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ショートショート6月~

枝分かれ

作者: たかさば

誕生、おめでとうございます。


命のしずくが人生というキャンバスにたらされました。

このしずくが、貴方の人生を描いてゆきます。


一本の線が描かれていますね。まっすぐ伸びているようですよ。


おや。


ここで貴方は人生の選択をするようです。


ぱんっ


世界が分かれました。


線が枝分かれをします。


貴方の選んだ世界が続いていきます。

貴方の選ばなかった世界も続いていきます。

貴方の選ばなかった世界はやがてとても希薄なものになって消える定め。


それはまるで。

伸びることを忘れてしまった、木の枝のように。


貴方は今、選んだ道を歩んでいるのです。


あの時あちらを選んでいたら、そう思うこともあるでしょう。

あの時あちらを選んでいたら、貴方はここにいません。

あの時あちらを選んだ貴方は、もう消えてしまいました。


命のしずくが描いた線は、消すことも戻ることもできません。

ただ先に伸びていくばかりなのです。


何度も何度も枝分かれをして人生のキャンバスを縦横無尽に駆け巡るのです。



やがて命のしずくの尽きた時、貴方は自らの描いた人生というキャンバスの軌跡を見るでしょう。



貴方の選んだ道は何を描き出しているでしょうか。



貴方の選んだ道を見て、貴方は何を思うでしょうか。



貴方の人生は貴方が描き出す、たった一枚の作品です。



人生を終えたときに、堂々と胸を張って発表する作品です。




どうぞ、安易な選択はおやめ下さい。


どうぞ、過ぎた道にしがみつくのはおやめ下さい。




どうぞ、命のしずくの乾かぬうちに、枝を伸ばして先にお進み下さいませ。


どうぞ、命のしずくの乾かぬうちに、枝を伸ばして見所のある作品を描き出してくださいませ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 上手い例え。命の雫とはよく言ったものです。 [気になる点] パラレルワールドが消えちゃう!? [一言] 後悔はあるけど、順風満帆だと小説書いてない。これで良かったんですよ。
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