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1-2

最寄もよりの駅から、徒歩とほで20分ほどの所に、

犯人の一味いちみと思われる男が暮らすアパートがあった。


俺は直接、部屋へと向うと、

部屋の入り口に、織田礼雄おりたれおの表札がでている。

そこはかとなく、オレオレ詐欺犯らしい名前である。


俺はチャイムを押した。

ピンポ~ン

「織田さん、お届け物です。」


ガチャガチャと鍵を開ける音がして、

扉が開いた。


俺は、すかさず精神魔法を使って、

相手の心をしばると、

召喚魔法で小さいネズミを呼び出して、

部屋の中に忍び込ませた。


入り口の扉を閉めて、精神魔法を解くと、

織田は、「あれ?俺何しに玄関来たんだっけ?

・・・まっ、いいか。」と言って、部屋に帰って行った。


俺は、ひと気の無い路地を探して、

奥へと移動すると、亜空ルームを呼び出して、

中へ入った。


ルームの中に入った俺は、

居間に光魔法で大画面テレビのようなモニターを造って、

召喚獣から送られてくる、音と映像を投影した。


ソファーに座って、楽な張り込みだが、

刑事の皆さんに申し訳ないので、

軽食はアンパンと牛乳にしておいた。


途中で社長から連絡があったが、

近所の聞き込みで、気になる証言があったので、

ちょっと調べてみるから、先に帰ってくれと言っておいた。


動きがあったのは、夜9時頃だった。

電話がかかってきて、

「はい、はい、次のターゲットが決まったんすね、

じゃあ、明日の10時頃に、いつものとこで、お待ちしてます。」との、

受け答えをしていたので、次の犯行を打ち合わせるようだ。


その日は、もう動きが無さそうなので、

亜空ハウスから出て、転移魔法で帰宅した。


次の日、社長に連絡して、引き続き調べものを進めるむねを伝え、

織田のアパートに向い、入り口が見える場所で張り込んだ。


少しすると、織田が出てきたので、気配を消して、

一応、光魔法で光学迷彩をかけてから尾行を開始した。


織田は、駅方面に向かうと、一軒の喫茶店へと入ったので、

俺は、魔法を解いて、同じ店へ入った。


身体強化で聴力を上げて待っていると、

見るからに堅気かたぎの人間では無い男が現われて、

織田の正面に座った。

「これが、今回のターゲットの資料だ、中を見てみろ、

G県に住む86歳のババーだ、大地主で貯金も8000万ぐらい

貯めこんでるようだから、たんまり搾り取れるぜ。」

ニヤニヤと、いやらしい笑いを浮かべている。

「わかりました。

やつらを集めて、実行に移します。」


俺は、男のほうを尾行することにした。

近くの駐車場から、車で出てきたので、

また光学迷彩をかけて、空を飛んで追跡することとした。


車は一時間ほど走ってからビルの駐車場へと入ったので、

俺も着地して向かうと、

男がビルの部屋へと入っていくのが見えた。


ちょうど犬の散歩をしているオジサンがいたので、

ビルのことを聞いてみると、

「あのビルは暴力団の本部だから、近寄らないほうが良いよ。」

と注意された。


(やっぱり、裏に暴力団がいたのか。)

俺は、確認がとれたので、ふたたび織田のアパートへむかった。


例によって、亜空ハウスで織田を見張っていると、

織田が仲間らしい連中に、

今晩、織田のアパートに集まるように連絡していたので、

そのまま、監視を続けることにした。


夜7時頃から集まり始めて、

最終的に5人の実行犯と見える連中が来た。

連中は細かな役割分担などを、

慣れた様子で打ち合わせているので、

常習犯と見て間違いないだろう。


俺は、裏がとれたので、部屋へ乗り込むことにした。

また、「織田さん、お届け物です。」と声をかけて、

玄関を開けさせると、精神魔法で全員の心を縛った。


実行犯のほうは始末がついたので、

あとは、黒幕の退治だ、

元を絶たないと、同じことの繰り返しだからな。


俺は、転移魔法で組事務所の近くへ飛ぶと、

神のよろいと、神剣を装備して、正面から乗り込んだ。


「あ~ん?なんだテメェ!変なカッコしやがって、頭おかしいのか!」

チンピラみたいのが向かってきたので、神剣で首を切り飛ばした。

奥にいる連中のほうに、チンピラの首が飛んでいき、

コロコロと転がって、一瞬の静寂・・・

「なっ、なぐり込みだ!!」

「生かして返すんじゃねーぞ!!」

拳銃ちゃか持ってこい!拳銃ちゃかだ!」

と騒がしくなった。


ドスや日本刀を持った連中が、ぞくぞく向かってきたが、

俺は、ろく防御ぼうぎょをせずに、敵の殲滅せんめつに集中した。


組員たちは、日本刀で切り付けても傷ひとつ付かない俺を見て、

驚愕の表情を浮かべて死んでいく、

少しすると、拳銃を持った者が出てきて、撃ち始めたが、

チュイン、チュインと弾をはじく音が響くだけで、

俺には何の影響も無かった。


「バッ、バケモンだ~!」

組員たちは逃げようとするが、ビルは結界で覆われているので、

俺が解かないかぎり、外には出られない。


偉そうな男を一人残して、あとはすべて仕留めた俺は、

「助かりたかったら、組長の名前でも使って、

外に出てる連中を全員呼び出せ。」と指示して、

残りの組員を呼び出させた。


全員そろったのを確認して、

始末を終えたら(もちろん、偉そうな男もだ。)、

あとは、組長だな。


組長の自宅は確認しておいたので、空を飛んで向かった。


組長の自宅は、閑静な住宅街に建つ豪邸だ、

やはり、豪邸っていうやつは、

悪いことをしないと建たないのかね?


俺は気配を消して、光学迷彩をかけて、

中に忍び込むと、

組長と、その家族数名、ガードの組員数名が居るようだ、

部外者が居ないのを確認してから、

ふたたび外へ出て、

建物の周りにグルリと防御結界を張り巡らせた。

これで、衝撃、音、光は外にもれなくなったので、

俺は呪文を唱えた。


「メテオ。」


空から赤々と燃え盛る隕石が、組長の家へと落下した。

チュド~ン!!

一瞬で建物は消え去って、地面が溶岩のように溶けている。






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