第36話 2度目の死……
「お初にお目にかかります。このワタシがこの世界の現魔王の『アイギス』と申します」
「以後お見知りおきくださいませ。…………ア・ナ・タ・様♪」
静音さんは……いや、このRPG世界の『魔王アイギス』は深々と頭を下げてそんな丁寧に挨拶をした。
「魔王……いや、いや静音さん!! これは一体どうゆうわけなんだよ!? 何でアンタが『魔王』なんかやってるんだ!!」
オレは混乱からそう叫んでしまう。そんなオレを尻目に『魔王アイギス』はこう答えた。
「さてさて……何から話したらよいのやら……くくくっ」
まるでオレの質問をはぐらかすように笑っていた。
「小僧!! 理由なんぞどうでもよいのじゃ! 兎にも角にもコヤツがこの世界の『魔王』で倒すべき『敵』である。……その事実だけはかわらぬわっ!!」
「そうだ……そうだよな!!」
サタナキアが錯乱しているオレに対して叫ぶ。オレはそんなサタナキアに応えるよう、また混乱している自分自身に言い聞かせると無理無理にでも納得させるように言葉を発する。
「ひ、酷いですアナタ様!! アナタ様は魔神の言うことをだけを信じて……ワタシの事を信用してくれないのですね……。アナタ様がいつも困った時にはワタシが助けてきましたよね(ぐすっ)」
魔王アイギスは前に自分が言ったセリフをワザとらしく繰り返した。
「そ、そうだよな……魔神の言うことなんか、ぶつぶつ……」
「小僧!! 正気に戻るのじゃ!! ほら気付けなのじゃ!! (ボゴッ)」
「ぐはっ!? ……い、一体何がっ!?!?!?」
「(……ち、ちとやりすぎてしもうたかのぉ)」
オレは背中に受けたいきなりの衝撃と痛みから、すぐには状況がわからなかった。
「小僧! お主はアイの言葉によって『心』を操られておったのじゃ!! 覚えておらぬのか?」
「……そういえば、魔王の言葉を聞いてたら、なんだかわけのわかんないことになって……じゃあ、さっきの衝撃も魔王の攻撃だったのか!?」
「……そ、そうなのじゃ! アヤツがお主のことを攻撃したのじゃ!! 酷いヤツなのじゃアヤツは……」
っと何故かサタナキアはオレから目(実際は剣先なのだが)を逸らした。
「そうか、魔王が攻撃してきたのか……。オレはてっきり剣の鍔っぽいモノで、背中を強襲させられたと思ったんだけど……」
「そ、そそそ、それはきっと気のせいなのじゃ! (あせあせ)あ、アヤツはそれすらも操っておるのじゃぞ……きっと…………たぶん」
もはやたぶんどころか、この件すら駄文になりつつあった。そんなたぶん的親戚の『駄文』を打ち破るべく、オレは自分の武器である(配線が根元から1cm切られかなり哀愁漂う)『無線コントローラー』を構え直し、敵に魔王であるあの女に立ち向かう!!
