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あな嫁~あなたの目の前に野生のお嫁さん候補(お嬢様)が現れた!!入力コマンドは!?……だがしかし、コントローラーにシカトされてしまったようだ。~  作者: 立花ユウキ/scarlet
第4章本編『そして旅支度の果てに……』

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第96話 今明かされる聖剣フラガラッハの動力源! こ、これが動力源なのかぁ~!?

「へぇ~そうだったんだ!! ちゃんと見てる人は見てるってことだね!! ちなみに今回の……」

「あっ時給がいくら昇給したかですかぁ~? アナタ様聞いちゃいます? それ聞いちゃいますか?」


 すっげぇ聞いて欲しいブリ(・・)を見せる静音さん。きっとオレに自慢したいのだろう……静音さんの気分がイイきぶ~ん♪ になるならば、話の一つや二つ聞くくらいお安い御用なもんだ。

 オレは少し顔を引き()らせながらも、静音さんに聞いてみた。


「し、静音さん教えてくれても、い、いいだろう~♪」


 だがしかし、動揺していたため声が上擦ってしまう。


「もう♪ アナタ様は聞き上手さんなのですね♪ じゃあアナタ様だけのと・く・べ・つですからね♪ あっ、これは読者の方々にも内緒ですからね!」


「あ、ああ、わ、分かったよ……」っと複雑な思いを(いだ)きつつ、頷いた。


「ななな、なんと……でろでろでろででーん♪ 時給を99銭も上げてもらえると言うお話を作者の方からされたんですよ!! まぁその代わり1円未満は切り捨て(・・・・)だから……っと最後に言われましたがね」


 静音さんは自らドラムロールを口ずさむと、そう自慢げに声高らかに叫んだ。


「………………そ、そうなんだぁ……」

(騙されてる。静音さん、アンタすっげぇ~~~っ騙されてるよ作者のヤツにさっ!! だってよ1円未満は切り捨てなんだろ? だったら例え時給が99銭上がっても切り捨てられるから、現状維持って事なんだろ? 大体何なんだよ()ってのは? 大正時代の金銭感覚かっ!!)


 オレはそんな『切り捨て御免!』が怖くて、静音さんに真実を告げることができなかった。

 まぁ真実を知ることだけが幸せだと限らないしな!


 そして話題を逸らすため、おざなり(・・・・)と化している本編ルートへ強引に割り込むことにした。


「し、静音さん!! 時給の話も良いけど、それはオフレコなんでしょ? だったらそろそろ本編の話を……」

「それもそうですね! 他の出演者(えんじゃ)と読者にバレないようにしませんといけませんしね! え~っと、それで何の話でしたっけ?」


 どうやら静音さんもオレの思惑に乗ってくれ、ようやく本編を進めることができる。


「これこれ、この『聖剣フラガラッハ』の動力源が、どこに埋め込まれてるかの話だったと思うよ」

「あっそれはですね~……」


 静音さんはそう言うと、厚手の布に置かれた聖剣フラガラッハへと手を伸ばした。

 そして置かれたまま持ち手部分(グリップ)の所をカパリっと開けてしまった。


「(うん、今すっげぇー簡単に開けやがったな。それもまるでリモコンの電池が収められてる蓋を開けるように、いとも簡単にさ)」


 オレは人生で始まって以来の嫌な予感がしていたが、唯一のツッコミ役でしかも主人公でもあるので恐る恐る中を覗いて見ることにした。


「し、静音さん……こ、これが聖剣の……聖剣フラガラッハの……動力源なんだよね? じょ、冗談だよね? ね?」


 動力源とやらを見た瞬間嫌な予感が現実のモノとなった。聖剣フラガラッハの持ち手部分に収められていた動力源とは……なんとっ!!


『黒と銅色を基調とした細長い筒のような物体……そう動力源とは『電池』だったのだ!』

挿絵(By みてみん)


「で、電池か……これがオチってマジかよ……まぁリモコンみたいに持ち手部分をカパリと開けた時から、薄々は勘付いてたんだけどね。でもいざそれを目の当たりにすると、もう言葉も出ないよ……」


 しかも500回ほど繰り返し使えて、地球にお優しいエコロジーの代表格『1.2V 750mAh Ni-MH(ニッケル水素)充電池』さま。その存在価値と言ったら、そこいらの使い捨ての電池(一般庶民)とはワケが違う。ある意味で貴族的存在(セレブリティ)なのだ。

 それが聖剣フラガラッハの動力源として、単4形が1本だけ収められていたのだ。


「(本文中に貴族的存在(セレブリティ)って補足説明あったけどさ……何気に庶民代表格の烙印(100均マーク)付いてるのは気のせいだよね? ほんと充電池(こんなの)が動力でサタナキアさんは動いてたの? どんだけ燃費が良いんだよ!? ……ま、待てよ、サタナキアさん魔法使ってなかったか? そ、それだと魔法は電力(電池)で動くって事なのか!?)」


 オレはとても混乱していた。動力源として電池が収められていたのも衝撃だったが、単4(しかも1本だけ)で魔神サタナキアが動いていた事、そしてなにより電池で『魔法が使えてしまう事』という事実は、まさに恐竜を滅ぼさんばかりの巨大隕石ジャイアント・インパクトクラスの衝撃だった。


「へぇ~、これがこの聖剣の動力源なんだぁ~。ボクこんなの初めて見たよ! アリッサはどう? 見たことある?」

「いや……あたいもこんなモノは初めてさね。普通、動力源と言ったら『魔法石』とかその『欠片』くらいなもんだしね。こんな奇妙なのはお目にかかったことないさね!」


「えぇっ!? ふ、二人ともコレ……見たことないの???」


 オレはてっきりこの世界では『魔法』や魔力』を使う際の動力源(標準規格)だとばかり思っていたが、店主二人は「初めてみたよ……」っと口を揃えて見たことがない事を強調する。


「(ど、どうゆうことなんだ? 普通の剣はオレが考えてたとおり『魔法石(欠片含む)』が動力源(標準規格)って事になるのか? この聖剣だけが蚊帳の外(ボッチ)ってこと???)」


 オレはその事実を知ってるであろう人物、あのクソメイドへと尋ねることにした。



 第97話へとつづく

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