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あな嫁~あなたの目の前に野生のお嫁さん候補(お嬢様)が現れた!!入力コマンドは!?……だがしかし、コントローラーにシカトされてしまったようだ。~  作者: 立花ユウキ/scarlet
第4章本編『そして旅支度の果てに……』

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第64話 神の見えざる手

 前回までのあらすじ!!

 武器屋の中を眺めていると、そこに主あるビッチビチなお姉さんが帰ってきた。何をするにも華麗でカッコイイのだが、とても不機嫌そうにしていた。そのお姉さんは苛立ちからタバコを咥えたのだが、どうやらそれはタバコ形のチョコだと言う……



 よくよく見るとお姉さんは、駄菓子が詰め込まれた袋を持っていた。先程「また何で値上げしてんだよ……」という文句は、たぶんこれらの駄菓子を指していたのかもしれないな。


「(そういや、駄菓子屋とかにこうゆう模造品(イミテーション)のお菓子よくあったよなぁ~。今はあんまり見かけないけどね)」


 トンカツなのに魚肉シート。たこ焼き味なのにスナック菓子。試験管の中に入った摩訶不思議な色をしたゼリー。

 そしてタバコの形を模したココアチョコレートなどなどたくさん入っていた。


挿絵(By みてみん)

「……これはやんないからね」


 そう言うとお姉さんはオレ達に取られまいと、隠すように駄菓子の入った袋をカウンターの下へと移動させた。


「あ、はい。そうですか……」

(いや、別に駄菓子が欲しいわけじゃなかったんだけどね。……でもちと残念)


 照れながらにコソコソと駄菓子を隠すお姉さんはちょっと可愛かった。


「で、だ。何が欲しいんだい? 剣かい? 槍かい? それとも鎧? ウチには大半の武器や防具が揃ってるからね。どれでも好きなの選びな。もし同じ種類のをまとめて買ってくれるんなら、少しくらいは値引きして(まけて)あげるよ」


 口に咥えたタバコ……もといチョコを上下にピコピコ振りながら、何が欲しいのか聞いてきた。……子供っぽくてちょっと可愛い。


「あっ、いやオレ達は違くて……その……」


 正直『物の売買』なんて現実世界でもしたことがなかったので、なんて説明したらいいのか迷ってしまった。


「違う? 違うって一体どうゆう意味なんだい!? もしかしてアンタらふざけてんのかいっ!!」


 お姉さんはオレの言葉足らずな物言いに対して怒りを露にし、カウンター上のサーベルに手をかけようとしていた。


「いえいえ、そうゆう意味でもなくて!! 買い(・・)に来たんじゃないんです!!」


 オレは両手をブンブン左右に振って慌てて言い直す。だが、


「やっぱりふざけてるんじゃないかい!! その首刎ねてやるよ!!」


 更に言葉足らずだったので、余計お姉さんを怒らせてしまい、今にもオレの首を刎ねようとサーベルを構えていた。


「(や、ヤラれる!?)」


 そう思い反射的に両腕をクロスさせ、身をそして首を守ろうと咄嗟に動いた。

 たぶん無意味な行動だろうが、やらないよりはマシだろう。そう思っていると、


「実はワタシ達は物を買いに来た(・・・・・)のではなく、売りに来た(・・・・・)のです」


 尽かさず静音さんがオレの事をフォローしてくれた。


「……なんだい、そうだったのかい。(ドンッ!)まったくアンタ言葉が足なすぎんだよ……ったく」


 静音さんの助け舟のおかげか、お姉さんは納得すると手にしていたサーベルをカウンターの上に乱暴に置いた。


「(た、助かったぁ~。マジで殺されるかと思ってヒヤヒヤしちまったよ! でもまさか、静音さんが助けてくれるとは思ってもみなかったなぁ~)」


 失礼ながら静音さんを侮っていたのかもしれない。いつもいつもお金の事しか頭にない守銭奴とばかり思っていたのだが、いつも肝心な時に助けてくれるのは静音さんだけだ。……まぁそこ(・・)に陥れるのも、ほんとは静音さんなわけなんだけどね。

 オレは心の中で静音さんに感謝し、お姉さんにワケを説明することにした。



「じ、実はオレ達その、言いにくいんですけど、お金をまったく持ってないんですよ。それで宿屋にも泊まれなくて……そしたら宿屋の人(ドラゴン)に聞いたら、こちらのお店で物を売ってお金に換えたらどうか? と言われまして……」

「……で、あたいの店に来た。っと?」


 コクリっと頷き肯定する。


「ふ~ん……」


 お姉さんは値踏みをするようにオレ達を順々に見流していた。「たぶん怪しいヤツじゃないか?」などと考えているのかもしれない。


「……で、売りたい物は何? 珍しい物なら少しくらい高く買ってあげてもいいけど、ウチに転がってる物じゃそんなに高くは買い取れないからね。あと売りたい物の状態によっては買取価格が安くなる場合もあるし、酷い場合はウチじゃ買い取れないからね。そこんとこちゃんと理解してる?」

「あっはい。もちろんです!!」


 オレは元気良く返事をした。

 

 お姉さんの言ったことは至極全うなことだ。武器や防具は消耗品なのだ。使えば刃は欠け、防具は壊れる。もちろん物によって、それぞれ使用状態が違うのだから買取価格は常に変動し、希少なモノ(レアアイテム)は当然『時価』となり高値となる場合が多い。

 また扱いやすく機能性に優れた武器・防具は必然高値となり、逆に使いづらいモノは安値となる。これは装備する人の生命に直接関る問題なので、当然といえば当然のことだろう。


 まぁもちろんそれも豊富な資金があれば選択できる……という話だが。

 そしてそれはお店の在庫状況によっても価格が変動してしまう。需要が多くお店が在庫薄の時には買取価格は上がるだろうし、逆に需要がないのにお店が在庫過多の場合には買い取り価格は下がる。それに周りに同一類似商品を扱う店があれば、競争心から絶えず価格は変動するだろう。


 これらの事柄は一般的に『神の見えざる手』とも呼ばれ、物の価格を適正に調整する為の『市場原理』である。まぁ実際に神とやらもいないし、手もないわけなのだが、誰に指示されたわけでもなく必然的にそうなってしまうから、そう呼ばれるのだろう……。



 もきゅ子の短いお手手を見ながら、お話は第65話へとつづく。

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