「静音さん……静音さんが『魔王』だったのは意外だったけど、……いや、ほんとは思い当たる伏線がわんさか星のようにたくさんあったけど!! ……オレは静音さんを、アナタを、いや『魔王』を倒す!!!!」
「よし、良く言った小僧!! 妾もお主の力となり、共に戦ってやろうぞ!!」
オレのいきなりの魔王を倒す宣言に、魔神サタナキアも同調してくれた。
「ほんとか……サタナキア? オマエ『魔神』って立場なのに……いいのか?」
「もちのろんろん♪ もはやタンピン・ドラ・ドラなのじゃ!! お主は童貞で英検5級すらも落ち、数々の女子に騙され、また今回もこのアイに騙されまくりww しかもお主は主人公に有るまじき何ら能力のない『オールふつう』のステータスで、いやLv表示すらされていない分際で、魔王を倒すなどと宣言したことは大言壮語! まさに万死に値する所業なのじゃ!!」
「…………やっぱりサタナキアさんも実は敵だったりする?」
「何を言うておる!! 妾はお主のことを褒めておるのじゃぞ!!」
「ぜ、全然褒められてる気がしねぇ!! むしろオレの中ではオマエが敵って『認識』で、赤マーク付きで壁越しでさえも姿が丸見えになりそうな勢いだわっ!!」
オレは最近プレイしたFPS用語を駆使し、自分の知識の限りを尽くしたツッコミをする。
「……あのアナタ様。もしよろしければ……こっちの味方として来ますか?」
「えっ? お、オレなんかが、そっちに味方として行ってもいいのか?」
「もちろんですよ♪ ワタシはいつでもアナタ様の『味方』なんですよ~♪」
「し、静音さん♪ (ぱあぁぁ♪)じゃあオレそっちに味方として行くからね♪」
とことこ……オレは軽やかに歩く擬音を奏でながら、サタナキアさんとは反対側に対峙した。
「(やっぱりさ、ツライ時には人の優しさってもんが身に沁みるよなぁ~……)」
『貴方は魔王軍に加入されました♪』
「……って!? こっち敵側で、しかも『魔王軍』じゃねぇかよ!! ビシッ(渾身のノリツッコミ)」
もはや主人公に味方なんぞ存在しなかったのだった。
「マジで魔神も魔王も、言葉があまりにも巧みすぎるだろ……」
(もうこの流れのままだと、デザイン料を含まずに家をリフォームしてくれそうな勢いだわ……)
っと、デザイン料を含まずに家をリフォームしながらお話は、第37話へと……は続きませんよ!!
「あ、あぶねー。あぶねー。36話のサブタイトル回収すらしねぇで話が終わるとこだったぜ!! 説明役のお姉さんもたまには役立つよな!」
オレは危うく話を締めようとしたが、そもそも36話の本編にすら入ってないことに気付き、慌てて取り繕う。
『このお礼をするなら日本円でお願いします(ぺこりっ) Hey,ギブミーYen! Yen! Yes,you can,can♪』
「おいそこのナレーションの声役!! 他の兼任キャラの地が出てんぞ!! 同じ声だったとしてもキャラ別けは大事だぞ! 直せ直せ!!」
(大体なんだよその英語は……。can,canって犬かよ。あとギブミーとか、もはや日本語交じりじゃねぇかよ)
『こほんっ。……これはこれは失礼いたしました。……では、そろそろ36話の本編を開始しますか? はい いいえ』
「この物語自由すぎんだろが……ったく。はい! はい!! はいぃぃっ!!」
オレは愚痴を言いつつもコントローラーで決定を押しまくりながら、最後はちょいカンフーの掛け声を真似てみた。
「……はいぃぃっ!! ……あ、あれ???」
「あ、アナタ様……その…大丈夫ですか? 病院にお連れしましょうか?」
「こ、小僧……ブツブツと何やら俯いて……お主頭は大丈夫のなのか? 霊媒師でも呼ぶか?」
「…………」
どうやらちゃんと本編に戻れたようだ。だがしかし、魔王と魔神に完全に頭がおかしいヤツだと心配されまくっている。
