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無明の昇華  作者: 面映唯
第三章
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 世の中の人々はどうやって恋人を作るのだろうかとふと思った。学生時代にやっていたアルバイト先の主婦の人が「職場か同窓会かなあ」と言っていたのを思い出す。


 世の中には溢れるほど人がいるというのに、ましてや都会であれば外に出れば人を見かけないことなんてないのに、職場か同窓会でしか出会いがないなんて寂しすぎる。


 社会が必要としているのは労働力であり、誰かが仕事を担わないと経済は回っていかない。人間が産まれてきた理由が働くためなのだとしたら、恋愛するための環境が整っていないというのも頷ける。でも、誰かが恋愛をしなければ新たに人は生まれない。歳をとった人間は段々と働けなくなっていく。働けなくなった人間が担っていた仕事を誰かに任せなければ経済が回らないのだとしたら、もっと恋愛を促す環境が整っていてもいいはずだ。


 働く環境は整えてやる。でも恋愛は自分でやれ。子どもを産め。でも子どもを産みたいと思える環境ではない。


 男の生殖本能も、女の母性本能も、本来あるべき方向性を失い、心にはこうしたいああしたいという欲望だけが残った。


 現代は利便性に長けた。


 選択肢が増えた。


 その一つを選び取り、恋愛に変わるその何かによって昇華されていく人々の想い。


 わっかりづらくなったものだ。自由が故に。大喜利で、自由すぎるのもよくないね! とフリップを出したタレント。


 無常と言うように、世の中は常に変わり続けていた。確固として残るものが何一つない。それは名前であったり、建築物であったり、人の感情であったり、文化であったり、人々そのものであったり。


 変わりゆく景色が早送りのように進む。早送りで移り変わる景色を背景に、自分だけが現実の時間を再生している。画面の中で自分だけが取り残されている。スローモーションにも見えてしまう動き。膝を抱え、両手で顔を覆い、まだ立ち上がれずにいる。


 考えすぎるのは、真面目過ぎるから。


 真面目でいいことはあったか。


 今の霞には思い当たらなかった。


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