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6 - 3

「名刺から、偽の記者の顔は見えた?」


「ああ、今、似顔絵を描くから、

ちょっと待ってくれ。」


ほどなく、似顔絵が完成して、姫花に見せた。

「アジアン・テイストな顔だけど、日本人じゃなさそうね。」


「ああ、最近はハーフっぽい顔立ちの日本人芸能人とかも居るから、

日本人ですと言われたら、そうなのかと思うかもな。」


「そっか~、で、どこに居るか分かった?」


「いや、検索魔法にはヒットしないな、

俺の魔法は、国単位でしか使えないから、

この女性は、今、日本に居ないみたいだ。」




社長の知り合いである、

県警本部の最上警視正もがみけいしせいから連絡がはいったのは、

大学院をおとずれてから5日目のことだった。


城ヶ崎博士じょうがさきはかせの助手を務める、

六花堂ろっかどうさんから、連絡を受けた最上さんは、

大学院に設置されている防犯カメラの画像を入手して、

調べた結果、驚くべき事実が判明したとのことだった。


身分をいつわって、博士の元を訪れた女性の正体は、

国籍こくせき・本名 不明

コードネーム ジャネット・フジサキ

そのアジア系を思わせる外見がいけんから、

主に中央アジアを中心として、

フリーランスでスパイ活動をう人物だったのだ。


日本の刑事機構けいじきこうでも、

入国を確認していなかったので、

入国経路にゅうこくけいろめぐって大騒ぎになっているとのことだ。


「へ~、意外な大物おおものが出てきたな。」


「そうね、このジャネットって人は、

アメリカやヨーロッパ各国の仕事を請け負うことが多いらしいんだけど、

今回、アメリカでの研究発表を終えた直後ちょくごという、

失踪のタイミングから考えて、

依頼したのはアメリカって可能性が高いわね。」


「そうだな、一度アメリカに行ってみなきゃダメかな?

ところで、アメリカまで調査に行った場合、必要経費ってもらえるのか?」


「無理ね、確かな証拠もなしに、海外調査は出来ないわよ。」


「そっか~、じゃあ俺の転移魔法で行くか?」


「その魔法は、外国にも行けるの?」


「ああ、俺が一度行ったことがある場所なら、

距離を関係なしに跳べるんだ。」


「田中くん、アメリカに行ったことあるの?」


「いや、自慢じゃないが、本州から出たのは、

中学校の修学旅行で行った、佐渡島だけだな。」


「高校の時の北海道は、行方不明になって居たしね。」


「ううっ、北海道行きたかった・・・」


「それは置いといて、

じゃあ、どうやってアメリカまで行くの?」


「ああ、ステルス魔法を自分に掛けて、

飛行魔法で飛んでいくんだ、

2時間も飛べば、着くからな。」


「アメリカまで2時間だけで・・・」


「向こうに着いたら、社長をむかえに来るからさ。」


「なんで?

そのまま、田中くんが調査したほうが、無駄が無いんじゃないの?」


「自慢じゃないが、英語がしゃべれん!!」


「ホント、自慢じゃないわね・・・」

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