「(さてっと、ここからどう切り返すよ? みんな選んでくれ)」
『ああ…大丈夫だ』っと無難に受け答える
『いや、ちょっと……な』ワケありB級品っぽく含ませる
『ぷぎゃぁぁ、ふぉあふぉあっ!! ふぉわ~!!』ワケなし(笑)
「(……相変わらず、3つ目にはロクな選択肢がねぇよ…………)」
オレはせっかく表示された選択肢をあえてスルーすることにした。
「静音さん! いや魔王!! オレはオマエを倒すから覚悟しろよ!!」
「……アナタ様、ちゃんとワタシの質問に答えてください」
「……小僧、そのような誤魔化しは妾には通用せぬぞ」
……だが二人とも、まったくと言ってよいほど全然スルーしてくれなかった。ボス戦でいえば、『しかし、まわりこまれた……』と表示されるくらい逃げるは無意味だった。
「(オレもうコイツら嫌いだわ……)」
このままでは困ると、オレは読者達に気付かれぬよう小声で二人にヒソることに。
「(静音さん静音さん。今は賄賂はないけど、キャッシュカード持ってるからこの世界にATMあったら下ろすからさ、後払いで頼むよ)」
「(コクリ)」
静音さんは納得したように頷いた。よし! まずは静音さんとは話がついた。続いてサタナキアさんに声をかけた。
「(ちょっとサタナキアさん。こっちこっち)」
オレは手招きをして、これまた読者達に気付かれぬよう、ヒソったのだが、
「なんじゃ! 妾に何の用なのじゃ!! 大体なんで小声なのじゃ?」
だがサタナキアさんはちっとも空気を読んでくれなかった。
「(いいから! ちょっとちょっと!!)」
オレは手首が折れんばかりに手を振りまくり、サタナキアさんを呼ぶ。
「まったく何の用なのじゃ?」
サタナキアさんは一人……いや一剣で、操ってる天音から離れ空中をぷかぷか♪ と漂いながら、オレの元にゆっくりと移動してくる。
「(移動速度遅っ! しかも一人、いや一剣で動けるのかよ)」
などと思っていると、どこからか変な音が聞こえてきた。
「ファ~ン♪ ファ~ン♪」
「……これ何の音???」
「うん? これは妾が単身で空中を移動する時に発するセリフなのじゃ。無音だと万が一にも剣身危険じゃしのぉ」
「……これ効果音じゃなくて、サタナキア本人(=剣身)のセリフかよ!!」
きっとこれらも制作費削減の一環なのだろう。ったく作者のヤツめ、制作費を気にするよりも、まずは応募して賞を受賞してから書籍化しろよな……。
などとはこの物語に住む主人公のオレとしては、口が裂けても言えなかった。
「(……して妾に何のようなのじゃ?)」
やっとこさ、空中を彷徨い漂いながらサタナキアさんはオレの元へ来てくれた。
「(後で、32のアイス買ってあげるからさ、ここはスルーしてよ)」
「(……そのような高級品のアイスは、妾は食べぬぞ)」
「(……マジ?)」
「(妾は安っぽいアイスが好きなのじゃ)」
「(ええい!! このお財布に優しい安上がりさんめ!!)」
「(分かった! 今度スーパーの特売品のチョコクッキーアイス3つ買ってあげるからさ! 頼むよ……)」
「わかったのじゃ!! 3つ……じゃからな!! …………3つじゃぞ!!」
っと見返り美人の如く何度も振り向き念を押しながら、サタナキアさんはファ~ン♪ ファ~ン♪ っと5番目の神敵のように口ずさみながら、ゆっくりと空中を漂い元の立ち位置(天音の元)に戻っていった。
「そもそも剣身がアイス食うのかよ……」
<以下は主人公が考えるイメージ画>
「…………こんなんでいいのかよ、本当に……」
オレは誰に語ることなく、そう呟いた。そしてオレは気を取り直し、今までのヤラセを読者に感づかれぬよう、また誤魔化すかのようにお決まり文句を叫び、魔王と相対峙する!!
