表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/224

第152話ー番外編ー ジャスミンの簡単お料理教室~ナポリタン編~ その1

※この物語は番外編であり、本編とは一切関係がありません。また食材などは現実世界と同じになっており、また本編のお話とは矛盾が生じております(ジャスミンがケチャップを使うなど)。調理法や手順は作者独自のモノであり、科学的根拠などはありません。そこはご愛嬌ということでお願いします。


挿絵(By みてみん)

「やぁやぁいつもこの『あな嫁』を読んでるお兄さん、お姉さん達こんにちわっ!! ボクの名前は『ジャスミン・ライラック』だよ♪ 既に知ってる人がいるかもしれないけど、ボクは雑貨屋をやったり、酒場を運営したりしてるんだ♪ 今日は何だか『番外編』とか言うヤツで、このボクに料理をして欲しいって話なんだけど……合ってるよね?」

「ふむ。ジャスミンよ。ここは魔神であるこの(わらわ)に任せるがよいわ!」


 ジャスミンと名乗る少女は少し不安気な様子だったが、横からそんな声が聞こえてきた。

挿絵(By みてみん)

「あっ、臨時でお手伝いをしてくれたサタナキアさんだぁ~! あれ? でも今日は給仕の仕事はまだ始まらないよ」

「もちろん今日も日銭を得るために仕事を(まっと)うするつもりじゃぞ! だがな『番外編』と言われては、この妾が出ないわけにはいかないのじゃ!! それにほれ! お主、食材の一つを置き忘れておったじゃろうに。だから妾がついにで持ってきてやったのじゃぞ!」


 サタナキアはそう言うと、ジャスミンが忘れてきたというに今日の食材を渡した。

挿絵(By みてみん)

「あっ、ほんとだ! ボク肝心な物を忘れてたよ! ありがとうね、サタナキアさん♪」


 ジャスミンはその食材を受け取りながら、サタナキアへと感謝の言葉を述べる。


「なに、よいのじゃ。妾もこうして出番が増えるに、気にするでないわ! それに料理教室には助手が必要じゃろ? 妾がお主の手助けをしてやろうぞ!」


 サタナキアは感謝され照れているのか、言い訳をするように助手を申し出た。


「サタナキアさんが手伝ってくれれば、百人斬りだね♪」

「……お主にボケは務まらんようじゃな。まぁよいわ。……して、今日作る料理は何なのじゃ?」

「うん! 今日はみんな大好きお手軽『ナポリタン』を作ろうと思うんだ♪」

「おおっ! ナポリタンとな!! 妾の大好物の1つじゃぞ! 今から楽しみじゃのぉ~♪」


「じゃあ、まず最初に材料の確認をするよ! さっきサタナキアさんが届けてくれた『乾燥(・・)パスタ』と『トマトケチャップ』『ピーマン』『ソーセージ』『タマネギ』『油』が主な材料だね」

「ふむ。意外とシンプルなのじゃのぉ~。……して、分量はどれくらい作るのじゃ?」

「そうだね。今日は二人分だから、パスタ200gくらいかな」

「うん? 200gでは少し少ないように思えるのじゃが……それでよいのか?」


「他のレストランとかでも、パスタの場合大体一人前あたり100gほどなんだよ。それに今日は作り方が主なお話だから『標準』じゃないとダメだしね! アレンジはそれからで良いと思うんだ♪」

「確かにのぉ。普通のも作れんクセに、最初からアレンジするとロクな事にならんからのぉ~」


「それでまず始めに何をするのじゃ?」

「そうだね。まずは、少し大きめの鍋に水を入れて沸かします。もちろんお湯があればそのままで大丈夫だからね! そしてお湯が沸いたら、そこに塩を2摘みほど入れます」

 ジャスミンはパラパラっと、煮えたぎる鍋の中に塩を入れる。


「うん? 何故塩を入れるのじゃ? 『味付け』なのかえ? それにしては少ないのぉ」

「うーん。『味付け』ってゆうよりも、塩を入れると麺が引き締まってコシ(・・)が出て麺同士がくっ付くのを防ぐんだ! それと塩を入れる事で沸点が上げて早茹でにもなるし、浸透圧の関係でソースと絡めた時により美味しく食べる事ができるんだよ♪」

