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4 - 2

コンテナの中は、警察が調べただけあって、

チリひとつ落ちていない状態だ。


「警察も調べている事だし、ここには何もなさそうね。」


社長が言ったが、俺には気になる物があった。

長宗我部ちょうそかべさん、あのロープって、

品物が固定してあったものですか?」


「長宗我部って呼びにくいだろうから、沙織でいいわよ。

ええ、そうよ、警察が調べても何もなかったから、返してくれたの。」


俺はロープを拾い上げると、過去見の魔法を使った。

確かにオブジェは存在していたが、

運び出している男達の会話からすると、

ただのオブジェじゃ無かったようだ・・・


「でも、麻薬を密輸したのに、

何で真犯人たちは取りに現れなかったのかしら?」


「麻薬がかくみので、

実際には他の目的があったんじゃないか?」


「なるほど、麻薬に警察の目を向けておいて、

関心かんしんらしたってことか・・・

でも、麻薬以上の目的って何だったのかしら?」


俺は、コンテナの周りを調べるフリをして、

物陰ものかげに入ると、

想像魔法を使って、目的の物を作りだした。


「これ、ちょっと離れた所に落ちていたんだけど、

何か分かるか?」


「何かのバネみたいね。」


「俺が海外に旅行していた時に見たことがあるんだけど、

これは拳銃の部品だ。」


「えっ!それって・・・」


「そう、つまりオブジェっていうのは、

分解された銃火器だったって事さ。」


「だから、麻薬を取りに現れなかったのね。」


「そう、連中は欲しいものをすでに手に入れていたからな。」


「私、その部品を持って、

知り合いの警察関係者に話てみるわ。」


「おう、出来れば最近拳銃がらみの事件が増えた地域が無いか、

聞き出してきてくれ。」


「オッケー!」


俺たちは、沙織さんと別れて、それぞれ捜査にのり出した。


姫花は知り合いが居る、県警本部を訪れると、

例の部品を見せた。


「これを、あの現場で?」


「ええ、コンテナから少し離れた場所に、落ちていたの。」


「しかし、これを見落としていたなんて、

現場に出ていた連中には、

ひとこと言ってやらなきゃならないわね!」


姫花の知り合いは、最上もがみ 知恵ちえといって、

父親の仕事の関係で、アメリカで生まれ育ち、

有名大学で犯罪学を学び、

帰国後、警察に勤めて、

若くして警視正まで出世したエリートだ。


「麻薬密輸事件を担当してる班に連絡しておくわ、

あと、最近、拳銃を使った犯罪が急増しているのは、

K市ね、暴力団同士の縄張り争いで、

今までは力が均衡きんこうしていたのに、

S会って所が、銃火器を使って縄張りを拡大しているわ、

相手は、暴力団よ、調査するなら、十分に注意してね。」


「はい、分かりました。」

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