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裏切ったのはみんなだろ、まるで俺が悪役みたいに! ―少女絢爛オカルティック・パビリオン side:Number―  作者: 琉璃宿命


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第31話 案内人

 洗脳を強化したのはペナルティというより、個人的な腹癒せだ。

 こんなことをしても何もならないと、恵瑠乃――ルービックなら言うだろう、卑怯なやり方を彼女は何より嫌っているのも知っている。

(どんどん君から遠ざかっていく、そんな気がする、恵瑠乃……今何をしている、きみはここで)

 残る変身者である以上、きっと彼女はこの皇都での戦いに駆り出されていよう。ナンバーは懐から、ジグソーとチャトランのクラフトを取り出す。想った通り、妖精体へ変化した。


「……ここから、お前たちの契約者のところ。

 生きているよな?」

「死んだらお前のせいジグ――そうだったらすぐわかる」

「居場所は?

 お前たち、目印つけて飛んでいったりできないのか」

「ここまで契約者と長く離れたことないチャトけど、できなくはない、と思う、チャト」

「煮え切らんな、行けよ」

「お前は本当にいいんジグか?」


クラフトたちに訝しまれているようだ。まぁ今の今までぞんざいに扱っているのもそうだが――、


「行ってお前らのパビリオンを助けてやれよ。それぐらいだろう、最初からお前らにできることなんて」

「「!」」


 二匹は頷くと、光の尾を引いて皇都のどこかへ飛んでいった。

(そのまま追えば、あいつらのところへ辿りつけるかもしれないが、顔を合わせると)


「拗らせる予感しかないよなぁ……俺は行けない。

帝国を刺激しないことも、俺の仕事のうちか」


 この前からして、あの河川敷、今にも壊れそうなルービックの顔を前にしたら、俺はそれ以上なにも語れることがなかった。

 はっきり言って、今の恵瑠乃には会いたくない。


「何を考えている、貴様?

 あの男のように、俺を洗脳しないのか」


 ポリゴォンを拘束した状態で、帝国への案内役という建前で連れてきた。


「状況が状況だし、そも俺が破壊工作なんてやると考えないから、お前はここまで素直に案内してくれたんだろう」

「――、お前を信用したわけではない」

「まぁ今のお前が戻ったところで、帝国側だって工作や洗脳を疑うだろうが」

「本当に嫌な奴だなお前は!

 ……それでこの期に及んで何をしようと言うのだ」

「こういう状況になったとして、帝国でそのようなことをする反抗分子、動機、それを首謀する野心がある人間、お前は心当たりないのか。

 一応幹部だったんだろう」

「ううむ」


 彼は考え込んでいる。


「そんな奴、その気になればいくらでもいるぞ。

 みんな皇帝の首を狙っている」

「血の気の多い辺境だな、お前はどうなの?」

「私は戦士だ、政治屋ではない――頭が変わったらその時考える」


 そういうとこは妙に竹を割った性格じゃあるのだが、敵として回ると初期から戦っていた幹部ってわりライバルポジションめいた覇気と緊張感を備えていることもあり、また黄金碑郷の民衆相手にモノリスを介した様々な被害を齎した。


「じゃあ今は俺がヘッドってことにならない?」

「碑郷育ちの甘ちゃんが?

 出直してこい」

「その甘ちゃんに負けたのお前だろ」「ぐぬぅ」


 ナンバーとて、いつまでも漫才をやっているわけではない。


「俺は五人パビリオンを探す。

 お前はクロンダイクといろ」


 拘束衣ポリゴォンの手足の拘束を切った。


「逃げるかもしれんぞ」「寧ろ逃げてみたらどうだ、そこからお前がどうなるかは俺の知ることじゃないが」

「?」


 ……ポリゴォンには最後まで、ナンバーという少年の行動は不可解だったろう。少年には考えがあって、含むところのあるのだろうが。

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