第44話 結局オレのお一人様パーティーなのね。とほほっ……
ドドドドッ。
前回までのあらすじ!!
オレは棺を引っ張るのに疲れ果て駄目元で静音さんに「何か良い方法がないか?」と聞いてみると、静音さんは棺にあるボタンだかを操作して『ツインターボ+スーパーチャージャー付き』の棺へと変貌させてしまった。
おいおい……マジかよ。っと思いながらもオレは棺の上に乗ったのだったが……
ドドドドッ、ブルンブルン♪
「この音めっちゃうるさいんですけど……」
「ま、便利の裏には何とやらですよ♪ それではアナタ様ハンドルを握って…ってあれ?」
静音さんがそういうや否や、ブル……ぷすーん。などと不安気な音を立て騒音が途絶えてしまった。
「……」
「……」
チュンチュン♪ オレと静音さんの静寂と共に鳥の鳴き声だけが、農道の真ん中を支配する。
「……あのさ、もしかしなくて……あのパティーンでございますかね静音さん?」
「ええ、そのパッティーンでしょうねアナタ様……」
「……一応聞くけど……また燃料とか動力切れっすか?」
「……れっすね~」
静音さんは喋る気も失せたのか、オレのセリフ末を引用しそのまま説明を略してしまう。きっと作者のヤツが「オマエらだけ楽すんじゃねぇぞ!」って暗に示してるのかもしれない。
「……やっぱりオレが人力でロープで引っ張る感じ?」
「……アナタ様お願いできますか?」
互いに疑問文のやり取りだったが、する事は既に決まっていた。
「(そう……オレが今流行のお一人様で引っ張るのだ!!)」
「悲しいけど、これが現実なのよね……」などとモブ語を呟きながら、オレは棺から降り再びロープを手に取ることになった。
きゅらきゅらっ、きゅらきゅらっ、きゅ~らきゅらっ♪ 棺の下にタイヤを得たおかげか、前よりも随分楽に引くことが出来ていた。何だかタイヤが棺の重みで奏でる音も『♪』付きで楽し気に聞こえてくる。
「お~っ、すっげぇ楽になったぁ~♪ まぁ、まだ少し重いんだけどね……」
前よりも随分楽に引けるようにはなったが、如何せん人間2人+棺が2つなのだ。それでも重いことには変わりは無かった。でも少しだけ負担が減ったように思える。
「あっそうなのですか♪ それでは遠慮なく♪ よいしょっと♪」
「一体静音さん何が遠慮なくなの?」っと思ったのも束の間、その言葉と同時に引っ張ってるロープへと重みが伝わってきた。
「……何してるのさ?」
「はっ? アナタ様が『楽』だと仰ったので、ワタシも『その楽』とやらにあやかろうかなぁ~っと思いまして♪ えへへ~っ」
静音さんは可愛く笑いながら、オレの服の裾を引っ張りオレへの負担を増大させていた。
「そ、そんな可愛い顔して笑ってれば男が騙されるなんて思うなよっ!!」と言いたかったが、「ダメなのですかぁ~……ご主人様ぁ~(裾くいくい)』などとあざとくもまるで捨てられた子犬のように、服の裾を引っ張られてしまっては主人公、いや男ならダメだとは言えないことだろう。
「も~う今日の静音さんは甘えん坊だなぁ~♪ 落ちないようしっかりと掴まっててね♪」
「はぁ~い♪ ……(ふっ、超ちょろいなコイツ(笑))」
「えっ? 今何か言った静音さん♪」
「いえいえ、な~んにも言ってませんよご主人様ぁ~♪ アナタ様ぁ~……いいからさっさと物語を進めるために教会へ行きやがれなのですよぉ~♪ きゃるる~ん♪」
「もう静音さんは相変わらずきっついなぁ~♪」
などとオレはクソメイドに騙されながら、静音さんを天音の棺の上に座らせて再び教会へと歩み始めた。
きゅ~っ、きゅらら~っ、きゅ~っ、きゅらら~っ もきゅっ? も~きゅっ、も~きゅっ、もきゅきゅっ……。
静音さんが乗り重くなった分、引っ張るのも大変になり、またタイヤの音が変わるくらいの負担が……って???
「(……何か変な音聞こえねぇか? 主にオレの後ろで……)」
っとオレは気になり後ろを振り向いたのだったが……
「ん? ……アナタ様どうかなさったのですか?」
「あ、あぁ……いや、なんでもないよ静音さん。……ちなみに静音さん、今何か喋ってなかった?」
「えっ? いいえ。ワタシは何も喋ってませんけど……」
「アナタ様大丈夫ですか?」っと心配そうにしてくれる。
「あっ……そ、そうなんだ。何かごめんね。休憩の邪魔して……」
「いえいえ~♪」
後ろを振り向いたのだったが、そこには棺と静音さんが足をブラブラさせながら座っていただけだった。
「(もしかしてオレの幻聴だったのかなぁ~? やっぱり疲れてるのか? でも何かの鳴き声みたいな……)」
も~きゅっ~、も~きゅっ~、もきゅきゅぅ~♪
「(……やっぱり聞こえる係?)」
オレは系に人偏を付け、係と証してしまうほど幻聴ではないことを改めて読者に強調する。そして目にも留まらぬほどパッっと後ろを振り向いたのだったが、
「ふんふん~♪」
静音さんは棺に座って鼻歌を歌い、のどかそ~うに畑を眺めていただけだった。
「う~ん♪ 今日は風が爽やかですねぇ~♪ こんな気持ちの良い日には、なんだかこの世界を滅ぼしたくなりますねぇ~♪」
などと物騒な独り言を言っているだけだった。
「……ね♪ あなたもそう思いませんか?」
「いや、オレはそんなこと一度も思ったことねぇからさ……」
「……そうですか~♪ では今度一緒に世界を滅ぼしてみませんか♪」
「いやいや、何そのちょっとコンビニ行って来るみたいな感覚で、この世界滅ぼそうとしてんだよ!」
「……そうですねぇ~♪ まだあなたは小さいですしねぇ~♪ もう少し大人になったら、ワタシと世界を滅ぼしましょうね♪ その際には半分だけあげますからねぇ~♪」
「もきゅっ♪」
「だからしないってば! どんな主人公にさせようとしてんだよ……っ。ちなみにオレの小さいお子さんには将来性があるからいいの!! こちとらベットヤクザ(予定)だっつーの……ったく」
この時、静音さんと話が噛み合っているようで、噛み合ってないことに気付くべきだったかもしれない。
オレは静音さんを乗せた棺を引っ張り、一路教会へと向かい延々続く農道をひたすら引っ張り歩くのだった……。
もきゅ、もきゅきゅ~ももきゅ~♪ もきゅきゅきゅ!!
訳:もきゅもきゅ言いつつ、お話は第45話へとつづくもきゅ!!




