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あな嫁~あなたの目の前に野生のお嫁さん候補(お嬢様)が現れた!!入力コマンドは!?……だがしかし、コントローラーにシカトされてしまったようだ。~  作者: 立花ユウキ/scarlet
第2章本編 ここからが本当の始まり

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第31話 聖剣に隠されたもう1つの意味とは……

「して、お遊びはここまでなのじゃ! 小僧! しかと(わらわ)の話を聞くがよいわ!!」

「(うん、かなり数話からすっごく(めっさ)話し聞いてるよ。魔神(オマエ)が落とすから真剣(マジ)になれないだけでな……)」


 サタナキアさんはそこらにいる歌姫の如く、そう声高らかに叫んでいた。オレは心の中で苦言を示すと共に、その話とやらを黙って聞く姿勢になる。


「小僧お主はアイ……いや今は『静音』じゃったか? その静音とやらに騙されておるのじゃぞ!」

「静音さんに騙されてるってそんないきなり……。そもそも証拠も何もなしにそんなことを……」

「証拠ならあるわい! 妾の言葉そのものが証拠となるのじゃ!!」


 オレの言葉を遮るようにサタナキアはそう宣言した。


「はぁそうですか。でもそう言われても……ねぇ~っ?」

(だって、ねぇ? 悪いヤツの言うことを誰が信じるってんだ? しかも魔神だぜ。言っちまえば魔の神だよ。信用度0どころか、むしろマイナスだもん)


 オレはサタナキアさんが魔神であることを理由にその言葉を信用しない。


「妾のことを信じぬか!? まぁそれは妾が魔神だからじゃな? そうさ、妾は女大好き魔神なのじゃ! だがな小僧。妾は嘘をつかぬ。いや、嘘をつけぬ(・・・・・)のじゃ。それはこの剣が示しておるのじゃ!!」


 そして天音を操ってるサタナキアはオレに向け、「この剣が証拠だ!」と言わんばかりに右手を差し出し、剣を掲げるように見せ付けた。


「ん? あ~、これは『聖剣フラガラッハ』だよな? それが証拠になるって? そしてそのせいでサタナキアは魔神なのに嘘がつけない? 何々どうゆこと???」


 オレは差し出された剣を見てみるのだが、意味がよく理解できず首を傾げてしまった。


「小僧……もしや、この剣の本当(・・)の意味がわからぬのか!?」

「フラガラッハの本当の……意味?」


 剣の意味ね。前に静音さんが教えてくれたような。確か……


「え~っと……た、確か『報復者』って意味で、あとは『すべてのモノ(・・)を切り捨てる切れ味』だったと思います」


 うろ覚えだったオレは敬語でサタナキアの質問にそう答えた。


「ふむ……それだと半分(・・)だけは正解じゃな」

「は、半分? えっ? えっ? 他にも意味があんのか、この剣にぃ~?」


 オレは差し出されている剣を観察するようにまじまじと見てみる。剣は全体的に赤黒い色をしていて、しかも剣本体からはドス黒い闇のようなモノが出ていたのだ。これでは良い意味で捉えることは不可能であるのは明白だった。


「あ、あの……この剣には他にどんな意味が?」


 オレはもう半分が解からずに、サタナキアに直接聞いてみることにした。


「この剣の本当の意味はじゃな……『Answerer(アンサラー)』と言う意味が籠められておるのじゃぞ! ドヤ」


 すっごい偉そうに意識を支配しているサタナキアが天音にドヤ顔をさせているのだが、その目に力を象徴する色がまったく無く、死んだ魚みたいな目をした美少女のドヤ顔はとってもシュールだった。正直ホラーゲームに出てくる、どのゾンビよりもずっと怖いと思ってしまった。


 そしてオレは、気を取り直してわざとらしく驚いてみせる←


「あ、アンサラーだってぇ~っ!? アンサラーって確か……『答え』って意味だよな?」

「ぶっぶー。お主さすがは英検5級を落ちるだけのことはあるのぉ~、それでは不正解じゃぞ! 正解は『回答する者』という意味なのじゃ!!」


 オレは英検の試験結果を暴露された挙句に軽くディスられてしまった。


「……あんまさ、この物語でオレの個人情報を暴露しないでくれる?」

「それは無理と言うモノじゃの!!(ドヤ)」


 サタナキアはまたもやドヤ顔を決め、国家憲法である個人情報(プライバシー)保護法を拒絶する態度をとっていた。オレの個人情報保護法(心の壁)さんはどこに行ったんだよ? ほんと……。


「して何の話じゃったかのぉ~?」

「……剣のもう1つの意味が『回答する者』ってとこだろ(つーん)」


 オレは英検の結果(個人情報)を暴露され、ふて腐れた態度をとってしまう。


「ほほぉ~、お主随分と良い度胸じゃのぉ~っ? この妾にそのような態度をとってもよいのかぇ? ほれほれ……」

「(がたがたがたがた)」


 サタナキアさんは聖剣フラガラッハをオレの左の首筋に剣の刃を当て、今にも首を切り落とさんばかりにそう問いかけてきたのだ。俺はというと奥歯から前歯にかけてガタガタさせながら、まるで生まれたての小鹿以上に小刻みに震えてしまう。


「あまり動くでないぞ。動くと間違って……のぉ? (ニヤニヤ)」

「(ピッタリんこ♪)」


 オレは首筋に冷たいモノを直接当てられ、もはや身動き一つできないでいた。こんな時、動けないくらいがちょうどいいってね♪


「ふむ。妾もそろそろ最新の流行りというモノを属性に取り入れて『つんでれ』? というやつを1つやってみようかのぉ?」

「…………」

(ごめん。サタナキア先輩が今何言ってんのか本気(マジ)でわかんないよぉ~(泣))


「では、こほん。……お主を殺して、妾は生きるぞよ!!(ドヤ)」

「それはツンデレじゃねぇよ!!!! (戦後最大のツッコミ)」


 それはヤンデレどころか……もはやただの殺人予告だった(笑)。


「だから動くでないというに! ほれ見たことか! 皮が切れFuller(フラー)にまで血が付いてしまったではないか!」


 オレには何の痛みもなかったが、ツッコミをしたせいで首が少しだけ切れたようだ。悲しいかな、この物語唯一のツッコミ役としてアレには突っ込まないわけにはいかなかったのだ。



 次回予告:静音さんの『嘘』と『正体』が明らかになる! ……かも???

 第32話へつづく

※Fuller=日本語では()とも言う。剣身(ブレイド)の中心部に縦溝を付けることにより、軽量化しつつも剛性を保つ利点があり、また血が流れる溝でもある。あるとちょっと(E)(カッコイイ)よね♪

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