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高校生活  作者: 串本 梟
2/3

友達

十人。あと十人で俺に順番が回ってくる。正直言って超眠い。が、自己紹介など十人いたって五分かかるかかからないか位だ。自分がそのくらいで起きれる気がしない。

そう思った俺は軽くパンと頬を叩くと、眠らないように意識を集中させながら、ただひたすらに順番が回ってくるのを待っていた。

…五分後…

「これからよろしくお願いします。」

ようやく前の人の自己紹介が終わった。それを確認した俺は、皆の拍手が収まったあとに眠たいからだを無理矢理起こして立ち上がると、早口気味に自己紹介を言い切った。

「あ、えーっと、名簿34番の百瀬(ももせ) 亜樹(あき)です。これからよろしくお願いします。」

最後に挨拶の定型文を貼り付けると、軽く礼をしてから席に座り直した。

まぁ、眠いこの状況においては、まずまずな自己紹介ができたとおもっている。

とにかく、自分の番が終わったことによる多少の安堵によって、俺はまばらに聞こえる拍手を聞きながら、安眠の世界へと浸っていくのだった。


…騒がしい。

そう思い、突っ伏していた状態から顔を上げると、既に一限が終了していたことがわかった。皆、それぞれ前後左右の人たちとの会話を楽しんでいた。中には席を立って席の近くない仲間とつるんでいるものもいた。

うるさいことこの上ないが、別に俺に危害を加えてくるわけでもなし、大丈夫。そう考えた俺は、次の授業が始まるまで、また寝ることとした。

次に目が覚めたのはニ限の途中辺りだった。誰かにつつかれてる気配がしたので、少しだけ顔を上げて回りの様子を確認すると、隣の女子が一生懸命つついているのがわかる。少し様子をうかがうために少しだけ視線を上に上げると、ちょうどよく視線があってしまい、相手に気づかれてしまった。相手はこちらが起きたことを確認すると、ノートに何やらさらさらと書いて渡してきた。

開いて中身を見てみれば、なんてことはない。単純に消しゴムをとってほしいだけだったようだ。

俺は言われた通り消しゴムをとって相手に渡すと、相手の女子は小さく「ありがと。」といいながら受け取った。

そんなことにノートを使うなよと思いつつも、また寝る体制へと入っていった。しかし、本当に大変なのはこのあとだった。

ニ限が終わり、また少し教室に弛緩した空気が流れてきたとき。俺は先程同様に居眠りをこいていると、不意に女子に話しかけられた。

「えっとー。おはよう!さっきは消しゴムとってくれてありがとね。それでなんだけど…あ、私もこの理由はおかしいとは思うけど!…その、友達にならない?今ちょっと、友達少なくてさ。」

「いやです。」

「即答!?え、何で~。うーん…あ!じゃあさ、せめて連絡先!連絡先だけでも交換しよ!ね、お願い!」

「いやちょっと無理ですね。俺携帯持ってないんで。」

「今隠したよね!?そっとスマホをポケットの中に隠したよね?ちゃんと見えてるから。ねーちょっと、おーねーがーいー!」

「結構です。」

「私は結構じゃないんだよぉ。ねーなんでだめなの?」

ヤバい。すごくしつこい。しつこさこの上ないってくらいにしつこい。そして怖い。例のトラウマのせいか何か絶対裏があるとしか考えられない。どうやればこの人は諦めてくれるんだろう。とりあえず、ここは一時しのぎでなんとか耐えるか。

「もう時間なんでそろそろ授業の準備したいんですけど…」

「え?あ、ほんとだ。もー。じゃあまた次の休み時間に話そうね。」

「え…?」

俺は、それはもう既に友達の行動なのでは?と、思わずにいられなかった。

結局その日は弁当の時間中もずっと懇願に懇願を重ねられ、ついにこちらがおれてしまった。結果、連絡先だけ交換して今日が終わった。

家に帰ると、LINEが送られてきており、見れば相手は例の女子だった。まぁ、内容は「これからよろしく!」って感じのだったんだけど。

え?返事はどうしたのかって?そんなの勿論、既読スルーですよ。

次回はもうちょっと早めに更新できるよう、がんばります。

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