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ポンコツ魔法使いと私の・・・(仮)  作者: Anichi-Impact
第3章: 「試される絆
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第2話: 「修行の始まり」

星川凌の修行が本格的に始まった。師匠の屋敷での初日、私は彼がどんな厳しい訓練を受けるのか、想像もつかなかったが、すぐにその過酷さを思い知らされることになった。


修行はまず、凌の感情の制御から始まった。師匠が言うには、凌が魔法を暴走させる一番の原因は、彼の感情が不安定であることだという。感情が激しく動くと、それに伴って魔法も暴走してしまう。だからこそ、凌はまず自分の心を鍛え、感情を抑える術を学ばなければならなかった。


「まずは、感情を抑える方法を学ぶことから始める。これは簡単なことではない。特にお前のように強い魔法を持っている者にとっては、感情を押し殺すことは危険でもある。だが、これを乗り越えなければ、お前の魔法は永遠に暴走を続けるだろう」


師匠の厳しい言葉に、凌は真剣な表情で頷いた。「はい、師匠。僕はどんな修行でも受けます。もう、自分の魔法で誰かを傷つけたくないんです」


私も隣で聞いていて、彼の覚悟の強さを感じた。凌は本気でこの力をコントロールしたいと思っている。だからこそ、私は彼を支えるためにここにいるのだ。


師匠は凌に、瞑想を通じて心を落ち着ける訓練を始めさせた。彼は修行場の真ん中に座り、目を閉じて静かに呼吸を整える。その姿はとても落ち着いて見えたが、私は彼が内心ではどれほどの葛藤を抱えているかを知っていた。


「感情を抑え、心を空にすることができれば、魔法も自然に制御されるはずだ」と、師匠は説明した。


しかし、その修行は思った以上に困難だった。凌は瞑想を始めてすぐに、集中力を失ってしまったようで、眉間にしわを寄せて不安そうな顔をしていた。私は彼の横で見守りながら、何とか彼を落ち着かせようと声をかけた。


「大丈夫、凌。落ち着いて、ゆっくり呼吸してみて」私はそっと彼に囁いた。


彼は私の言葉に応えるように、再び深呼吸をしようとしたが、すぐに息が荒くなってしまった。彼の体全体が緊張しているのが分かった。


「まだまだだな」と、師匠が厳しく言った。「凌、お前は感情に囚われすぎている。自分をもっと客観的に見つめ直せ」


凌は拳を握りしめ、悔しそうな表情を浮かべていた。彼は自分の感情を抑えようと努力していたが、その感情そのものが彼を支配してしまっているようだった。


その日、凌は何度も瞑想を試みたが、うまくいかなかった。感情が乱れるたびに、空気が微かに震えるのを私は感じた。それは、彼の魔法が暴走しかけている兆候だった。彼の中で何かが沸き立っているのだ。


「星川君、無理しないで。時間はかかるかもしれないけど、少しずつ進めばいいんだよ」私は彼を励ますために、優しく声をかけた。


「…ありがとう、桜井さん。でも、僕はもっと早く結果を出さなきゃいけないんだ。これ以上、皆に迷惑をかけるわけにはいかないから…」彼は自分に厳しい言葉をつぶやいた。


彼の焦りが伝わってくる。凌は自分の力に対して、強い責任感を抱いていた。彼は、自分がコントロールできないことで周りに影響を与えることを何よりも恐れていた。


「焦らないで。君には時間が必要なんだから。私もずっとそばにいるから、一緒に少しずつ進んでいこうね」私は彼の手を握りしめ、強く言った。


凌は一瞬、驚いたように私を見つめたが、やがて小さく微笑んで頷いた。「…ありがとう。君がいてくれて、本当に助かってるよ」


その言葉に、私は少しだけ安心した。彼が一人でこの修行を乗り越えることは難しいかもしれないけれど、私がそばにいることで彼を支えることができるなら、私は何度でも彼を励ますつもりだった。


修行はこれからが本番だ。凌が自分の力をコントロールできるまで、まだ長い道のりが待っている。でも、私は彼と一緒にその道を歩む覚悟があった。

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