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『小説家になろう狂い』・・・速筆による文章の実効性

『小説家になろう狂い』


  ・・・速筆による文章の実効性



以前からそうだったが、小説家になろうに来て更に変容したことがある、速筆の問題だ。自分は小説を書く時、昔はプロットを考えていたが、いつからか、まず考え付いたことを即座に文章にして行き、出て来た文章を、辻褄を合わせる形で叙述していく、そして書き終わってから、誤字脱字が無いかを調べると言った執筆の方法論を取っている。何分、昔と異なり、このやり方のほうが、文章が多く書けると言う訳だ。少ないよりは、多い方がいい、遅いよりは、早い方がいい、いつからか、その様な考え方になった。


別段、小説家なる人々は、それぞれ色んな執筆形態があるだろうし、自分はこうだ、と言うまでだ。ただ、小説家になろうに来て、確かに多くの文章を残したい、という願望は生まれたし、出来るだけ早く、読んで貰っている方に届けたいと思いだしたのも確かなのだ。さて、その速筆による文章の実効性だが、実効性は、小説完成に強く影響している。



小説の完成の速度が上がったばかりではなく、思っていることを忘れる前に文章化、単語化できるということで、何を書きたかったんだっけ、という不明瞭な不可思議もなくなった。ただ、在るがままの心性の言語を導き出すのに対して、確実性が高まったということだ。それは、一種の言葉狂いの様なものである。こうだからこうだ、と言った理論の叙述主体も、それが立項する前に、文章化されるし、この頭の回転を通り越した、速筆能力を失いたくないと常々思っている。この執筆方法がいいのか悪いのか分からないが、とにかく自分には適しているのだ。


そしてまた、タイトルに持ってきたある単語を、それを主体としながら、周囲で思考する中で発生する言語を多用し、素早く捕まえることで、客体化して、文章化していく。その方法論なくしては、ここまで小説を書くことは出来なかっただろうと推測している、無論、それは望ましい方向に向いている。



速筆にもし欠陥があるとすれば、適正な言語の塗り方であろう。一枚の絵を描く時に、普通、この色彩を使うか使わまいかで悩む所を、自分は思考せずに、不可視的に筆に付いた色を色を見ずに絵に塗っている様なものだ。とんだ博打であるが、そういう方法論を絵を描く時に使うなら、自分は見知らぬ色彩を塗ったのを見てから、この色彩が来たのなら、次はこの色彩が合うな、という演繹的な方法論を取るだろう。偶然を必然へと塗り替える方法論である。小説でいえば、この色彩とは、単語と同一の意味合いである。


上記してきた様に、速筆に狂っている自分は、その狂いの質感を高める為に、小説を読んでは繰り返し矛盾を発見しては適正に直すと言う暇をも取らずに、只管書き続けていく狂いを執筆に抱いている。一種の自己訓練の様な現象の中から生み出した、速筆による文章の実効性は、今の自分にはなくてはならないものになった。何れいつか読み直して、推敲する時が来ようとも、今はただ、自身の直感に任せた、この速筆運動に狂うべくして狂っているといった状態だろう、と切言できる主体に居る。

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