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第八十八話 神帝の即位

【登場人物】

マリリア ジョルジア王マルスの末娘 〈聖者〉

イェリアナ ハルザンド王イェガスの娘 〈剛者〉

シルリラ シシリー子爵夫人の娘 〈賢者〉

蛇女 名はケララケ、腹部以下が大蛇の異形の者

アゼルヴェード 北大陸の軍団を率いる侵略者

ハルザンドに続いてアルムヘイグとジョルジアを征服したアゼルヴェードは、大陸のほぼ中央に位置するアルムヘイグとジョルジアが接する地域に帝都を建設すると決め、征服した各都市の領主に重い役務を課した。新都市の建設には20年以上かかると予想された。この役務は無償で、各都市あるいはその領主の持ち出しとなったが、それは都市および周辺地域をひどく疲弊させた。帝都が完成する迄は引き続き旧ハルザンドの王都がアゼルヴェードの居城となった。


合わせてハルザンド、アルムヘイグ、ジョルジアの3カ国を併合して帝国とする事が宣言された。この帝国に名前はなかった。大陸を統一すれば名前は要らないとアゼルヴェードが下命したからだった。またアゼルヴェード自身は神帝を名乗った。その上でマリリア、イェリアナ、シルリラの3人は神帝アゼルヴェードの妃とされた。マリリアにはジョルジア、イェリアナにはハルザンド、シルリラにはアルムヘイグの統治が委ねられ、その上に神帝アゼルヴェードが君臨するという体制が構築された。但し、これは表面的なものであり、実質はアゼルヴェード直轄の闇森人が各地域の統治にあたった。戦争とその後の帝国による圧政で疲弊した地域では妃達3人に対する怨嗟の声があがっていたが、直接統治に関与する事がない妃達はそれを知る事はなかった。


次いでアゼルヴェードは、ケララケとマリリアに旧ゲイルズカーマイン地域の征服を、イェリアナとシルリラに西方諸国の征服を命じた。


ーーーーーーーーーー


帝国の領土が広がるにつれて小規模な反乱が多発するようになっていった。各国にいた国軍は解体されて闇森人の下で再編されてはいるが、アゼルヴェード達がその国を制圧した際に多くの被害を与えていた為に兵数の絶対数が足りていない。加えて再編成された軍の指揮命令も未だ十分には機能していなかった。それ故に闇森人を中心とした直轄部隊を率いて反乱鎮圧に向かうしかなく、結果、他国への侵攻が遅れ始めていた。


妃達は、イェリアナが妊娠し、シルリラも妊娠の兆候が現れ、前線で戦う事が出来なくなっていた。2人の妊娠が分かったせいか、マリリアはアゼルヴェードのそばを離れたがらず、前線へ出る事が少なくなった。それも他国への侵攻が遅れている要因だった。


その遅れが、残された国々に反抗のチャンスを与える事になる。

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