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5 - 3

「こんにちは~、田中ですけど、

京子きょうこさんの、お見舞いにうかがいました。」

インターホンで、要件ようけんげると、母親の幸子さちこさんが出迎えてくれた。


「田中さん、いらっしゃい、

あら、そちらは?」


「ええ、京子さんの大学の同級生で、御門みかどくんです。」

「こんにちは、御門 響矢きょうやです。

こちらを、京子さんへ・・・」

御門くんは、お見舞いに持ってきた花束を、

幸子さんに手渡した。


「あら、きれいな、お花ね、京子も喜ぶと思いますわ、

ありがとうございます。

本人は、今日も大学に行くと言ったんだけど、

あまりにも顔色が悪いから、休ませたのです。」


幸子さんの案内あんないで、京子さんの部屋をおとずれた。


コン!コン!

「京子、田中さんたちが、お見舞いに来てくださったわよ。」

幸子さんが、ドアをノックして、京子さんに声を掛けた。


「はい、どうぞ。」


ガチャ、ドアを開けて部屋に入ると、

確かに顔色の悪い京子さんが、ベットで横になっていた。


「みっ、御門くん!?」

お見舞いに来たのが、俺と社長だと思っていたのか、

御門くんが入ってくると、おどろいたように、がろうとした。


「あっ、吉雪さん、そのまま寝ていてください。」

御門くんが声をかけると、一瞬いっしゅん逡巡しゅんじゅんのち

素直に横になった。


幸子さんが、お茶を入れて来ると、席をはずしたすき見計みはからって、

京子さんに、今回の事件の、あらましを語った。


「そうだったんですか。」


「御門くんが言っている事を信じるんですか?」


「ええ、御門くんが冗談や、うそくとは思えないので。」

京子さんは、少しほほあからめて言った。


これが、俺だけで来て、同じ話をしたら、

胡散臭うさんくさそうに見られて、

調査も中止されていただろう・・・チクショウ・・・・。


「でも、私が何かに憑かれているって・・・」


俺は、自分の目に、白魔法をかけた。

「これは・・・犬?・・・いや、おおかみか?」


「田中さんも霊視えるんですか!?」

御門くんが驚いて声を上げた。


「ああ、御門くんみたいに、

常時じょうじ霊視えているわけではないんだけど、

ある方法で霊視る事ができるんだ。」

俺は続けて、浄化じょうかの魔法を使って、狼の霊を浄化した。

ついでに、京子さんに回復かいふくの魔法も、忘れずにけておく。


「驚きました!霊をはらうこともできるんですか!」


「何か、ずっと感じていた倦怠感けんたいかんくなりました!」

目に見えて、顔色が良くなった京子さんが、うれしそうに言った。


「それは、良かったです。

でも、今、はらったのはかげのような物で、

本体は別の場所に居ると思うんだが・・・」


「ええ、僕も、そう思います。

本体の方を、如何どうにかしないと、

また、やってくると思われます。」


「京子さん、何か霊的なスポットとかに行った覚えがないかな?」


京子さんは、少し考えて、

「いえ、そういった物には、

特別、興味きょうみがありませんので、思い当たりません。」


「吉雪さん、最近、山に登ったことは、ないですか?」


「何で、山なんだ?」


「ええ、先ほど田中さんが祓ったモノは、

悪霊というよりも、たたり神のように感じました。

狼は大神おおかみと呼ばれて、

山の神としてあがめられる事が多いんですよ。」


山登やまのぼりですか?

確かに私は、大学で、山登りの同好会に入っているので、

たまに、友達ともだちとハイキング感覚程度かんかくていどの山に、

登ったりしますけど・・・あっ!そう言えば・・・」

京子さんは、何か思い当たったようだ。

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