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12話:契約
会合も終わり、一息つこうとしていると、蒼天に声を掛けられた。
「会合お疲れ」
「あんたもね」
そんな言葉を交わしてから、しばらくの沈黙。
「それで、契約する?」
私の問いかけに、蒼天は、左手を突き出した。契約のやり方まで知っているらしい。私は、そこに口付けをする。コレで、ようやく二人の犠牲が整った。
「キミの目的は分かってるけど、実際問題、使うことはないと思うよ」
「それは分からないじゃない。実際、一人事件起こしそうなのが居るから」
「それは、まさか……」
「あんた、白城って知ってる」
「やっぱりキミも感じてたんだ。白城が《白王》じゃないかって」
そう、そうなのだ。あの雰囲気、感じが、おぞましいものを感じさせる。
「ハルカは多分、《翠華》の生き残りだし、案外居るのよ。そう言った、七家の生き残りが」
ハルカは、植物と風を使うといっていた。それは、まさしく《翠華》の能力。
そう、このとき、私達は、確実に、何かが動き出そうとしていることに気がついていた。




