第97話 むしろさっさと物語本編を進めたいんじゃっ!!
前回までのあらすじ!!
ついに聖剣フラガラッハの動力源とやらの正体が明かされた。……まぁただの充電池だったんだけどね(笑)。
何故動力源が『魔法石』じゃないのか? その理由を知ってるはずの自称この世界の管理人とやらのクソメイドに質問するのだった……
「(静音さん! ほんとにこんな充電池が『聖剣』だか『伝説の剣』だかの動力源が、魔法石じゃなくていいのかよ!?)」
「(あっはい。大丈夫ですよ♪)」
「…………」
ごめん。あまりにもクソメイドの応対が軽すぎて何にも反論できず、主人公にあるまじきタイトル非回収になっちまったわ!!
だがしかし、あまりにもおかしいのでヒソヒソと()で喋るのをやめ、クソメイドへと詰め寄る。
「静音さん、だってこんなのおかしいでしょ!! 魔神サタナキアって喋ってたし、光ったり動いてたりもして、何より『魔法』まで使ってたじゃねぇか!! それが……その動力源が『電池』、しかも単4の充電池1本ってのどうなのさ!? あのヘンテコに動くフラワーロックだって、単3電池3本は必要なんだよ!!」
「あ、申し訳ありません。確かに……アナタ様の言うとおりでした(しゅん)」
おや? おややぁ~? オレが質問攻めで捲くし立てると、静音さんはヤケに素直に謝ってくれた。
そしてしょんぼりとして、何だか飼い主に怒られた子犬のように落ち込んでしまう。
何だか素直な静音さんの態度に拍子抜けしてしまい「もしかしたら静音さんもアリッサと同じく、オラオラ系に弱いのかも……」そんな彼女を攻め立てた事が居た堪れなくなり、オレも言い過ぎたと謝ろうとする。
「ご、ごめん静音さん。オレもすっげぇ動揺しちまってさ、少し言いすぎたかもしれな……」
「それでは電池2本に増設いたしますので……」
「……い。って電池増やせとか、そうゆうレベルじゃねぇよ!! 何で動力源が魔法石とかそれっぽいモノじゃなくて、電池なんだよって話だからね!!」
オレは言いながら尽かさず、静音さんへとツッコミを入れようとするのだが、
「アナタ様申し訳ありません」
スカーッ。静音さんは上半身だけを動かして、オレのツッコミを回避しやがった。奇妙にして不規則な運動性、その姿はまるでフラワーロックそのものだった。
そして動きはもはや無限の可能性、まさにただ右手を添えるだけで、目の前に立ちふさがる敵を倒せる破壊力を生み出していると言っても過言ではない。
「(ち、チクショーめ!! すっげぇ悲しそうな顔しやがってるクセに、あまりにも動きが機敏すぎんだろうが! あとその時折見せる左右の動きに合わせて謝る言葉が、更にムカツキ度数を助長させやがるしな!)」
静音さんは左右に激しく動いているにも関わらず、一切セリフを噛まずに喋っていたのだ。
さすが静音さんにはベテラン声優を起用されてるだけはある。きっとアニメ化した際の収録現場でも、マイクの前で声優さんも同じ動きをしてるに違いない(笑)。
だがしかし、このままではいつまでも埒があかない……そう思い、デンプシー静音さんをシカトすることにした。
「それでジャスミンとアリッサ話戻すけどさ、この電池……あっいや……この動力源を交換しないといけないんだよな? でも……」
「あっ……うん。お兄さんには悪いけど、残念ながらボクは見たことないね」
「ごめんね。役に立てなくて……」っとすまなそうにジャスミンは頭を下げてくれた。
「あっいやいや、ジャスミンが謝ることじゃねぇよ!! そりゃ~確かにオレ期待しちまってたけどさ、まさかこんなのが動力源だとは誰も思わねぇし……」
さすがにこの世界にないモノなのに対して、ジャスミンを怒るのは筋違いもいいところだろう。
「(でもどうすりゃいいんだ? 交換できにゃアリッサから金を借りることができねぇよな? さすがにこれは詰んだんじゃねぇのかよ……)」
などとオレは若干ツンツンしながら諦めかけていた。
「んっ? あたい……コレを見たことあるかもしれないね! さて、どこだったかね……」
まるで狙い済ましたようなタイミングで、先程は初めて見たっと言っていたアリッサだったが、思い出してくれようとしていた。
「マジかよっ!! アリッサどうか思い出してくれ!」
(もはや読者から『ご都合主義』とか突っ込まれても、もう文句は言わんぞ!! オレはむしろさっさと物語本編を進めたいんじゃっ!!)
そう願うようにアリッサに懇願する。
「ふ、ふん! 別にアンタに頼まれたから、思い出すわけじゃないからね!! あたいは半端な事が嫌いなだけだからね!! ……そ、そこんとこ勘違いしたら困るよ!! でも……勘違いしたかったらしてもいいんだからねっ!! (照)」
デレ期真っ最中のアリッサはテンプレどおりのツンデレ、略してテンデレ~♪ へとジョブチェンジしようとしていた。
「もしかしてさ……この店の裏手にある『畑』に埋められてるヤツじゃなかったかい? ほらジャスミンも知ってるだろ? この間、冒険者が旅から持ち帰ってアンタん所に売りに来たろうね! でもあたい達にゃ使い方が分からなかったやつさね!」
「ん~っ? あーーっ!! あれかぁ~!! よくよく見れば、そういえばこんな形していたかもしれない!」
そして在り処を思い出してくれたアリッサ達だったが、どうやらこの店の裏手にある畑に埋められているようだ。
どうやらこの世界の住人は電池の使い方が分からないからと、『ゴミ』として畑に投棄してしまったのかもしれない。
「この店の裏の畑にあるんだよな!? よし、オレちょっと行って取ってくるわ!!」
「ああそうさね。でも……」
カランカラン♪ そう言いながらアリッサのセリフ途中にも関わらず、オレは店の外へと飛び出して行った。
「(そもそも畑に投棄されてる電池なんか使えんのかよ? 泥だらけで土に埋まってんだろ? ……って事は、雨とかで酸化して錆びてる可能性も無きにしも非ず……いいや、自分の目で確認するまでオレは諦めねぇぞ!!)」
そんな疑問をかなぐり捨てるように、オレは急いで店の裏手へと回りこんだ。
「はぁはぁ、はぁはぁ。こ、ここか?」
畑は何のことは無い場所にあった。ほんとに店のすぐ裏に畑はあり、これなら迷いようがない。むしろ迷う方が難しいだろう。
アルフのおっさん同様、この世界の住人は自給自足で生活しているのか、ジャスミンの畑と思わしき隣にも畑があった。たぶんアリッサの畑なのかもしれない。
どちらもちゃんと整備されていて、雑草などもほとんど見当たらず『In the 畑』っといった畝畑の光景が広がっていた。
「おいおい、なんだよこれ……」
目当てのモノはすぐに見つかった。だがしかし、そこに広がっていた光景に対してオレは言葉を無くし驚いてしまった。
畑に埋まりながら執筆しつつ、第98話へとつづく




