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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
肆頁:相互成長の刻

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90/180

90.魔獣とオオカミ、対なる熾烈 1


「ソ、ソムヌスっ!!」

「ヌシさま、沢山たくさん、試すことを願います~!」

「じゃあ、パラリシス!!」

「その調子でーす!」


 久しぶりと言ってはいけないが、レッテに言われなければこんなにも連続して魔法を発動することは無かった。とにかく今まで覚えた魔法を手あたり次第に放つしか、魔獣の弱点を突くことは難しい。


「グゴォォォォ……!! 効かぬ……効かぬ」


 リウとの口づけのおかげで審判者が守っていた門は、危険な目に遭うことなく開放。その門を通過した俺たちだったが、目の前に突然言葉を発する魔獣が現れ、個々人ごとに対する敵が配置されてしまう。


 今までのパターンでは、みんなとはぐれたりして戦力が分散してしまっていた。今回は同じ場所にいて声も届くし、助けを求めればこちらに来てもらうことも可能だ。


 レシスは相性の悪いルールイと一緒に土くれ人形のゴーレムと戦っている。

 

 一方で、リウは魔法を使用する獣人タイプのウサギ族、ワーロックラビットに仕掛けられてしまい、リウ一人だけで応戦している最中だ。


 彼女たちそれぞれの前に現れたこともあり、必然的に俺はレッテとの組み合わせとなっている。

 そんな俺たちの前に立ちはだかったのは魔法耐性のある大型魔獣だった。

 

 見た目は動きの鈍そうな亀なのに、弱体魔法や属性魔法はことごとく弾き返されまくっている。

 

 強さは大したことが無さそうなのだが、亀の弱点魔法を突かなければレッテの物理攻撃が通らないという難しさを実感中だ。


 亀のステータスは最初に触れた時点で探ることが出来たが、弱点だけは浮かんで来なかった。

 

 そんなこともあって手持ち無沙汰なレッテは俺を応援しつつ、魔法を撃ちまくって欲しいと言い続けている。


「ヌシさまー! レッテの咆哮は魔法ですかー?」

「え、どうだろう」


 狼族の固有技ではあるが、咆哮が効きそうな相手ではないし違うはず。


「吼えますかー?」

「それは後に取っておこう! まずは俺が使える魔法を放ち続けてみるよ。レッテは詠唱を邪魔しそうな雑魚を退かしてもらえるかな?」

「はいでーす! ヌシさまの邪魔は絶対にさせませんよー!!」

「うん、頼むよ」


 いつもはリウと組むことが多く、レッテと組んで敵と戦うのはほぼ無かっただけに勝手が違うが、魔所に来てから俺だけでは無く、彼女たちそれぞれが試されているような感じがある。


 相性の悪さを克服させることが魔所からの試練なのだとすれば、魔法を極めようとする者として、正面から挑むしかなさそうだ。


『ギォォ……試せ、試せ……守り、守れ……』


 ヒントらしいことを発さない魔獣に対し、ここはとにかく撃ちまくって試してみる。


「にぅぅぅ!! 負けないにぁぁぁ! エンジさま、待っててにぁ!」

「私を大人に育ててくれるまで諦めませんからねー!!」

「……早く片付けて、アルジさまのお傍に置いて頂き、わたくしはお仕置きを求めますわ!!」


 リウについては何も心配していないが、レシスはまたしても間違った道に進みそうだし、ルールイは何から何まで危険な領域に突入しそうだ。


 今やるべきは魔獣の弱点を見つけなければ。

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