4話:五王族
アカハの入隊から六年の月日が流れた。といっても、私たちの外見にはさほど変化が見られない。ここは、どこの世界とも時間の流れが異なる場所だからだ。実質、一才も歳を取っていないのだ。
そして、そんな今日、時空間暦で言う十五年。私に部下が出来た。
「一門直属部隊配属。白城王花です」
白城は、五王家、白城家の人間だ。
五王家というのは、四之宮、希咲、白城、三縞、舞野だ。ちなみに、四之宮は、私の篠宮と同じ家だ。希咲は、とある国の姫の家系だ。白城は、高貴なる王族一族(自称)。三縞は、今の、《時空間統括管理局》の世界同士を繋ぐシステムを作り出した家。舞野は、不明だ。これが今の五王族の体系。
白城は、とても有能で、使い勝手がいい。
「隊長。準備が整いました」
「あ、ありがと……」
時に、有能すぎて、困ることもあるが、まあ、別に、悪いことをしているわけではないのでいいだろう。
白城の能力値の高さは、未来よりも大分低い。それでも、私の部下の中では一番の強さを誇ると言っても差し支えないだろう。元々、四門の強さは、一門の部下の十から百倍の強さがいるとされている。つまりは、未来は、白城より十倍以上強いのだ。だが、それは、仕方のないことであり、むしろ、一門の部下というだけで、かなりの強さであることが証明されている。一から四門を除けば強さ順で上位が決まるのだから、白城は、一から四門を除けば最も強い、ということになる。
ここで念のために強さを表すと、
私とハルカ>>>深紅>未来>>>>>白城>>>その他
という構図なのだ。基準は、惑星破壊可能>国破壊可能>小国軍破壊可能>>>軍人より優位となっている。
だが、白城は、未来よりも弱いことが気に食わないようだ。いや、未来どころか、ハルカより弱いことすら気に食わないらしい。理由は、五王族が、五王族以外の人間より、低いことが気に食わないからといっている。まあ、高貴なる王族一族らしいから、プライドが高いのは仕方ないことか。




