第15話 チュートリアル編:その2『はじめての戦闘』
前回までのあらすじっ!!
オレたちが農家に押し入り家捜しの最中に運悪く、そこの住人が帰っ…、
「そこだべさっ!!」
家に押し入られ怒り狂った家主は、手にしているピッチフォークを精確にオレの腹に目掛け槍を刳り出してきた!
ガシャンッ!!
「うおっ!? あ、あ、あ、あっぶねーなっ!?」
辛うじてその刳りだされた武器を本能的に避けることに成功する。だがオレが避けたことで、隣にあった大きなツボが串刺しとなり割れてしまい犠牲となった。
「(あ、あんな鋭利なモノで腹を串刺しにされたらボディピアスどころの話じゃすまないぞ!?)」
っと割れたツボを尻目にそんなことを考えれる余裕があった。
「よくも、よくも、オラの家のツボさ、割ってくれたなっ!!」
『家主の怒りのボルテージが3上がりました♪』
「いやいやオレは割ってないよ、アンタだよ、アンタ!! 自分の事棚に上げすぎだからねっ!? お、おじさんいくら家に押し入られて怒ってるからって、『前回のあらすじ』の解説途中に武器で攻撃するのは……」
「オラの攻撃さ避けるでねぇべ! まだまだ、ガンガンいくべさっ!!」
『家主の作戦行動が『一緒にガンガンイクべさ♪』に変更されました♪』
「む、無茶言うなよ!? 本気で当たったら死ぬぞっ!? 一旦矛を収めましょうよ! ねっ!」
オレはナレーションのそのノリにツッコミを入れる間もなく、家主を説得を試みる。
「ふーっ、ふーっ」
だが、家主は興奮状態で聞く耳を持たず、むしろ逆効果になっているのかもしれない。
家主はまるで銛で魚を殺るかの如く、腰ダメに干し草をすくうフォーク状の農機具を構え、一直線に標的に向け、
刳り出す! 刳り出す! 刳り出すぅ~っ!!
そしてその攻撃をオレは、
避ける! 避ける! 避けるぅぅぅ~っ!!
まるで生死をかけた絶頂を迎えた時のようなその繰り返し! だが、それがイイ!!(笑)
「はぁはぁ……そろそろオラと一緒にイクべさっ! い、痛いのは最初から最後までだから、感じるままに安心して何度も何度もイキたかったら、逝っていいんだぞっ!! んだども1人じゃイカせないべっ!(照)」
「な、何かいつの間にか趣旨が変わってるYo!? これって確か『R15作品』だよね!?」
一体どこに一緒にイクのか、皆目検討もつかない状況がいつまでも続く。あとオレに男色趣味はないのであしからず!!
「(もごもごっ)おーい、キミもいつまでも攻撃を避けていては話にならないぞー」
「(もぐもぐ)お兄さま~……(ごきゅんっ)」
「(ごくごく)ぷっはぁ~、そうそこだ~、イケ! ちっ、あ~も~今のはおしかったぁ~!」
「……何しやがってんだよ、アイツら。この状況下で他人の家のダイニングテーブルに腰かけながら、何好き勝手に物を食べ&飲んでるの!?」
葵ちゃんが新たに見つけたらしい、食べ物を3人は食べ&飲みながら、オレと家主の攻防を高みの見物よろしくしていた。天音は適当なアドバイスを、葵ちゃんは食べるのに忙しく、また静音さんに至っては、オレの腹に新たなピッチフォークをプレゼントしたいご様子だった。
「ってかオマエらも、ただ座って見てないでオレを助けろよっ!」
「(もごもご)」
「(もぐもぐ)」
「(もきゅもきゅ)」
オレがそう叫ぶと同時に目を逸らし、3人とも飲み食いに忙しいご様子。
「あっこら葵! それはワタシ分だぞ!」
「お姉さま、こうゆうモノは早い者勝ちですわよ♪」
「(ヒック! ヒック!)ウィ~ス♪」
3人ともお食事をお楽しみのようだ。……ってか静音さんが飲んでるのはワインなのか? 既に頬を赤らめて酔っ払ってるように見えるのだが……あれは気のせいだよな?
あっここで一応言っておくが「この物語に登場する人物は全員18歳以上』だからなっ!! 例え高1という設定であろうと、そこだけは間違えないようになっ!!
……ってしまった!? 18歳でも飲酒はマズイよね? あれです。あれは……シャンメリーっぽいモノってことで、読者のみんなは脳内変換してくれ!!
「オラん家の食べ物さ、勝手に食いやがってもう許さねぇぞっ! おめぇさだけは生きて帰えさねぇから覚悟しろっ!」
「だからオレは何んにも、してないってばっ!? 何でオレばかり狙われるんだよ!! も、もしかしてオレがこの物語の主人公で真の勇者だからなのか? そうだよ! そうに決まってるよね!? じゃないと納得できないんだもん」
※RPGなどでは基本的に1Prayerが1番敵に狙われるよう設定されています
「いえいえ、アナタSummer~それは違いますよ~(ヒック)。たぶんこの中で1番弱いから狙われているのかと(ヒック)……ううっ、なんかきもちわるぃー」
「(ええいっ! もうこの酔っ払いモドキのクソメイドがっ!! シャンメリーっぽいモノで酔っ払いながら、な~に映画の昨日香みたいなセリフ言ってやがるんだよ!? オレにだって少しくらい夢くらい見させてくれてもいいだろうに!! ほんとオレもそろそろ本気で泣くぞコラ!!)」
『でろでろでろでーん♪』
『なんとアナタの目の前に野生の農家の家主こと、『アルフレッド・マークス3世』が現われた! なんとなくコマンドを入力してください(ぺこりっ)』
「……何かもうナレーションの表示すらバグってきてるんですけどさぁっ!? たぶんこれってこの話の冒頭に出てくるはずだったよね!? あと『なんとなくコマンドを入力』って何さ!? しかも家主の名前が『アルフレッド・マークス3世』とか、ちょっと貴族っぽくて何かカッコよさ気なんですけど!? あとあと街の人なんだから『野生』じゃないよね!?」
もうオレは息をするのも忘れ、一息で出来うる限りの全力ツッコミをするしか道はなかったのだ。
「あ~そのようでしたねー。なんかもう面倒だから『ここいらにぶっ込みゃいいじゃん♪』的なノリでワタシが修正しときやしたよ! うぷっ……げろげろ」
「(そういや静音さんは、この世界の管理人兼ナレーションのアルバイトもしてたな。ってか自称乙女モドキがカエルさんのマネしてるんですけど……いいのかコレは? あとで読者からクレーム来ない?)」
カエルさんのマネをしながら、お話は第16話へとつづく。