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7 - 4

一郎は人目の無い、森の中へと分け入って

『ステルス』と『飛翔』の魔法を発動した。


山の上に着くと、魔法を解除して早速調べて見る。

「おいおい、マジかよ・・・」

地中を探知してみると、

確かに巨大な何かが埋まっている反応があった。


「これは・・・

素材的にはオリハルコンに似ている感じだけど、

どちらにしても地球上の物じゃないな、

所々に青銅や錫が使われているのは修理しようとしたのかな・・・?」


「そこで、何をしておるんじゃ!」

一郎は、自分の気配感知に反応が無かったので、

ビックリして声の方を振り返った。


そこには、一人の老人が立っていた。


「初めまして、僕は郷土史の研究をしている田中と言う者ですが、

麓の村で、大昔に、この星降山ほしふりやまに流れ星が落ちて、

こんな変わった形になったと聞いて見に来たんです。」


「ワシは、この先にある黒姥根くろぼね村の村長をしておる、

暮井くれいと言う者じゃ、

この山に登ったなら村を通った筈じゃが、

よそ者が来たとの話は聞いておらんのだがな。」


「ああ、僕は村を通らずに反対側から登ったんですよ。」


「ふふふっ、語るに落ちたな、

村の反対側は幅20メートルはある谷があるから、

登ってはこれんぞ。」


(くそ~、しくじったぜ。)

その時、一郎の頭に『精神操作に対抗しました。』

とのメッセージが流れた。

(成る程な、この爺さんも只者じゃないって事か。)


「いえ、20メートル程度なら問題ありませんよ、

あなたが僕の心を操ろうとしたように、

僕にも特別な能力がありますので・・・」

一郎は老人から遠ざかる様に、

予備動作もなしに後ろ向きで30メートルほど飛んだ。


「何!?お主、何者じゃ!」


「少なくとも、あなたの敵ではありませんと言って置きましょう。

また改めて村の方に、ご挨拶に伺いますので、

今日はこれで失礼させて戴きます。」

一郎は『転移』の魔法で探偵事務所へと跳んだ。


「消えた・・・

一体、何者なんじゃ。」


事務所に戻った一郎は、

事務所に居た姫花に、今日の出来事を語って聞かせた。


「田中くん、私をからかっているんじゃ無いのよね?」


「ああ、全部、本当にあった話だ。」


「地球上の物じゃない金属って事は、

やっぱり地球外生物の乗り物が埋まってるのかしら?」


「ああ、宇宙人の乗り物かは分からないが、

大きさや形からすると何らかの加工を施された物が埋まってたぜ。」


「これは、最上もがみさんたち警察の手には余る案件よね。」


「ああ、俺だから対抗できたが、

普通の人じゃ精神操作を受けて操られると思うぜ。」


「どう対処すれば良いかしら?」


「俺は、取り敢えず村長と話し合ってみようかと思うんだ。」


「田中くん、大丈夫?」


「ああ、逆に言えば、

あの村長と対等に話し合えるのは、俺しか居ないと思うぜ。」


「そうね、田中くん以上の能力を持った地球人が、

それほど居るとは思えないしね。」


「そう言う事。」


「でも、相手は未知の存在なんだから、十分に気を付けてね。」


「おう、俺だけなら、どんな状況からも逃げて来られるから、

そんなに心配しないで待っていてくれよ。」


「分かったわ、どんな土産話が聞けるか楽しみにしてるわね、

あと、最上さんに依頼された大善寺だいぜんじ 徳郎とくろうの、

事を聞き忘れないでね。」


「そうか、元々そっちを調べていたんだったっけ、

余りにもスケールが大きい話になってきたから、

すっかり忘れていたぜ。」


「もう、本業を忘れないようにね。」


「了解、了解。」


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