第73話 すべてが揃う死の商人の館『道具屋:マリー』
前回までのあらすじ!!
聖剣フラガラッハをアリッサに鑑定してもらったところ、『呪い』がありしかも動力切れを起こしてるからそもそも買い取りどころか、預かることもできないと言われてしまった。
そこで動力を補充すべく、マジックアイテムとやらが売っている隣の道具屋へと向かうことになった……
「こ、ここか……」
(まぁ隣にはこの店しかないから迷いようがないんだけどね)
だがオレは店に入ることに躊躇してしまう。何故なら……ドアの横にはこんな張り紙がしてあったからだ。
『物を売るなら今がチャンス!! あなたの持ち物を限りな~~く底値で買い叩きます! そしてどの店よりもたか~~く売りつけ、ボッタクる事をお約束します♪ 道具屋:マリー』
「(おい! この店大丈夫なのかよ!!)」
オレは誰に言うでもなく、ツッコミを入れた。……たぶん作者にだとは思うが。
この張り紙を見た瞬間「ひょっとして、この店は誰かから嫌がらせされてるのか?」とも思ったのだが、最後に店主らしき女性の名前があったので、更に混乱してしまったのだ。
しかもご丁寧にも『底値』と『ボッタクる』の部分に赤字とルビ振り強調され、より不安感が拭えない。
昨今いくらネガティヴ商法が流行ってるからと言って、ここまでアレな店だとこれはもはや『狂気』とも言えるだろう……。
店に入るのを躊躇っているオレを無視するかのように、天音以下ヒロインズは店のドアを開け放った。
<置いてないものは無い!! すべてが揃う死の商人の館『道具屋:マリー』>
カランカラン♪ アリッサの店と同じドアのベルが来客を知らせるため心地よく鳴った。
表の張り紙とは裏腹に中は思ってた以上に普通……いや、いかにも道具屋っぽい雰囲気を醸し出していたのだ。
「へぇ~……中はすっごくちゃんとしてるんだなぁ~」
オレは張り紙とのギャップに思わず、そう口に出してしまう。
床はアリッサの店同様に木の板張りなのだが、動物の毛皮なのかカーペットように広く敷き詰められ、とてももふもふしていた。
ふと棚に目を向けると、棚一杯に薬品だかが入ったカラフルな瓶や本などが所狭しと並べられ、壁にはインテリアの一種なのか、動物の剥製やこの国を表した国旗のような布物など様々な物が飾られていた。
そしてカウンター横には何故かユリのような白い大きな花が置いてあった。最初「この花は飾りなのかな?」っとも思ったが、白い花ビラの部分が光っていた。どうやらこの花は何かしらの魔力を持っているのかもしれない。
またカウンター上には色鮮やかに光を放つ石がたくさん飾られていた。あれは……ファンタジーでお馴染みの『魔法石』や『クリスタル』と呼ばれる物かもしれない。
「(やっぱりここは……オレが知ってる世界じゃないんだなぁ~)」
花びらが光ってるのもそうだが、石まで光っているのだ。嫌でもここがファンタジーの世界だと納得せざろう得ない。
「すみませーん! 誰かいませんかーっ!!」
相変わらず元気な天音先生の挨拶。
「(ほんと、天音はテンション高いまんまだよな)」
天音と初めてあった時もそうだったが、天音はずっとこの調子だった。
「(疲れないのかなー。もしかして、これが真のメインヒロイン補正ってやつなのかもしれないなぁ)」
そんなことを思い天音を見ていると、店の奥の方から声が聞こえてきた。
「はーい! 今そっち行くから、ちょいとだけ待ってておくれよー!!」
若い女の子の声でここで待ってるよう言われる。
「(声若いな。……オレ達よりも年下か???)」
ガシャンガシャン。聞いた限り子供のような高い声だった。
「いやぁ~おまたせおまたせ♪ いやぁ~今ちょっと奥にある倉庫の在庫整理してたもんで、待たせちゃってごめんねキミ達!」
一瞬「小学、いや中学生か?」そうとも思える容姿の女の子が、店の奥からダンボールを持って出てきた。
オレ達の中で1番背が低い静音さんよりも一回りほど背が低かった。140cmとかそんなもんかもしれない。
「よいしょっと。……ふぅ~」
女の子は持っていたダンボールをカウンターの上に置くと一息つく間もなく、オレ達に話しかけてきた。
「で、キミ達何をお求めなのかな?」
「え、え~っと……」
(こんな小さな女の子で、店のことが分かるのだろうか?)
そんな思いから、どう話せば良いのやらと戸惑ってしまう。
「んっ? 何かな何かな♪ 何を探してるのかな?」
すっごく楽しそうにニコニコ顔で、何が欲しいのか聞いてきた。
「(もしかしてこの子が店の主なのか? …………娘とかじゃなくて???)」
オレはとりあえず話を聞いてみることにした。
「あの~失礼かもしんないけど、……キミがこの店の主なの?」
「うんそうだよ♪ ボクがこの『道具屋:マリー』の主さ♪」
「……そ、そうなんだ」
(マジかぁ~。ボインボインお姉さんの次が、まさかロリロリのボクっ娘で攻めてくるとは思わなかったなぁ~。しかもボクっ子)
道具屋の主だというその娘は、背も胸も小さかったが長い黒髪に整った顔立ち、白と青を基調にしたロングスカートにブーツを履き、ショルダーバックをパイスラで斜めがけしていた。
「(作者はきっとこの子にパイスラ要員のポジションを狙ったのだろうが、悲しいかなこの戦闘力ではまるで幼稚園児と言っても過言ではないぞ!)」
この娘がいつの日かパイスラ要員になる事を明日に夢見つつ、お話は第74話へとつづく。




