてしまった。
突然の問いかけに、それよりも先に呪いとかについて聞かせてくれよと言えば良いのか迷って、私はレシーにこう答えた。
(これが、呪いの作用でないなら。好きなのかもしれない)
その答えに、レシーの息を飲む声が聞こえた気がした。
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