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姫花が、最上警視正に連絡すると、
幾らも待たない内に、警官隊が到着した。
姫花は、S会の事を調べていたら、
組員たちに拉致されて、
何を調べていたのか聞かれていたところ、
突然、乱入者が入ってきて、
銃撃戦になったと説明した。
「だから、十分に注意するように、言ったでしょ。」
「ごめんなさい、まさか、こんなに早くS会が動くとは、
思っていなかったんです。」
「あなたが、調べてまわった所が、
S会と繋がっていたんだと思うわ、
私のほうでも調べてみるから、
あとで、あなたが行った所を教えてくれる?」
「分かりました。」
S会の連中が撃たれているにも関わらず、
弾丸が発見されないことに、
鑑識の人たちは、首を傾げていたが、
一通りの取り調べ後に、
姫花は解放された。
事務所に帰ると、既に一郎が待っていた。
「それで、さっきの力は何なの?」
「話せば長くなるんだけど、
じつは、俺が行っていたのは、海外じゃなかったんだ・・・」
一郎は、異世界召喚から始まって、
能力を上昇させるための修行の日々や、
数々(かずかず)のスリルに満ち溢れた冒険の日々、
そして、魔王討伐へ至るエピソードを語った。
「その話を信じろと?」
「まあ、普通は信じてくれないよね、
そこで、これを見て欲しいんだ。」
一郎は神剣を呼び出して、応接スペースに置いてある、
大理石の天板の机を真っ二つにした。
「なんて事するのよ!
その机、すごく高かったのよ!!」
「心配ご無用。」
一郎は、すぐに魔法で、元通りにした。
「えっ!?今のが魔法なの?」
「そうだよ。」
「他に、どんな事ができるの?」
「そうだな・・・
ちょっと、俺の手を握ってくれるかな。」
「ええ。」
姫花が、一郎の手を握ると、
次の瞬間、二人は北高校に屋上に立っていた。
「えっ!?ここって北高の屋上?」
「そう、転移魔法ってやつ、
俺は、すべての魔法を究めているから、
大体のことは出来るよ。」
二人は、また事務所へと跳んだ。
「ふう・・・
とんでもない能力ね、どうりで田中くんが何でも出来るわけだわ。」
「そういう事、今回、社長に打ち明けたのは、
この力を、もっと事件解決に使いたいと思ったからなんだ。」
「そうね、どんな仕事でも出来そうな力だけど、
確かに探偵業には、もってこいよね、
分かったわ、一緒に、もっと事件を解決しましょう!」
「おう!」
警察に逮捕された、S会の米俵会長らは、
大量の銃器の出所を、
厳しく追及されて、
ついに密輸のトリックを白状した。
それによって、
麻薬密輸の容疑が晴れた、
長宗我部さんは無事に釈放されて、
沙織さんと一緒に、事務所に訪れた。
「この度は、大変お世話になりました。」
「いえ、孝則さんを信じ続けていた、
沙織さんの気持ちが、実を結んだんだと思いますよ。」
「これからは、うまい話には気を付けるようにします。」
「そうですね、何か、取引相手に違和感を感じられたら、
当社が、迅速、丁寧、お手頃価格で調査いたしますので、
ご用命下さい。」
「なかなか、商売上手でいらっしゃる。」
「「「「ハハハ・・・」」」」
今回の、事件も無事に解決することができた。
また、お会いすることが、あるかも知れないが、
それでは、また・・・




