5 “同類”
ありふれたセレモニーホールの控え室に、世間一般では‘異質’であろう4人の男子がいた。
「なんの因果でこんな短期間に2人も親友が死ぬんだろうな…………」
怒りを噛み殺すように吐き捨てたのは斎藤潤季。通称潤。
航の同類でありながら、中学の卓球個人で全中優勝したスポーツ少年。
そして二次オタ。
「死んだ親友の彼女が自殺しようとしたのを庇った。物語じゃありふれた話だろう」
冷静に呟くのは井颯大。通称颯大。
潤季の大親友で同類ながら、全国統一模試では1位常連の頭脳を持つ。
なお声豚。
「まず中学生が死ぬっつーのが異常なんだがな」
颯太を叱るような口調で言ったのが梶雅也。通称雅。
航の同類であり、人気スマホゲームを立ち上げた若きプログラマ。
かつネトゲ廃人。
「…………」
言葉を発しないのは石上陸都。通称海都。
航の幼なじみで同類であるからこそ、シャッター前同人サークルの人気イラストレーター。このあだなはPNがためだが、今説明する必要もないだろう。
して東○厨。
隣にいるはずのリア充要員と凡人要員がいない。
いつもは6人の元卓球部メンバーで一緒にいたのに。
場所は4人共通の親友である、航の通夜会場。
この中学の同期メンバーが航の親ともよく知り合っていたから、遺族控え室に居座れている。
この4人は1日前、親友を2人亡くした。
SNSフォロワー30万超をしたよくわからないやつ、堀和馬。またニコ○コ中毒者。
卓球部唯一の凡人だった岡本航。
和馬は、投身自殺をした少女の下敷きになって死んだ。少女は一命をとりとめている。
航は、和馬が死んだ30分後に、彼氏の後を追って自動車に轢かれようとした少女を庇い死んだ。この少女もまだ生きている。
4人は同時に行われる2つの通夜と葬式を、お互い慰めながら、泣き潰れながら越していった。
本当にすいません。
訳あって更新しにくい状況でして。詳細はもう片方の連載をご覧ください。説明がめんどくさい(←作者として最低の態度)
とりあえず3月まで二週間に一回くらいで予約投稿しておきます。
申し訳ありません。今後もよろしくお願いします。
それでは、良いお年を。