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第七十四話 ひと休み:ミケとシャムとトラ
【登場人物】
マリリア ジョルジア王の末娘 〈聖者〉
ミケ 怯者の精霊
シャム 識者の精霊
トラ 愚者の精霊
ジュード達が学校へ行っている間は暇なのでミケ、シャム、トラの3匹は王宮にある一角で一緒に日向ぼっこする事が多い。この日もミケ達3匹は日向ぼっこしながらお喋りしていた。
「なぁ、最近は僕達の出番が少なくないか。」
「そうだね、僕達は喋る事しかできないからね。」
「でも最近は神装具が登場したから出番が増えるんじゃないかな。」
「神装具になると僕達の愛くるしい姿は見えないけどな。」
「そうだね。」
お喋りに飽きたのかシャムがフラフラと何処かへ飛んで行った。ミケだけが喋り続け、トラは仕方なくそれに付き合っていた。
「なぁ、僕達って精霊だよな。」
「そうだね。」
「神界から来てるんだから、もっと崇められても良い筈だよな。」
「そうだね。」
「でもマリリア達は僕達を空飛ぶネコだって思ってるよね。」
「ミケ、それは思ってても言葉に出しちゃいけないよ。僕達が惨めになる。」
「そうだね。」