「なるほどのぉ~。ちゃんとした理由があるのじゃなぁ~」


 サタナキアは感心するように、ジャスミンの話に耳を傾け納得していた。


「じゃあ、そろそろパスタを入れようか♪ にぎにぎっと……それ~♪」


 ジャスミンはそう言うと、パスタを捻り広げるよう扇上に鍋の中へと入れた。


「それは何をしたのじゃ? 何やら広げるように入れたようじゃが?」

「うん。これもパスタがくっ付かないように、広げて入れたんだ。束のまま、まとめて鍋の中に入れるとそのまま固まってダマ(・・)になっちゃうんだよ。それを防ぐために広げて入れるの」


 ジャスミンはそう言いながら、長い菜箸を使いパスタをかき混ぜていた。


「じゃあ、麺を茹でてる間に材料を切っちゃおうか! ここからはサタナキアさんの出番だからね♪」

「おお! ついに妾の出番かえ? バッチコーイなのじゃ!」


 ジャスミンはまな板にソーセージを4本ほど乗せた。

挿絵(By みてみん)

「まずはソーセージを食べ易い大きさの輪切りにしようね。厚さ1cmくらいかなぁ~。それでも厚いようなら少し薄めでも大丈夫だからね!」

「1cmくらいじゃな。心得たぞ!」


 トントントン♪ さすがは何でも切ることができる聖剣フラガラッハである。「ソーセージの輪切りなぞ、造作も無いわ」と言った感じで、リズミカルに切られていく。


「うんうん。そんな感じだね。じゃあ次はっと……ピーマンを切ってもらおうかな♪」

「うげっ。ぴ、ピーマンかえ? それは苦いから妾は苦手なのじゃ……どうしても入れないとマズイかのぉ~、ジャスミンよ」


 サタナキアはたじろぐようにまな板から離れようとするが、ジャスミンに持ち手部分(グリップ)を捕まれ逃げられない。


「サタナキアさん、魔神なのにピーマン苦手なんだね。じゃあ1つだけでいいかな。そもそもピーマンは彩りのためだしね!」

「妾は1つもいらんのじゃがなぁ~」


 そんなサタナキアを無視するように、ジャスミンはピーマンをまな板の上に置いた。

挿絵(By みてみん)

「まずは上の帽子の方を少しだけ切って……っと。そして中の白い種を出そうね。まぁ種も食べれないことはないけど、美味しくもないしね。ここは手で掻き出しても良いし、スプーンなんかで取るのも良いかもね!」

「ぺっぺっ苦いのじゃ苦いのじゃ! じゃ、ジャスミンよ! 目を離した隙に鍋が溢れそうになっておるぞ!」 


 見ると鍋は煮えたぎり、泡状の湯が鍋から吹き零れる寸前だった。


「慌てない慌てない。ここで鍋に差し水を……」


 ジャスミンはそう言うと、コップに入った水を沸き立つ鍋へと注いだ。


「おお! 水を入れただけで吹き零れそうだった湯が引いたぞ! 水を入れるのは、吹き零れを防ぐのが目的なのじゃな!」

「うん。それもあるけど、実はお湯の温度を急激に下げる事で、麺を早く茹で上げることができるんだ♪ 原因はよく分からないけど、この差し水は『びっくり水』とも呼ばれてるんだ♪」

「びっくり水とな! それはまさにびっくり(・・・・)じゃな!!」

「…………サタナキアさんもボケの才能ないよね」

「…………あまり言うでない。妾も気にしてしまうじゃろうが」


「じゃあ、気を取り直してピーマンの種を取ったところで、これもソーセージ同様に輪切りにしてもらうかな♪」

「ジャスミン……お主。絶対Sじゃろ? また妾に苦さを味合わせる気じゃな!」


 サタナキアの抵抗空しく、サクサクサク……っと、ピーマンが輪切りにされる音だけが響くのだった。



 次回もお料理教室の続きです♪ 第153話へつづく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