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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
捌頁:極めの帰結

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164.リウとレッテ、連携する


「にぁぁ~たくさん出て来たにぁ……エンジさまの所に行きたいのに、どうすればいいにぁ?」

「ウウウー! ここの人間は悪い人間ばかり。ヌシさまならやっつけろって言う!」


 邪心のサランと対峙していた頃、別行動を取っていたリウたちにも敵が迫っていた。

 町の奥に迷い込んでいたリウたちは、レシスを守りながらエンジのいる所に向かうつもりだった。


 そこに大勢の兵士が取り囲み、身動きが取れなくなったようだ。


「リウちゃん、私はどうすれば~?」

「にぁ? うーん……シェラは何もしなくていいにぁ! リウ、レッテと二人で何とかするにぅ」

「ええ? じゃあ私は~……」

「お前、ヌシさまの言うとおり危険な人間。レッテ、嫌だけどネコと一緒に動く!」

「じゃ、じゃあ、せめて回復魔法で応援するから~」


 リウたちを取り囲んでいるのは、ゲレイド新国の兵士ばかりだ。

 戦力の大部分をエンジの所にやったのか、彼女たちだけで何とかなりそうな数を擁している。


 兵士の多くは剣を手にしながら盾も構えているようで、完全に力だけで抑え込むつもりらしい。

 魔法を扱う者がいないのか、リウたちに不意打ち攻撃をする者の姿は皆無だ。


「魔法士につく獣ども! お前らに恨みなんか無いが、頭首であるミオートさまの命令どおりお前らはここで始末する! 投降しても無駄だが抵抗しないならば、一斉攻撃で刻んでやろう!!」


 兵士の一人が声高に叫ぶ。

 命令の根源は魔法兵であるサラン・ミオートによるものらしく、新国の兵士からは殺気しか感じられない。


 彼女たちを囲みながら、輪になってじりじりと追い詰めながら近づいて来る。


「ネコ。レッテは囲みを抜けて背後から咆哮をするぞ。ネコは咆哮後の人間を切り裂け!」

「分かったにぁ! シェラは耳を塞いだ方がいいにぁ」

「ほえ?」

「――やる!」


 そう言うと、レッテは素早い身のこなしで取り囲みの人間たちから抜け出した。

 壁となっていた兵士の背後に回り、狼の咆哮を発揮する。


「ガオオオオーーーー!!!」


 背後に回られ、不意を突かれた兵士の多くが咆哮によって腰砕きの状態となった。

 中には戦意そのものを喪失させた者も見られる。


「にぅぅ! 今にぁ!!」


 大多数の兵士は咆哮による畏怖で全身の動きを封じられ、起き上がることも出来ない。

 その隙を見逃さず、リウは持ち前の素早さで次々と兵士を倒して行く。


 そうなると剣や盾を手にしていた兵士も、なすすべを失い我先にとその場から逃避する。

 

「おおおー! リウちゃんもレッテちゃんもすごーーい!!」


 リウたちが兵士の多くを倒しまくる中、レシスは回復することも忘れてひたすら感動していた。

 無防備状態なのを忘れて、すっかりと油断しまくっているようだ。


 そこを狙ってなのか、レッテの咆哮から逃れた兵士がレシスに大剣を振り下ろそうとしていた。


「油断したな、馬鹿め!」

「ほえっ!?」

「見たところ回復士のようだが、情けなど無用。ここで死ねぇっ!!」

「ひ、ひえぇぇぇぇぇぇ!?」

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