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 安藤は家に着くと母親に頼まれ、いつも通りスーパーに来た。母親に頼まれた食材を買い物カゴに入れていると、いつものおばさんが話しかけてきた。

「こんにちは、今日もお母さんのお手伝いをして偉いね」

「そんなことないですよ」

 安藤は微笑をしながら、謙遜する。

「そうそう。最近インターネット上で噂になっているらしいのだけれど、違法ロボットを駆除する組織が最近活発に動いているらしいわよ」

 まさか、と思い安藤は聞く。

「それって、セーフティ・チョーカーの無いアンドロイドを駆除する組織ですか?」

 おばさんは驚いたのか目を見開いた。

「セーフティ・チョーカーの無いアンドロイド? まさか、そんなのいる訳ないじゃない。チョンガーでは以前から数は少ないけど違法ロボットがいたのよ。それを駆除している組織が最近活発に活動しているって噂よ」

 そんな組織があることも違法アンドロイドがまだ存在することも知らなかったので、安藤は少し驚いた。まず、都和市にすら歩いて入ったことの無いのだから、知らないことが多くて当たり前だ。それにチョンガーには入ったことは一度もないのだから。

 安藤はそう思い、自分の視野の狭さを反省した。

「そんな組織あるなんて知りませんでした。少し驚きました」

「そうなの。私でも役に立てて嬉しいわ。あんまり遅いとご主人様に怒られてしまうので、失礼しますね」

 そう言うと、おばさんはレジへと進んでいった。

 買い物を終え、家に着くと安藤は携帯電話を確認した。珍しくメールの着信を知らせるライトが光っている。メールを開くと内容は東が受け取っていた物と同じだ。

『安藤遼 現在地 筑紫地区第一スーパー』という文に安藤がスーパーで野菜を選んでいる様子が俯瞰で撮られた写真が添付されていた。宛先は『人あらず者<unknown>』だ。

 安藤はインターネット上にアドレスを書いた記憶がない。一体どうやって自分と東のアドレスを手に入れたのだろう、と思った。

 安藤は母親に買ってきた野菜を渡しながら言う。

「変なメール来ていたのだけれど……」

「あぁ、現在地を知らせるメールでしょう?」

 メールのことを知っていることに、安藤は目を見開いて驚いた。

「そうだけど。なんで知っているの?」

「あなたのクラスの子で何人か同じようなメールが来ていたんですって。さっき緊急連絡網で電話が来たわよ。でも皆さん随分慌てているわね。現在地を知られてもそんなに支障がきたると思わないけれど」

 安藤の母親は人間主義の家でさらに専業主婦のため、周りとあまり交流がない。まさかここまで一般の感覚と母親の感覚がずれていることに呆れた。東が家に入ってからすぐに学校に知らせたのだろう。

「登録者したアドレス以外からは来ないように設定しているのに送られてきたメールなのに、宛先が書いてないから着信拒否も出来ないのだけれど、どうすれば良いかな?」

 母親は少し眉間にシワを寄せて考えてから、諦めたように笑った。

「ただのいたずらでしょうから、気にしなくて良いわよ。それより野菜ありがとうね」

 そう言って母親は安藤の手から野菜を取ると、調理を再開した。

 そんなものなのだろうか、と安藤は調子抜けしてしまった。

 安藤は部屋に戻ると、携帯電話で東に同じメールが来たことを伝えるメールを十分かけて作成して送った。これで東個人を狙ったストーかでないことを伝えられた。ずっと携帯電話のディスプレイを見ていたせいで、肩が凝った。安藤が背伸びをしていると、メールが帰ってきた。

『そっか。私だけじゃないんだ。少し安心した』

 返信メールの内容は簡素なものだが、安心してもらえたのなら十分かけてメールを作成した甲斐があったものだ、と安藤は思った。

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