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秘密基地

回航員を乗せて航行する五隻、


矢川はついに目的の人物の一人目に接触を果たす


そして、山本長官と軍令部が下した判断は!?

1941年12月17日


事は史実通りには一応動いている、

しかし、今回の真珠湾攻撃が中止になった影響で着々と変わっている

『マレー沖海戦』が起こらなかったのだ、

そもそも、マレー沖海戦はこの真珠湾攻撃が発端である、

真珠湾の仇を取ろうと米濠艦隊がマレーに遥々やってきたのだ、

恐らく現在はフィリピン攻略艦隊は大日本に向けて帰路についてるだろう、

そして、今日、史実通りに潜水艦隊と接触

一同帰路に着いた


「...やはり故障か、」

艦橋で南雲が呟く


「えぇ、全て自沈処分です」

草鹿が報告書を南雲に渡す


「軍令部も馬鹿なことをした、こう言うものはゆっくり造った方が良い」

報告書を受け取りコップのお茶を一口飲む


「しかし、矢川と言う奴のおかげですね、彼らがまた活躍できそうです」

そう言うと、源田が遠龍を見た


「あの大和をも超えるとはな」

南雲が静かに呟いた



一方、遠龍では、


「う~む、歴史って面白いね~」

冷や汗をかき引き攣った笑みを浮かべる矢川


「失礼します!」

そう言って、艦橋の扉が開いた


「まさか本当に会えてしまうとは、矢川だ」

そう言うと帽子を取り、一礼する


「は!お初にお目にかかります!!酒巻和男海軍少尉であります!!特別攻撃隊の代表として来ました!!」

綺麗な敬礼をして矢川の一礼に答える酒巻


「お目にかかり光栄です、全員甲板だな、今回の自沈処分、お悔やみ申し上げます」

そう言うと、酒巻に手招きをする矢川


「ところで、我々に用事があると仰いましたが、」

蛍光灯が点いている廊下を矢川についていく


「ん?見てからのお楽しみだ」

にっこりと返事をすると引き続き廊下を歩く


「あぁ、これこれ、渡すの忘れてたよ」

そう言って、酒巻の手の中に一枚の紙を握らせる


「これは、...凄い...」

びっしりと漢字と数字と図面が書かれた紙を読み酒巻が目を丸くする


「俺が設計した甲標的だ、全員この複合艇に乗れってくれ、」

そう言って、クレーンを操作する


「これから、お前たちの新しい相棒を見に行くぞ」

すると、複合艇が波により揺れだす



第一〇三号型輸送艦、


着々と迫ってくるその艦影に全員が息を呑む


「お~い、タラップ降ろしてくれ」

見張りの回航員が気がつきゆっくりとタラップが降りてきた


全員が甲板に上がると、目を疑った、


「これが、新しい相棒か...」

酒巻の目には、甲板一杯の並べられた一隻の甲標的の勇姿が映っていた


「何分、遠龍の第二段飛行格納庫に納まりきらなかった奴だ、日本に到着したら一度陸揚げする、先ずはコイツで性能を確かめてくれんか?酒巻さん、稲垣さん、」

そう言って、甲標的のハッチを開ける


「「い、良いんですか!?」」

酒巻と稲垣がそろって驚く


「回航員!!発進準備だ!!」

そう言って、酒巻に近づく


「操作はその紙に書いてある、幸運を祈る」

そう言って、甲板に下りて行き、回航員と共に作業に入る


「甲標的、全長:三十m、全幅:三m、全高:四.五m、水中速力水上速力共に三十ノット、四五〇mm前装式魚雷発射管三つ、」

わなわなと手が震えです、

決して恐怖ではない、興奮で震えているのだ


「稲垣、乗るぞ」

そう言うと、ハッチの中に潜り込み、海中の人となった


一方、矢川は、


「準備できたか!」

甲標的に向かって叫ぶ


『準備できました!!』

稲垣が司令塔から顔を出し答える、

すると、甲標的の同軸反転スクリューが動き始める


「よぉし!!全員引け!!」

矢川の合図で全員が縄を引き甲標的を海に進水させる


暫くして、潜望鏡が海面から突き出した

すると、司令塔も水しぶきを上げ海面を破る


「矢川さん!!有難う御座います!!」

酒巻がハッチを開けた途端叫んだ一言であった


「ははは!!!、どうだ!!俺の艦隊に入らないか!!」

矢川がその場で叫び返す


「はい!!是非!!」

そう言って手を振るとまた甲標的は潜航を始めた



甲標的(酒巻艇)


「凄いぞ、稲垣!操作性能はどうだ!」

潜望鏡を覗きながら興奮の声を上げる


「凄い舵の効きです!操作性能は完璧です!!」

稲垣も興奮の声を上げる


「和男、興奮しすぎよ」

甲標的内に女性の声が響く


「久しぶり...転生したのか!?」

酒巻が急いで司令塔から降りる


「したわよ、貴方にまた会いたくて」

にっこりと微笑むのは艦魂である、


「おお、お帰り『零』!」

稲垣が手を振る


「えぇ、ただいま、あと、矢川さんから伝言、」

そう言うとポケットから紙を取り出す


「港に着くまでがんばってくれ、って言ってたけど、」

この瞬間、艇内が寒くなった


「「そうか、輸送艦に戻せ無いんだ...」」

これだけの巨体、輸送艦にはギリギリ納まっただけはあり、重量のため戻せないのだ、


「あの人が何故『幸運を祈る』と言ったか今分かったよ」

酒巻が再び司令塔の潜望鏡を覗く



12月23日、


恐らくフィリピン攻略艦隊がそろそろ沖縄沖を抜けるところだろうか?

