表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏切ったのはみんなだろ、まるで俺が悪役みたいに! ―少女絢爛オカルティック・パビリオン side:Number―  作者: 琉璃宿命


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/164

第68話 追想7 盤上王成

「帝国へ行く?それってどうして」

「私たちの戦い、理由も分からないまま始まって、ずっと続いてる。

 ビットマテリアール獣やモノリスの秘密は、碑郷の外にしかない。

 恵瑠乃もこのままはイヤだって言ってたでしょ」


 当時王成の言っていることは正論だったし、パビリオンの皆も碑郷の外、正体不明の敵たちの情報を欲していた。

 ただ、懸念はほかにもある。


「あのナンバーっていうクラフト使いの子、すっかり賢人様たちの御用達みたくなってるよね。

 まだ彼の正体もわからないんだよ、できることなら、彼にも協力してもらいたいし」

「ナンバー、いまあの紛い物に頼るのは危険だよ。

 最悪アーミーに敵対されて、私たちは動けなくなる。

 彼は私たちの味方じゃない、あってはならないクラフトホルダー、彼は私たちとは違う」

「……どうしてそんなこと言うの、王成。

 まるでクラフトのことなんて、全部わかってるみたいに」

「――」

「細かいことは聞かない、王成が私たちのこと一生懸命考えてくれてるのはわかってる、だけど私は、ナンバーくんを信じたい」


 恵瑠乃からあの少年への興味を失わせたかった。

 *

『友達が今度新しいお店やるんだ、魅那くんも一度来てみてよ!』


 ……と恵瑠乃に誘われた経緯もあって、ローゼンテラスを訪れた彼。

(やめとけって言ってるのに、俺のこと『魅那くん』呼びなんだよな。ほかの男子にもそうだから、自信なくしそうだけど)


「どう見てもファンシー系だし、わかってたけど野郎ひとりで入れる店じゃないだろここ――出直すか」


 服装自体はそういう店だとわかってラフなものだったが、彼は普通に気後れした。

 女性客が多い、喫茶店だ。


「あの」「はいすぐどきます、ごめんなさい!?」

「天都戸くんだよね」「えっと、兎宮さん、だよな?」


 ふたりの初顔合わせだった。


「いらっしゃいませー」

「盤上さん、ここで働いてるのか。ひょっとして美継さんも?」


 スタッフのエプロン制服に身を包み、忙しく立ち回っている。


「ストーカーにシフト教えてあげるわけないでしょ」

「ところで客に対する態度じゃねぇよそれ?

 あーいーよ、もののついででしかないし、悪い虫お断りってんだろう。

 それで、そろそろ何頼むかな――メニュー表は?」

「ご注文お決まりになりましたらお声がけください」

「声が固いぞ、接客業っ」「うるさいわね」

「ねぇオーナー、あの子俺にばっかりやたらあたりが強い気がすんですけど」

「そうだね。王成、お客様にはちゃんと対応して、周りの人たちにも失礼だから」

「うぅ、わかりましたよ……」


 態度の悪い店員だが、智絵は彼女の背中をにこやかに見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