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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
弐頁:属性との出会い

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48.書記、城塞都市を目指す


「そうだったのにぁ~でもでも、エンジさまがご無事で何よりにぁん!」

「助けられたからこその無事だからね。今は平気かな?」

「リウはビリビリさえなければ、いつでもどこでもお役に立ちますにぅ!」

「うん、リウがいてくれたら嬉しいよ」

「にぁん!!」


 俺は思わぬ場所で勇者ラフナンと魔法兵サランに遭遇した。戦いの末、ダメージを負う危機的状況になることは無かったものの、一時的に行動不能にされかけた。


 そんな俺を救ったのがレビンと名乗った雷属性の守護神獣だ。彼女は、村の子供として人間と共に過ごしていた。グロム村の山で眠る神獣だったが、ラフナンたちが悪さをし始めた辺りから村にあえて雷を落とすことで災いを知らせていたのだとか。


「神獣から得られた?」

「意味が分からなかったけど、得ることは出来たよ」

 

 男の子を護るなんてことを言われたけど、ザーリンやリウがいたら得られなかったのだろうか?


「守護神獣はあなただけを護る。そう決めて出て来た」


 なるほど。属性の神獣を味方にして得られた力か。

 リウは雷に弱そうだから護ってもらえればよかったけど、


「にぁ? エンジさま何かにぁ?」

「あ、ううん、何でも無いよ」


 ネコ族は人懐っこい。しかしリウは俺だけに甘えているに過ぎず、他の人間はもちろん他種族とコミュニケーションが取れるかは不明だ。


「アルジさま! 此度の役立たずぶりには何とお詫びを申し上げれば……」

「ルールイは気にしなくていいんじゃないかな」

「役立たずは無用……そう言われるのであれば、今すぐこの翼を切り裂いて――」

「そ、そうじゃなくて! ルールイは俺の翼として同行してくれたらありがたいなと」

「アルジさまっ……! あなたさまには、全てを捧げさせて頂きますわっ!」


 大げさだなぁ。


 コウモリ族の彼女を今さら疑うことは無いけど、ザーリンは賢者を除いた人間と味方とした獣を必要以上に使うなと言ってたんだよな。


 賢者については疑いようがないとはいえ、獣は気まぐれだから全て信じるなって言いたいんだと思うけど。この場合はフェアリーも含まれているってことだろうか。


「……」


 今の沈黙は多分そういうことなんだろうな。ともかく、属性の守護神獣から得た護りの中身については、現時点では分かりようがないので後にしておく。


 属性神獣に出会った時に思い出したことがあるのは、賢者アースキンから聞いていた属性石のことだ。石を賢者のように装飾品として装備するつもりは無いものの、属性が宝石の中に眠っているというのならそれはそれで興味がある。


 それにおそらくラフナンたちはまだ生きているはず。裁きの雷によってどこに飛ばされたのかは分からないけど。


 しばらく会うことは無いことを考えれば、俺は魔法や属性に関することを突き詰めることを優先するべきなのかもしれない。


「――ということなんだけど、そこに行くよ」

「エンジさまが行きたい所から行くのがいいにぁ!」

「今はその流れ」

「アルジさまの仰せの通りに」


 俺の言葉に反対するはずの無い彼女たちを連れ、城塞都市を目指すことにした。


「にぅぅ~こっちが匂うにぁん」

「うん、そうだね」


 リウと俺は、サーチをしながらグロム村周辺にいくつかの村や町があることを突き止めた。点在している町の中には、ギルドがありそうな大きな町があった。


 まずはそこを目指すことに。


 ◆ ◆


 ――どこかの山林。


「……ナンさま、勇者ラフナンさま!」

「うぅぅっ。お前は……レシ――」

「……わたくしめはサランであり何者でもありません」

「魔法兵の……。ところでここは?」

山間(やまあい)のどこかです。動けますか?」


 エンジと守護神獣によって飛ばされた二人は、どこかの山間に飛ばされていた。だが大したダメージを負うこと無く無事だった。


「ログナの山間ならいいな……それなら――運が良かったと言える。あいつがいない間に確実な装備を整え、ギルドで依頼してあいつがいない山に攻め込む……悪くない、悪くないぞ! あははは!」


 古代書の呪いを受け復讐だけにやる気を燃やすだけの男は、すでに正しき勇者の姿では無くなっていた。そんな彼のそばではそれを望むかのように、不敵に微笑む女の姿が。


 ◇ ◇


「アルジさま、もうすぐですからしっかり掴まってくださいませ」

「わ、わかった」


 属性石を目指して俺たちは城塞都市"ゲンマ"を目指している。


 しかしサーチでは場所や人は見えることが出来ても、高低差までは見ることが出来なかった。その結果、翼のあるルールイを頼って空から探している最中だ。


 ザーリンは翅、リウは飛べないネコ族。

 とはいえ、俺と違いしっかりとルールイについて来ている。


「人間の弱みってやつかな……」


 リウは崖を登ることを苦にしていないし、ザーリンも飛べるしな……。


「アルジさまは全てをお望み?」

「え?」

「もしアルジさまに翼がおありですと、わたくしめがおそばにいられなくなります」


 魔法を極めたい気持ちがあるあまり、ついつい空を飛ぶことが出来ないことを愚痴ってしまった。


「そういうんじゃなくて、ええと世の中上手く出来ているな~と」

「わたくしでも使えないことはありますわ。きっと全てを求めることは出来ない――そう思うしかありません」


 翼があるルールイを悲しませることになるなんて、あってはならないことだよな。


「フェンダーは深く考えては駄目」

「ごめん」

「あなたはまだアプレンティス。そんな考えになること自体、おかしい」

「は、はい」


 ザーリンの言葉どおり、俺はまだ魔法を使う者としては見習いレベルのままだ。とにかく属性と出会う流れのまま、そこから魔法を得ていくしかない。

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