第21話 はじめての『仲間を呼ぶ』
前回までのあらすじ!!
アルフレッドのおっさんに貞操を狙われ、静音さんからは『死体』と『遺体』の違いをド下ネタで教えられたわけなのだが……、
「すっげぇ酷い、前回までのあらすじだよな……こんなの見たことねぇよ」
読者のみんなもそう思うよね? なんだか最近どんどん酷くなってきてる。ほんと……そろそろ誰か止めろよ。
「まぁ新たなファン層を開拓しないといけませんしね♪」
うん、確かに『フォロワーさん』や『お気に入り』の数自体は増えてるけど、作品自体の評価はまったくの『評価0』を未だにまっしぐらだしな。そろそろ評価されても良い頃合なのになぁ(裾くいくい)
でもさ、こんな内容だと逆に『減る』と思うのはオレだけかい?
「それはさておき、アナタ様! メニューを開いてコマンドの『仲間を呼ぶ!』を選択して下さいませ! そろそろ本格的にストーリーを進めないといつまでもクリアできませんよ!!」
「(それはオレにとっても重要な案件だわ。だって本来ならこのチュートリアルは3行くらいで終わる予定だったのに、もう10話近くなってるんだもん。それに物語も95697文字を超えたのに、未だに物語説明の途中ってのはさすがにマズすぎるだろ)」
そう思ったオレはこのチュートリアルを早く終わらせるべく、クソメイドが言うがまま指示どおりにする。
「え~っと、黄色の『Yボタン』を押してメニューを開いて……『仲間を呼ぶ!』っと」
オレはこの時、そもそも真ん前に天音や葵ちゃんがいるのに『何で仲間を呼ぶの?』とはちっとも疑問に思わなかったのだ。この時気付いていればこの後の出来事を回避できたはずなのに……。そうして静音さんから木で作られた、いかにも何の変哲もないな笛を渡された。
「はい、それではアナタ様これを吹いて『仲間』を呼んでください!」
「……あっ! セルフサービス方式でオレが吹く感じなのね! メニュー表記は最新のシステムなのに笛を吹いて仲間を呼ぶだなんて、すっげぇアナログなんだよなぁ……。もう新しいんだか古いのかよくわからなくなってきたぞ」
ピ~ヒョロロ~♪ ヒョロピ~ッ♪ 「あっ笛なんか吹くの小学生以来だわ~」と懐かしんでるのも束の間。
『貴方は笛を吹き『仲間を呼んだ!』
ガサガサ、ガサガサ……草っ!? なんと『野生のクマB』が茂みの中から現われた!!』
「ああんっ!? これはどゆこと…ってしかも何気にクマBなのかよ!? うっそぉ~ん、だってだってオレは『仲間を呼んだ』んだよな? それで何でクマ公が敵として現われんのさ! そもそも普通クマってさ、人間の音がすると逆に逃げるよね!? なのに逆に出てくるんじゃねぇよ。あとAはどこ行ったったのさ!?」
突然の出来事に戸惑い対応できなくなってしまう。
「アナタ様は一体何をやっているのですか! そもそも天音お嬢様や葵お嬢様がすぐ傍にいるにも関らず『魔物の笛』を吹くなんて!? 一体何をお考えなのですか!!」
「だからオレへの扱いが酷すぎるだろうが! そもそも静音さんがオレに笛渡して仲間を呼べっつたじゃんか!? っつうか魔物の笛なんて持ってんじゃねぇよクソメイドがっ!!」
責任を擦り付けてくる静音さんに対し、全力で怒鳴ってしまう。
「キミ、人のせいにするなんて最低だな……」
天音がオレを蔑み、
「お兄様は……クマさんとお友達だなんて素敵ですね♪」
いつもながら葵ちゃんはかなりズレた事を口にし、
「ワタシはしっかりと意図して魔物の笛を渡しましたが、吹いたのはアナタ様ですよ!! 人に責任転嫁するのもいいかげんにしてくださいませ! ……ぷっ」
静音さんは例の如く自分のことを棚上げした。だから笑い堪えられてないっつーの!
「(グ~)……食料が歩いてきたべ」
お腹をすかせた、アルフレッドのおっさんは怖いことを言い始めていた。
次回予告:第22話 夜のおかずはニ・ン・ジ・ン♪ へつづく




