028 私、さすがにこの文章量は少ないと思います!
本当に短いです!
私はすべてを知った。
リリアさんは私が女でありながらも女として生まれなかった理由から順番に、とても丁寧に説明をしてくれた。
本当に信じられないが魔法というものは存在し、そしてすごいものだった。
ありえないような色々な効果を人に与える事ができるのだから。
私のお母さんが女になったのも魔法だった。
私が男として生まれたのも魔法。
そして魔法にはもっともっと種類があるらしかった。
まぁ、ロールプレイングゲームとかでも魔法は多種あるしね。
そして、恋愛の天使であるリリアさんは天使の使う魔法を教えてくれた。
感情が豊かでない人を感情豊かになってもらう魔法。
勇気が出ない人に勇気を出してもらう魔法。
運のない人でも偶然の出会いが演出できる魔法。
その人の魅力を気がついてもらう魔法。
でも、どんな魔法も一回きり。
継続効果の魔法は基本的には使わないって話しをしていた。
恋愛の天使であるリリアさんは通常はそういった魔法を使って人と人とを結び付けているって話しをしていた。
運命の赤い糸。
その運命の赤い糸で結ばれた人同士が恋仲になるように誘導するのが恋愛の天使の役目。
だけど、リリアさんは悲しそうに話してくれた。
運命の赤い糸で結ばれた仲であっても、すれ違ってしまう事もあるという事。
そう、運命の糸で結ばれていても、それが絶対に結ばれるという事ではないという事。
魔法はあくまでも人の気持ちに作用する薬みたいなものだって。
そして、運命の赤い糸は切れたり新しく生まれたりもするらしい。
通常であれば一人の人間には運命の赤い糸は一本。
だた、年齢や時間などで相手は変わってしまう。
そう、その運命の赤い糸に気がつかなければ、その相手と出会ったとしても、それが運命だと感じなければ、二人は結ばれないのだ。
考えてみればエロゲも選択肢で運命の相手は決まる。
どうやって運命の糸の相手が決まるのかは聞いてないけど、だけど相手は変わる事もあるって言っていた。
運命の糸ってどういう仕組みなんだろう?
あと、特殊な例もあるらしい。
典型的な例はうちのお母さんだ。
まず、お母さんは運命の赤い糸で結ばれた相手が三人もいた。
それ自体が異常だったのに、その三人の女性の好意を蹴り、そして最後に選んだのは男だった。うん、男ってMOBな店長の事。要するにうちのお父さん。
お母さんは運命の赤い糸の相手が三人って事がおかしく、その糸の相手以外を選ぶのもおかしかった。
だけど、結果的にはお父さんからも糸は出たみたいだけど。
なんだよ! 後付ありかよ! って突っ込みはなしね?
ちなみに、三人の女性の糸は今も切れてないみたい。
なんという女泣かせな元男な女なのだろう。ってあーややこしい!
まぁ、結果的にお母さんはお父さんと結ばれて幸せだったからいっか。
……
こんな話はもういいかな。
ともあれ、私の家にリリアさんはもういない。
『あなたが生きているうちに再び出会う事はないでしょう』
そういい残して天界へと戻ってしまった。
最後にリリアさんは言っていた。
『実は、私は奇跡を起こす魔法だって使えるんですよ?』って。
どういう意味だろう?
奇跡を生む魔法?
ああ、そうそう、シャルテさんは堕天してるから相変わらず地上にいるらしいです。
これで説明は終わり。
私はこれからずっとずっと女の子として生きます。
そりゃ元から女だったのに女の事を知らないから不安はない訳じゃないけど。
だけど私には未來もいるしね。
そうだ、今度未來とWWTでもしようかな。
短いのに長く続いてしまったこの小説もついに最終回(あと少しで)を迎える事となりました。皆さん、ダメダメな作者にお付き合いを頂きありがとうございました。あとちょっとだけお付き合いください。