一足先に南雲機動部隊が日本に到着した

既に軍令部はパンク状態で山本長官を不快のどん底まで叩き落している


「...連絡未だなのか!」

中国から陸軍が撤退したこともあり、

再びタバコを口にする山本が若狭艦内の長官室にはいた


既に部屋は生糸のごとく真っ白に染められており

入って山本を探すのも一苦労する、

先ほど入ってきた黒島は長官室中央の骨董のテーブルに躓いて医務室で治療を受けている


「げほげほ!失礼します!連絡は未だありません!!」

失礼しますと言っておきながら部屋の重厚な扉から顔だけを覗かせている


「...今頃何を渋ってるんだ軍令部は」

人差し指と中指の間に挟んでいるタバコを、

まるで剣山と化した吸い殻受け皿にねじ込み

箱から新しく一本取り出す


「既に候補は絞ったって言うのに、頭の固い奴等目」

再び純白の長官室にタバコの赤い点が浮かび上がる


「タバコあるか?」

そう言って、誰かが入ってくる


「有るぞ、ほれ、」

そう言って、タバコの箱を突き出す


「すまんすまん、ついついタバコの匂いがしてな」

声がするほうの煙から細く整った手が伸びてタバコを一本もって行く

部屋にまた新しい赤い点が出来る


「で、今回の件、長官はどう対処してるんだ?」

机に腰をかける


「こら、机に乗るとまた姉さんに言われるぞ?若狭?」

そう言って山本はタバコの箱を引き出しにしまう


「う~ん、分かってる」

受け皿にタバコを近づけ指で振動させて灰を落とすこの艦の艦魂『若狭』である


若狭は、超大和型の二番艦としてこの世に生を受けた

四十五口径の五十一cm砲搭載の最新鋭戦艦である


「今回の件、もしかしてこの日本の未来に関わってると俺は確信している、電文の内容からしてそうだ、だから、興味があるんだよ」

言い終わると、タバコの煙をまた肺に吸引した


「長官は物好きだな」

微笑みながらタバコの煙で空中にリングを作る

もっとも、他のタバコの煙に直ぐにかき消されるが、


「明日までに連絡が来なかったら直接電話を掛けてやる」

また一段と不快に成った



12月24日


この日、

電文通りに矢川は若狭に来ていた、

複合艇のおまけつきで


「しっかし、デカイ!」

大和をも超える巨体を目の前に矢川は呟く


「間もなく到着です」

そう言うと、操縦員はぴったりとタラップの横につける


「有難うな、」

そう言ってタラップを上り始める、


事前に待機していた水兵に案内され

長官室の前まで難なく来れた、


「高級そうだな」

そう言ってドアノブに手を掛けようとした途端、


「もう我慢ならん!!直接乗り込んできてやる!!!」

バンと重厚そうな扉が軽々と開き、

矢川を吹き飛ばす


「グホォォッ!!!」

鉄の壁で出来た廊下に背中から思いっきり当る


「長官落ち着いてください!!もう少し待てば必ず来ます!!」

水兵たちが山本を抑える


「放せいぃ!!!客人を待たせるのだぞ!!」

完全に頭に血が上っている山本、


「その客人をぶっ飛ばしたのは誰ですか!!長官!!」

この一言で山本が振り返ると

廊下の壁にもたれ掛かりうな垂れて泡を吹く矢川が居た


「!!、矢川さん!大丈夫ですか!!」

山本が急いで駆け寄る


「だ、大丈夫だ」

ゆっくりフラフラと矢川が立ち上がる、


「ここでは何なんですから長官室へ行きましょうか」

矢川に肩を貸し、

長官室に消えた



長官室、


「...なるほど、日本は負けるのか」

タバコを受け皿にねじ込み新しいのを取り出す


「えぇ、やはり物量です」

悔しそうな顔をして言う矢川


「失礼します!!軍令部より電文が届きました!!」

水兵が報告書を渡す


「ふむ、どうやら軍令部は君を歓迎していないようだ、第七艦隊司令官 矢川修二、母港を大湊とせよ、積荷の陸揚げはそこでやるのか?」

山本が手中にある報告書を矢川に渡す


「えぇ、積荷は大湊基地で降ろすとしましょう」

そう言って、部屋を出ようとしていた


「矢川、正月に東京に来てくれんか?」

新しいタバコをくわえた山本が言う


「分かりました、では、お正月に会いましょう」

そう言うと、重厚な扉は閉められた


「...軍令部が、よりによって大湊とはなぁ」

眉間にしわを寄せた山本がいつまでも報告書を睨んでいた



遠龍、


「行き先が決まった、もう暫くは世話になる、宜しく頼んだ」

遠龍の艦橋で矢川は訓示を済ませると


遠龍率いる第七艦隊は呉を出た、



遠龍長官室、


「大湊?、まぁ、母港が無いよりましか」

こんごうが報告書を睨みつける


「こ、こんごうさん、怖いですよ、」

畝傍が先ほどから青ざめて居た


「北か…」

日本地図をみて残念そうに呟く


「瀬戸内海を出たら全艦全速航行だそうだ、その時には、自艦にもどれよ」

こんごうが報告書を睨みつけながら注意する


「分かってる、じゃ、飲もうか?」

そう言うと、遠龍は日本酒を取り出した


第七艦隊はここに、編成された



作者:ヤッホヨーイッ‼


遠龍:やっとか


作者:まぁ、話題ないし、


遠龍:では、


作者:また今度ッ‼


遠龍:Have a nice day‼

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