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4 - 4

その頃、K&T探偵事務所では、

帰りが遅い姫花を心配する、一郎の姿があった。

「社長遅いな・・・

直接帰る時には、いつも連絡くれるし、

携帯は繋がらないし・・・」


S会に捕えられた姫花は、米俵よねだわら会長らに、

イスにしばられた状態で、尋問じんもんを受けていた。


「おう、ねえちゃん、

うちのことをコソコソぎまわっていたらしいな、

何を調べていたんだ?」


「あなた達に、教える義理ぎりはないわ。」


「自分の立場が分かっていないようだな、

その体に聞いてもいいんだぜ・・・」


「探偵は、どんなことがあっても、

お客さんのことは、話さないわよ。」

強気つよきの言葉とは裏腹うらはらに、姫花は小さくふるえていた。


そこへ、姫花のバッグを調べていた、

若頭わかがしら佐門次さもんじがやってきた。


「会長、この女は探偵事務所の社長で、

手帳を調べたところ、

どうやらじゅうを仕入れた時に利用した、

業者ぎょうしゃの関係で調べていたようです。」


「そっちからか、どうやってウチに目を付けたんだ?」


「分かりません、ヤク(麻薬)のほうも、

足が付かないように、細心さいしんの注意をはらっていたので、

ウチには辿たどかないはずなんですが・・・」


「まあ、それは、この美人社長さんの口を割らせればいいだろう。

あとは、探偵事務所の他の社員の口もふうじた方がほうがいいな、

その辺の調べは付いているのか?」


「はい、この社長の他に、社員が一名でやっているようです。」


「そうか、じゃあ、こいつをエサに呼び出して、始末しまつしとけ。」


「はい、分かりました。」



社長からの連絡を事務所で待つ、

一郎の元に、一本の電話が入った。


「もしもし、K&T探偵事務所です。」


『おたくの社長さんを預かっているんだが、

引き取りに来てくれないか?』


「どちら様ですか?」


『いま、お前たちが調べている事件の相手だよ。』


「なるほど・・・

それで、うちの社長は無事なんだろうな?」


『それは、おたくの協力次第きょうりょくしだいだろうな。』


「社長が無事だって証拠しょうこに、声を聞かせてくれないか?」


『いいぜ、おい何か話せ。』


『田中くん?

私よ、ごめんねドジんじゃった。

私のことは、いいから、絶対に来ちゃダメよ!』


一郎は姫花が、その場に居るのを確認したので、

ただちに、かみよろい装備そうびすると転移魔法てんいまほうを使った。


『どうだ、社長さんの確認は出来ただろう?

じゃあ、大人しく、こっちに来てもらおうか・・・

・・・もしもし?・・・もしもし?』


「呼ばれて!飛び出て!どんがらがっしゃんしゃ~ん!!」


「だっ、誰だテメェは!変なカッコしやがって!」


その場に居た組員たちは、

突然とつぜんあらわれた白銀はくぎん鎧男よろいおとこに驚愕していたが、

姫花は別のことに驚いていた。

(えっ!今の声って・・・)


「俺は、正義の味方シルバー仮面だ!!

この世の悪は、たたつぶす!!」


「なにぃ!シルバー仮面だと!

ふざけたカッコしやがって、おめぇらっちまえ!」


(何なの、これ・・・)

姫花は、少し前の緊迫きんぱくした状況から、

一転いってんして脱力だつりょくしていた。

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