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4 - 3

姫花は、その足でK市へと向かい、S会の聞き込み調査を行うことにした。

(田中くんばかりに、たよっていられないしね・・・)


数時間後、S会の会長である、米俵よねだわら 権蔵ごんぞうは、

若頭の佐門次さもんじから、ある報告を受けた。


「何、うちの組を探ってる女が居るだと?」


「ええ、うちの息がかかってる店から、何件か連絡がありました。」


さつ(警察)か?」


「いえ、探偵と名乗っていたそうです。」


「探偵だと・・・

よし、若いやつらを何人か行かせて、捕まえさせろ。」


「はい、分かりました。」


姫花は、市内を聞き込み周った結果、

確かに最近、S会が絡んだと見られる発砲事件が増えているのを、

聞き出していた。

しかも、拳銃だけではなく、多種の銃火器が使われたらしい。

今までは、使われていなかったことをかんがみると、

最近になって入手したと考えるのが正しいだろう。

(何とか、S会内部の情報に詳しい人に、会えないかしら・・・)


それから、何軒かの店に聞き込んでみると、

その内の、1軒のマスターが、

S会の情報に詳しい人物を紹介できるとの話をしてくれた。

(これは、田中くんより活躍するチャンスかも!)


姫花は、マスターに頼んで、

その人物を紹介してもらうこととした。


「この住所のスナックに、S会の幹部の常連客が居るから、

ママさんに聞けば、かなり詳しい話が聞けると思うよ。」


「はい、分かりました。

さっそくうかがってみますので、ありがとうございました。」


姫花が店を後にしてしばらくすると、

マスターは受話器を取った。

「もしもし、私ですが・・・

ええ、そちらに向かうよう手配しましたので・・・

いえ、S会さんには、いつもお世話になっていますから、

また、何かのさいは、よろしくお願いします。」

(なかなかの美人だったから、話を聞き出した後は、

お楽しみだろうな・・・)


姫花は、教えられたスナックをたずねるとママに声をかけた。

「すいません。

K&T探偵事務所の香月と申しますが・・・」


「ああ、マスターから聞いているわ、

もうすぐ、お店を開けなくちゃならないから、

奥の部屋に来てくれる?」


「はい、分かりました。」


姫花は、ママの案内で、店の奥にある部屋のドアをくぐったところで、

何者かに口をふさがれた。

何らかの薬品やくひんを使われたようで、

うすれゆく意識いしきのなかで、

もう少し警戒けいかいするべきだったと、後悔こうかいをした。

(田中くん・・・)

意識を失うとき、たよりになる同僚どうりょうの顔が浮かんで消えた・・・

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