8話:蒼天
白城との話を終えた私は、新設されるという、《天宮塔騎士団》の様子を見に行くことにした。
天宮塔騎士団とは、列火隊が所属する《飛天》の王国にある塔、天宮塔。そこを拠点に、活動する、王国を守護することを目的とした騎士団だ。団長は、蒼天という男らしい。どのような人物かは聞いていない。何でも、王直々の推薦で、選ばれた、ハルカと同等の力の持ち主らしい。にわかには、信じられない。
そして、見かけた。アレが、蒼天に違いない。ハルカと同等?違うな。アレは、私に近い存在だ。間違いない。間違えようがない。あいつは、あの状態でも力を抑えている。
そう、あの、蒼い髪、スカイブルーの瞳、背中に背負った蒼色の大剣。間違いない。
向こうも、こちらの存在に気がついたようだ。潜在能力では、アカハも私たちと同質の存在だが、アレは覚醒していない。だが、コイツは、完全に覚醒している存在。
「キミが、あの、シノミヤの無双さんか」
「あんた、《翠華》の生き残り?それとも《葵雛》?」
「僕は、《蒼刃》だよ。《朱天》もここにいるらしいじゃないか。キミのシノミヤを入れれば三つ。おそらく、もう生き残っているのは、この三つだけさ」
確かに残っているのは、もうその三つだろう。もし、この三つ以外に生き残りがあるならば、私は、とっくに殺されている。
「無双ちゃん。キミと僕は、いずれ、手を取り合うだろうね」
「それは、予言かしら、それとも勘?」
「予言さ。いや、限りなく予言に近い推測。でもね、無双ちゃん。コレは確実になることだよ。そう、九十七年後。僕とキミは確実に、《あの契約》を交わすんだよ」
あの契約。それは、私の、目標に近づくための。二人ほど犠牲を伴う、あの契約のことか。
私は、呆然としながら、蒼天の背中を見送った。