「静音さん!! オレは……」
『あなたの目の前にこの世界の『魔王:アイギス』が現われた!! コマンドを入力してください』
「……いやいや、空気読めや選択肢さんもっ!!」
オレの周りすべてが『敵』と化していたのだった。
「……さてっと。そろそろ読者から件長すぎクレームも来る頃合いなので、お遊びもここまでにしましょうか」
「そうじゃのぉ! さっさと終わらせてあいすぱーてーをせねばならんしのぉ」
「…………コイツら全員遊びすぎだろ」
オレはもう「まったくやれやれだぜ……」と呆れ気味に思っていると、何を思ったかパチン♪ と魔王が指を鳴らした。
「??? (……何で指鳴らしを?)」
「何をしたのじゃアイ??? うん? 小僧……鼻から血が出ておるぞ」
「はっ? ……ああ、ほんとだ」
鼻の中でツゥーっと、血が流れてくる感覚があり、それを咄嗟に手で抑えるのだが、それに逆らうかのように次々と鼻血が出てくる。
その途端……
「ごはっ…ごぼぅっ!! うげぇぇっっ」
オレの口から噴水のように大量の血が溢れ出し、体にあるすべてのモノを吐き出してしまう。
「(何だこれ? 何だこれ? 何だこれっっっっ!!!!)」
まるで体中の血すべてを吐き出すかのように、血がをオレの口を経由して外に出てしまう。オレはワケも分からず、必死に手で抑えるのだったが、
「うげぇぇっっ、ううぅっ……」
ついには膝をつき、前のめりに倒れてしまう。
「ぶっはっ!! ……ぐぇっっ……」
その間にも血は留まることを知らず辺り一面、血の海ができ溶岩が流れ出るようにオレを中心して広がっていった。そして出血が多いせいか、支えきれずにオレは伏せるように倒れこんでしまった。
「(また……死んじまうのかな…………)」
オレは初めて死を体験するはずなのに、ついその言葉が心の中に出てしまった。
「(こ、小僧!! 一体何があったとゆうのじゃ!? おいアイ、お主小僧に何をしたのじゃ!!!!)」
「(……何か大きな雑音が聞こえてくる…………)」
ユラユラと目に映るすべてのモノが歪んで見えた。そしてこの耳障りな雑音の元を目線だけで探す。
「(あれは……天音と………サタナキア? アイツら一体何人いるんだよ……)」
オレの目に映る天音とサタナキアはぐにゃりと曲がり、グルグルと回転しながら何人もいるように思えてしまう。そして耳障りな雑音の反対側、つまりはその雑音をぶつけられている相手をその目線だけで見る。
「(……そっちにいるのは……静音さん……か? いやほんとは『魔王』だったか?)」
もう既にそれすらも認識できないほど、意識が遠のいていた。そしてオレが見ているのに気付いたのか、
「ニヤソ♪」
静音さん……いや魔王はオレが死ぬのを笑いながらに見ていた。
「(……相変わらずニヤソ♪なんだな……静音さんは……)」
そんなどうでもいいことを思い疲れ果て、これからお友達になるであろう地面を眺めていると、どこからともなくシャカシャカ♪ と何かを振る音が聞こえてきた。
「(??? ……何の音だ?)」
他は雑音で何の音か解らないのに、その音だけはヤケにクリアに聞こえていた。そして目線だけを上げるとそこには……
シャカシャカ♪ 静音さんが地面に横たわるオレをニヤニヤ笑いながらに、その音の元である小さな長方形の『箱』を楽しげに振っていた。
「(……な、なんだよそれ……何の箱だ? ……あとその笑いながら振る仕草は、どこぞのCMっぽくて気持ち悪いぞ)」
そんなことを思っていると、
「(パク、パク、パク……)」
静音さんが何かをオレに言っている。……いや、声には出していないのか? 音が聞こえないオレに対して、ワザと言葉を読み取れるように口を特徴的に口パクしていた。
「(コ・レ・オ・ボ・エ・テ・マ・セ・ン・カ……だと? ……『こ、れ♪ 覚えてませんか?』……っつ!?!?)」
「(……おいおい本気かよ。アンタ、一体いつからそれをオレに仕込んでたんだよ……)」
オレはその箱を見たことが……いいや持ったことがあった。よく見ると忘れもできない特徴的なパッケージがそこにはあったのだ。パッケージ表面にちょっとお茶目に左目をウインク★しているドクロマークが描かれたのだった。
