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第八十五話 マリリア達の裏切り

【登場人物】

ジュード 主人公 英雄王ジークの転生体 〈勇者〉

マリリア ジョルジア王マルスの末娘 〈聖者〉

イェリアナ ハルザンド王イェガスの娘 〈剛者〉

シルリラ シシリー子爵夫人の娘 〈賢者〉

蛇女 名はケララケ、腹部以下が大蛇の異形の者

翌々日に出航するという日の夜、ジュードは桟橋で修理を終えた軍艦を眺めていた。すると背後から人の気配がするので振り返ると、マリリア達3人が神装具を持って立っていた。どうしたのか聞くと、この時間まで特訓していたらしい。それにしては疲れていない様子だった。


「どうしたんだいジュード、こんな夜更けにさぁ。」


軍艦の船上から声がしたので振り返るとケララケが手を振っていた。手を振り返そうとジュードが手を上げかけると、急に左肩にかなり強い熱さと痛さを感じた。驚いてジュードが振り返ったところで斬撃により左眼を斬られて血飛沫が飛び、次いで3本の矢がジュードの体に突き刺さった。マリリア達の攻撃だった。


「なっ、なぜだ...」


そう言い掛けたが、ジュードは桟橋から海へと落ちていった。


「間抜けだねぇ。あたいを殺さなかったのがあんたの敗因さ。」


ケララケはジュードに向けてそう罵ったが、海に落ちてしまったジュードに聞こえる筈はなかった。ジュードは海の中へと沈んでいく。マリリア達は特に感情を表していなかった。


ーーーーーーーーーー


翌朝、マリリア達は桟橋に続く広場に兵達を集め、昨夜ジュードが襲われた事、そしてその後の行方が知れない事を伝え、海中や浜辺などの探索を命じた。特に桟橋付近は重点的に探索させた。しかし5日間の探索にも関わらず何も得ることが出来なかった。


「沖に流されたのかねぇ。」


「そうでしょう。あるいは深い所に沈んだか。」


「まぁ、あの傷なら助からないね。あんた達は良くやったよ。」


5日間の探索後、マリリア達は再び桟橋に続く広場に兵達を集めた。そこで北の大陸へ侵攻する作戦の中止を伝え、ハルザンドおよびジョルジアへの帰任を命じた。ジュードがいないのでは作戦実行は不可能だと誰もが理解し、素直にマリリア達の命令に従った。


ーーーーーーーーーー


更に10日後、新たな軍艦が港町に現れた。


港町には北の大陸から来た兵だけが残り、桟橋に続く広場に整列していた。兵達の前にはケララケとマリリア達が立っている。そこに軍艦から男が降りてきた。長身で立派な体躯、長い金髪を靡かせた男がケララケ達の前に歩いてくる。


「上手くやってくれた様だな、ケララケ。ご苦労だった。」


「お待ちしておりました、主人様。多少の想定外はありましたが、目論見通り先ずは橋頭堡を確保しました。」


「そこにいる3人が新しい孕み袋か。ゾルダン達を失ったのは痛いが、悪くない代償だ。」


「生まれが良く、母体として優秀ですが、彼女達は優れた戦士でもあります。長く可愛がってやって下さい。」


「1人は未だ石が馴染んでない様だな。まぁ良いだろう。今夜から寝所に連れて来い。」


主人と呼ばれた男はケララケに先導されて町の中へと入っていった。

ここから第六部の終わりまで胸糞悪い展開が続きます。

気分を害するかも知れませんが、ご容赦ください。

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