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第七十一話 反乱への処罰

【登場人物】

マリリア ジョルジア王の末娘 〈聖者〉

ゴードン 名門貴族に唆されて勇者を騙った青年

フレミア ヨミナス家の長女、フレデリカの姉

ヤンキリング侯爵 名門貴族の中心人物

反乱首魁の捕縛におけるフレミアの貢献は王家の名で公表され、これにより周囲からの信頼を失っていたヨミナス家の名誉は回復した。階位こそ上がりはしなかったが、没収されていた所領はヨミナス家に戻された。フレミア自身は多くの褒章金を与えられたが、その後は本人の希望によりマリリア付きの侍女として王宮に採用された。


ヤンキリング侯爵家は爵位を剥奪された上で全ての財産を没収された。ヤンキリング家の領地は王家直轄地となり、幾つかに分割されそれぞれに代官所が置かれた。ヤンキリング伯爵自身は叛逆罪および内乱罪の適用となり、裁判なしでの公開処刑となった。本来であれば第三親等まで累が及ぶが、今回は直系の成人男子のみを対象とし、斬首刑ではなく禁固刑が科せられた。刑を免れた家族も今後3代にわたって貴族家との婚姻を禁じられた。


ヤンキリング侯爵に協力した名門貴族家は降格処分とされ、当主は内乱準備罪の適用となり、裁判なしでの公開処刑となった。また直径の成人男子には禁固刑が科せられた。領地は安堵されたが、多額の罰金刑が科せられ、数年は借金を返し続ける事となった。


英雄王を騙ったゴードンはヤンキリングと同じく裁判なしで刑の執行となったが、斬首刑ではなく、無期禁固刑となった。これはゴードンの紋章を引き継ぐ者が新たに誕生する事を防ぐ為と、統一教教会が紋章を持つ者を罰する事に強硬に反対した為だった。王宮と教会とで何度も話し合いが持たれ、その結果が無期禁固刑だった。


反乱軍によって占領された地域にある新興貴族の領地は、直系男子が生き残っていれば引き継がせたが、多くは家族全員が反乱軍に惨殺されたか行方不明で、その場合は、一部は反乱軍討伐で功績のあった者を騎士爵に任じてその領地とし、残りを王家の直轄地とした。


反乱に加わった民衆は財産没収の上で罪の軽重に応じて罰金刑が科せられた。罰金は全て借金となり、それを返し終わるまでは自由を奪われ、足には鎖が嵌められ、国民としての権利も行使できない。いわゆる借金奴隷のような扱いだった。彼らは一部を除いて元いた町や村に戻され、その地の領主や代官が管理する事となった。


王家は多くの直轄地と財貨を得たが、国全体で見れば、国民の損失や国内生産の低下が重くのしかかり、元の状態に戻るには10年以上の年月が必要だと予想された。それ故に名門貴族家当主以外への刑罰を軽くせざるを得なかったが、内乱罪という大罪に対する処罰としては手緩いとの批判を王家は受ける事になった。


こうして反乱に関連する一連の事件は幕を閉じた。

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