矢川司令捜索戦!! 中編
連合軍野戦陣地司令部、
「なに?ジョージが?」
「はい、1時間ほど前から音信不通です」
大きな蒲鉾テントの中は無線機器に支配されており、
その唯でさえ狭いテントの中に一人に兵士が駆け込み報告を行っていた
「むー、ここか、クソ、ここゴウリキファミリーの縄張りじゃないか!!」
「全軍で出向かいますか?」
「当ったり前だろ!!全軍で行かずに捕虜になりたいのか!!?」
「隊長、前線基地から報告です」
またまた一人駆け込む
室内は現在窮屈になりつつある
「良い知らせと悪い知らせがあります、どちらから聞きますか」
敬礼したまま兵士は硬直していた
「いい方からでいいだろう、」
めんどくさそうに煙草のくわえる、
「隊長の車の、エアーバックは正常に動作しました」
「...悪いほうは?」
「日本軍に持っていかれました」
「...This!Fucking idiot!Or I'll kill!(この!!クソ馬鹿野郎!!殺してやろうか!!)」
「すみませんでした!!」
良く見れば、
兵士に服は所々泥で汚れていた、
「まぁいい、いまはヤガワを見つけるのが先だ、」
「出撃ですか?」
「貴様のへまで今丁度俺は怒れてるんだ、さっさとしろ!!二度も言わせるな!!!」
出撃のためにテントを出ようとした兵士のケツを、
隊長はすかさず渾身の一撃を叩き込んだ
塹壕、
「イッテテテテ、拳銃も撃てねぇや...」
いつも血気盛んな矢川はこの時ばかりは顔を青くしていた
「仕方ないですよ、全身打撲、複数箇所骨折、機関銃弾痕、更にわき腹に二十mm機関砲食らってますよ、どうやったら生きていられるんですか?」
矢川の腰に差してあったワルサーP-38をくるくる回して暇を潰す希、
「はぁ、陸軍さんこの信号を受信してるのかなぁ」
米兵のリュックの中でジジジと音を立てて電波を発信する無線機を心配そうに覗き込む希
「ははは、どうせなら郷力戦車小隊に助けてもらいたいな」
二十mmを食らいながら生きていた矢川が言う
「何ですか?また試作とか?」
相変わらずワルサーを回す希
「色々試しててな、中戦車と軽戦車はもう決まったがな、対戦車用の戦車が未だ出来ていないんだよ、だから間に合わせだが図面を引いてやった、駆逐戦車的な存在の奴だ」
「へ~、図面引けるんですか、」
「引けるわい、毎日設計図に囲まれた生活をしていたからな、」
ここで、
希はこんごうのある船室を思い出し苦笑いする
「それで、ここインドで実戦実験ですか?」
「まぁ、そういう事だ」
すると、
遠くから航空機特有の風きり音とエンジン音があたりを包み込む
「おいおい、何かやけに数が多いぞ」
尋常ではないぐらいのエンジンの数が音から聞き取れる
間もなく、
頭上を航空隊が通り過ぎる、
「B-17の大編隊だ、最近はこっちが押してるからな、アメさんも必死だな」
「連合軍ですよ」
Z.1007機内
「おい、今月の戦績はどうなっている、」
機内で髭面の男が他の乗員に聞く
「今月は568位ですよ!1位はまた第895任務部隊がかっぱらいました!!」
「またあいつらかよ、戦車持ってるからっていい気に成るなってんだ。」
「所詮俺たち第764任務部隊は極東勤務かよ」
「いいだろ別に、それに俺たちは数少ない空挺作戦が出来るからな、陸上の鈍い戦車とは違う」
「第一、第895任務部隊はロシア相手にやってるから、ロシア相手の奴等は大抵上位だ、」
「おい!!誰だ!!俺のスパゲッティ食ったの!!」
「「コイツです!!!」」
「この野郎!!」
「喧嘩するな!!機外へ蹴り出すぞ!!鍋の中に未だ有るだろうが!」
「間もなく電波発信地点です、全員パラシュート用意!」
機長がそう言うと同時に隊員が皿をイスの上に置き、
壁にかけてある座布団程の大きさの物を背負う
「一世一代の大仕事だ!!野郎共!!ここで戦績を稼ぐぞ!!」
髭面の男が率先して機内を移動する
「あ、それと、空中で平泳ぎはするな!!効果は無い!」
特にある一人を指差し言う
「幸運を祈る、今だ!!」
機長の合図と共に、
全員、およそ3名の勇敢なイタリア人が機外へ飛び出した
何の間髪も居れずにパラシュートの白い花が3つ、
空に咲き誇る
「だから泳ぐなっつってんだろ!!」
大空に、
髭面の男の声が響き渡った
塹壕、
「おい、何か来るぞ」
塹壕に寝かされている矢川が空に開いたパラシュートに気が付く、
「パラシュートに番号が書かれていますよ」
まだまだワルサーを回して暇を潰す希
「764...あぁ、イタリアの特殊部隊だ、最近はこういうのが主流らしいな」
その特殊部隊の番号を覚えていたお前は一体どんな頭脳をしている
「764番目の部隊って事ですか?」
「そうゆー事だ、まぁ、イタリアの陸軍自体が特殊部隊化してるからな、全部合わせて千以上の部隊が居る、本国ではこの部隊を任務部隊と読んどるがな」
そう解説している間にも、
三つのパラシュートは此方に近づいてくる
次々と塹壕の周りに着地すると、
急いで手際よくパラシュートをしまう
「流石は任務部隊だ、相当な手慣れだな」
塹壕に入り込んできた特殊部隊を仰ぎ見て、
リーダー的存在の髭面の男に一言呟く、
「ええ、本国でみっちりと鍛えましたからな、この体、担架に乗せますので、少し体をずらし...
未だ会話中だったが、
つぎの瞬間、あたりを砲声が包み込む
地震のように地面も空気も振動する
「クッソ!!アメリカの戦車隊じゃねぇか!!どうしてここが!」
そう言って、
髭面の男は塹壕を見渡す、
すると、
目に飛び込んだのは、
猿轡をかまされて、縛られた米兵である
「...無線機を切り替える、アメリカが相手だ、俺たちだけでは嬲り殺されるだけだ」
隊長らしき人がリュックの無線に手をかける
その間にも砲弾は容赦なく、
塹壕の周りに叩きつけられる、
重機関銃の音も聞こえる、流石は量の国だ
「...応答を願う、我々はアメリカ戦車隊と遭遇現在交戦中、ヤガワも我々が救出した、追加の援軍を要請する、何処の部隊でもいい、応答をしてくれ」
そうこうしているうちに、
後方の林も戦車の履帯の音に包まれる
「...挟み込まれたか、手榴弾じゃ心許無いな、」
塹壕の中は、
外の賑やかな砲声とは違い、
極端にしずんでいた
作者:さて、次回は!
畝傍:う、畝傍です、陸戦に特四式内火艇は要るのでしょうか?そんな感じで次回はお送りします
作者:運搬能力をなめちゃいかん!
遠龍:では、
作者:また今度!!
遠龍:Have a nice day




