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第108話 実はアリッサがラスボスだった?

 前回までのあらすじ!!

 聖剣フラガラッハの動力源を交換し、ようやくサタナキアさんを起こすことに成功した。

 だがしかし、元盗賊の頭アリッサによってその聖剣が奪われてしまったのかもしれない……



「アナタ様……それはいつもの悪ふざけとかそうゆう(たぐい)のお話ではないのですか?」

「いや、こんなことふざけて言えるわけないよ……」

(そもそもオレから(・・・・)ふざけた事は未だかつて一度もねぇんだよ、静音さん)

※もきゅ子を仲間にするときありましたよ(笑) by作者からの横槍


「それは困ったことになりましたわね……」

「もきゅぅ~」


 自体がかなり深刻だということで葵ちゃんも、また傍にいるもきゅ子も困惑した表情をみせた。


「でもアナタ様……アリッサが盗んだという確証はないのですよね? ただアリッサが『元盗賊の(かしら)』というだけしか? それなら直接アリッサのお店に行って事実かどうかを確かめるのが先決では?」

「あ、うん。そうだよな!! さっそくみんなでアリッサの店に行こうぜ!!」

(さすが静音さん。困ったときにはほんと役に立つわ。オレなんて気が動転してそこまで気が回らなかったしな!)


 そうしてオレと静音さんは、動かない石像(天音)を黒ずくめのFBI職員に捕らえられた宇宙人のように両脇で抱え、葵ちゃんはもきゅ子を抱きかかえると、隣にあるアリッサの店『のんびり亭』へと急いだ。


 カランカラン♪

<武器屋&防具屋『凶器と狂気が入り乱れる(いこ)いの場:のんびり亭』>

挿絵(By みてみん)

「バンッ!! アリッサいるかっ!!」


 本来なら『バンッ!!』っと勢いよく効果音(SE)付きでドアを開け放ちたかったのだが、生憎とのんびり亭のドアは大きくそして重かったため、オレの口(マイセルフ)で効果音の真似をすることになった。


挿絵(By みてみん)

「おや、早かったねぇ~。うん? どうしたんだいそんな息を切らせて、しかもドアの効果音(SE)を口にしながら慌ててさ?」


 アリッサはちゃんと店にいた。そして何気にオレがドア音を真似してたと速攻で見破られてしまう。


「(なんだろう……この作品に出てくるキャラはみんな、状況を察知する能力に優れてるのか? あまりにも本文説明臭いセリフが組み込まれてやがるぞ)」

「(ちょっとアナタ様、アナタ様(裾くいくい))」

「(えっ? 何静音さん? 何なの?)」

 そんなことを思っていると、隣にいる静音さんが服の裾を引っ張り、アリッサに聞こえぬよう小声で話かけてきた。


「(いえね、アリッサちゃんといるじゃないですか。もしかして……剣を盗まれたというのは、アナタ様の勇み足だったのではないでしょうか?)」

「(そ、そうかもしれないね。とりあえず……事実を確かめる意味でもさ、アリッサに話を聞いてみようか?)」


 オレと静音さんは互いに頷き、アリッサに話をして探りを入れてみることにした。


「うん? どうかしたのかいアンタら?」

「あっ、いや、その……」


 オレの不審な態度にアリッサは少し不機嫌そうになってしまう。


「(どうする? これ以上アリッサの機嫌を損ねないようにしないといけないよな?)」


『今月もギャラが少なくお仕事が欲しいので、ここいらで選択肢を導入させていただきますね! アリッサになんと答えますか?』


『アリッサ、剣を盗んだのか?』実はアリッサがラスボスエンド

『さっさと金を出しやがれ、この売女(ビッチ)がっ!!』静音さんと盗賊エンド

『いいから黙ってオレの嫁になりやがれっ!!』アリッサ攻略ルートへ ←えっ?


「(いやいや、どれも安全な選択肢(セーフティーゾーン)な気がしねぇんだよ。だって問いただしたら、アリッサがラスボスになっちまうんだろ? してそれをまだ物語の途中なのにバラすんじゃねぇよ! 読者のこれからの楽しみがなくなるだろうが。あと金を要求するで、何で『静音さんと盗賊』になってんだよ。元盗賊の頭(アリッサ)とじゃねぇのかよ!? あとあと最後の選択肢のヤツ……これじっくりと考慮(こうりょ)させて下さいね!!)」


 オレは三つ目の選択肢を選び、既にアリッサをお嫁さんにする気満々だったのだが、


『ブー時間切れです。時間内にお選びいただけなかったので、正規ルートに戻させていただきますね!!』

「(ちっくしょー、時間短すぎるんだよ。何にも選べねぇじゃねぇかよ……)」


 文句を言いながら、時間内に選択肢を選ばなかったオレは正規ルートとやらに強制的に戻されてしまった。


「っとと、あ~アリッサ。剣は……どうしたんだ?」

「うん? なんでそんなこと聞くのさね? もしかして、あたいのこと疑っているのかい?」


 オレはやんわりと言ったつもりだったが、アリッサは「オレがアリッサを疑っている」と聞こえたらしい。


「あ、いや……違くてさ……」

(どどど、どうする? 何か出逢った頃と同じ雰囲気になりそうだぞ!?)

「あの剣はワタシの大切な剣なんだぞ! 所在を心配するのは当たり前だろっ!?」


 ショックで石化した天音だったが、どうやら勇者の役割を思い出したらしく、石化を解除して困っているオレをフォローしてくれた。いやフォローしたというよりも、剣が大切なだけか?


 第109話へつづく

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