それは奇しくも頭痛薬だと静音さんから渡された『偽イヴリン』の箱そのものだった。
※偽イヴリン=第5話参照
(オレがそれを飲んだのはだいぶ前なんだぞ……。も、もしかして葵ちゃんもコレを飲んで……)
「ごほっごぼっ」
オレは気道を血で占領されてしまい、満足に息ができず、その考えをまとめることができなかった。
ただ葵ちゃんもいきなり血を吐き、そして……死んだ。…ただそれだけはわかる。
「アイよ、お主……もしや小僧に『毒』を盛ったのか!?」
「ふふふっ。さぁ~て、どうでしょうねぇ~♪」
「答えよというに!!」
サタナキアは静音さん、いや魔王の首筋に聖剣フラガラッハの刃を当てていた。
「『毒』なのかなぁ~♪ それともただの『頭痛薬』なのかなぁ~♪ それとも、べ・つ・の・何かなのかなぁ~♪」
静音さんはサタナキアをおちょくるように、問答を楽しんでいた。
「ふふふふふふっ」
「何を気色悪く笑っておるのだ! お主といえど、この剣だけは逃れられまいに! さぁ答えよ!!」
サタナキアは今にも静音さんの首を落とさんばかりの勢いだったが、
「ふふふっ……魔法防御壁」
ただそれだけ。静音さんが笑い、そして何かを呟いた。ただそれだけのことで、剣がいとも簡単に弾かれてしまった。
「なんじゃとー!? 何故じゃ!? 何故この剣が効かぬのじゃ!! この剣は、この剣だけは外史世界の存在なのじゃぞ!!」
「サナ……確かにそれは何でも切れる『聖剣フラガラッハ』ですよ。ふふふっっ、それは……このワタシといえど例外ではありませんよ……。ですがっ! 正式な主でない勇者如きが、その剣の本当の『力』を出せるとお思いだったのですか? ふふふふふっ」
まるでサタナキアを馬鹿にするように笑う静音さん。その姿は容姿も伴ってまさに『魔王』そのものだった。
「……ちなみになんですが、サナ。そもそも外史から『聖剣フラガラッハ』を呼び出し持ってきたのも、アナタを召喚しその剣身に封印したのも、全部ぜぇ~んぶ♪ ……このワ・タ・シ・なんですよ♪」
「なんじゃと……そ、そんなまさか…まさかそんなことが……」
「あれーっ? もしかしてぇ~サナはそのことを覚えてないんですかぁ~♪ ……ああ、そういえば都合の悪いことは全部毎回『封印』したんでしたぁ~♪ ちゃっかり、ちゃっかり♪♪」
もう完全にふざけながら、静音さんはサタナキアさんにその真実を語っていた。
「……ま、この世界ももう終わりでしょうし、今回だけは特別に答えてあげますよ。あの薬はワタシが作った特別製の魔法薬なんですよ♪ ワタシの命令1つで体内に留まっている魔素が『毒』へと変化し、今のアナタ様を苦しめています。もっとも、始めに飲ませた時アナタ様が吐き出そうとされたときは、少しだけ焦りましたがね……くくくっ。……あとついでに『最近読者から件が長すぎるとクレームが付くようになったから、今までは伏線じゃなかった文章を拾うように!』などと作者の方から特に厳命を下されましてね。ふふふふっ」
静音さんは少しニヤケながらに、また本編中にも関らず制作秘話をしていた。
「(……あの口への指の突っ込みも、舌の先っちょ撫で撫でも、全部全部! 毒を吐き出されない為の全部計算づくの行動だったのか!! あと読者め余計なことを言いやがって……作者にそんなこと言ったら、栗拾いの如く伏線を拾いまくることは判ってただろうに!!)」
「ごほっ……ご…っ…」
「おい小僧! まだ死ぬでない!! おい!!!! アイ! これを作ったオマエなら解毒薬を持ってい…」
「…………」
サタナキアは懸命にオレを助けてくれようとするが、オレはもう…………何も反応できなくなっていた……。
「アナタ様………………また……別の世界で……です」
オレのことを自ら殺したはずの静音さんが、何故だか悲しそうにしている姿だけが、オレの目に最後に写されたのだった…………。
『You are dead.あなたはまた死にました。またのご利用を心よりお待ちしております(ぺこりっ)』
第37話 輪廻へとつづく




