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8 - 3

一郎が『R shop』を訪れてから、

数日が経った、ある日の午後、

依頼が無くて暇だったので、

職場の探偵事務所の応接セットのソファに寝転んで、

週刊誌を読んでいた一郎に社長の姫花が声を掛けた。

「ねえ田中君、

この、テレビのニュースで流れているお店って、

この前、田中君が行った叔母さんの所じゃないの?」


「えっ!?」

一郎は、ソファから起き上がってテレビの前に移動した。


その画面には、全国展開しているリサイクルショップの本店で、

社長夫妻を人質に、立てこもり犯が籠城をしているとのニュースだった。

「うわっ!ホントだ。」


「やっぱり・・・

助けに行った方が良いんじゃないの?」


「そうだな、暇な事だし行って来るか。」


「暇だからって・・・

随分、薄情じゃないの?」


「いや、ミコ姉ぇは空手と合気道の有段者だから、

普通の立てこもり犯なら、自分で撃退できると思うぜ。」


「やってないところを見ると、何か事情があるんじゃないの?」


「そうだな、旦那の義之さんが人質にでもなってるのかな。」


「じゃあ、やっぱり助けに行かなくちゃ駄目じゃない。」


「そうだな、行って来るとするか。」


「田中君の事だから心配はいらないとは思うけど、

一応、気を付けてね。」


「社長も、俺の扱いに大分慣れて来たね。」


「そりゃ、あれだけの能力を見せられたらね。」


「そりゃ、そうか。

一応、正体が分からない様に『神の鎧』を装備して行くかな。」


「そうね、テレビ局のカメラが、あちこちにあるだろうから、

建物の中でも用心した方が良いわね。」


一郎は『神の鎧』を装備してから、

『R shop』へ転移した。




その頃、『R shop』では・・・

「あなた達の、狙いは何なの?」


「うるせえ!お前が手間を掛けさせた所為で、

逃げ遅れちまったじゃねえか!」

「ホントだぜ、社長夫妻って言うから大人しいって思ってたら、

とんでもないジャジャ馬じゃねえか、

これじゃ、あんな端金はしたがねじゃ合わねえぜ。」


「つまり、あなた達は誰かに頼まれたって事ね。」


「しまった!」

「馬鹿野郎!なに喋っちまってるんだ!」


「で、あなた達は何を頼まれたの?」


「チッ!・・・まあ良いか、イザって時は口を封じちまえば良いんだしな、

俺たちの目的は、何か変わった材料で出来ているって言う、

短剣と髪飾りだよ、どこに置いてあるか喋ってもらおうか。」


「なる程ね、あれが狙いって言うなら、

黒幕は限られてくるわね。」


「分かったところで、あんたには何も出来ないがな。」

「ちげえねぇ、どうせ此処で死ぬんだしな。」


「義之さん、私が何とかするから、

もう少し我慢してね。」

御子みこは横で縛られて猿轡さるぐつわを噛まされている、

夫の義之に語りかけた。


「そろそろ、短剣と髪飾りがある場所を話して貰おうじゃねぇか、

それとも、痛い思いをしなけりゃ話したくならねえか?」

「旦那の方を痛めつけた方が良いんじゃねえか?

旦那を捕まえたら、すぐに大人しくなったじゃねえか。」


「あなた達、義之さんに何かしたら、

生まれて来た事を後悔させてあげるからね!」


「手足を縛られている、お前に何が出来るってんだよ。」

「そうだそうだ、悔しかったら、どうにかしてみろってんだよ!」


「くっ!」

御子は悔しくて唇を噛んだ。



その時、他に誰も居ない筈の『R shop』社長室に、

第三者の声が響き渡った。

「呼ばれて飛び出てドンガラガッシャンガシャ~ン!」


「だっ、誰だテメェは!?」

「どこから入って来やがったんだ!?」


「俺は正義の味方、シルバー仮面だ!」


(この声って・・・)

「一郎なの?」


(しまった!また声を変えるのを忘れていたぜ、

社長の時に気を付けようって思ってたのに・・・)

「それは、誰かな?」

シルバー仮面は急に裏声で喋り始めた。


「シルバー仮面だあ?

ふざけた事、言いやがって!」

「それ以上、近寄るんじゃねえぞ、

それ以上、こっちに来たら人質を刺すぞ!」

犯人たちは、御子にナイフを突きつけて牽制している。


「何で、刺すんだ?」

シルバー仮面が、腰の剣を抜いて、

離れた場所から一振りすると、

犯人の足元でゴトッ!という音がした。


犯人が足元を見ると、ナイフを握った手首が転がっていた。

「はあ?」

一瞬の間を置いて、激痛と共に切り口から大量の血液が流れだした。

「ぎゃ~~~っ!痛ぇ!痛ぇよ~~~!」

「何しやがったんだテメェ!」


「そうだなぁ・・・何って言えば、制裁かな?」

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