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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
捌頁:極めの帰結

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157.ノックス・ガーデンの攻防戦 ②


 大量の魔物を範囲魔法で一掃したところで、後ろの方から硬そうな魔物が見えて来た。

 魔力が続く限り連続で魔法を放つつもりだったが、さすがにそんなに甘くは無さそうだ。


 攻め寄せている魔物のほとんどは、とにかく突っ込んで来るだけで怖さは感じられない。

 しかし雑魚の後ろに控えていた魔物は、魔法防御が高いのかダメージが通っていないように見える。


 もしかすれば範囲魔法で使った属性では、致命傷を負わせることが難しい可能性がありそうだ。

 このままやみくもに連続で魔法を撃ち続けるのは、キリが無いように思える。


 それとも問答無用で、即死攻撃魔法に切り替えて一気に片付ける手段を取るべきだろうか。


「駄目にぁー! 駄目にぁぁ!!」


 どうするべきかを考えていると、何やらリウが騒いでいる。

 もしかして、範囲魔法から逃れた魔物でも襲って来たか。


 しかしリウなら何も問題は無い。

 ――のだが、リウの傍にはレシスがいたことを思い出す。何かやらかしただろうか。


「エンジさ~ん! レシスが来ましたよ~!! 今度こそ約束を」

「駄目だっ、レシスっ!!」

「ほえ?」


 リウの制止を振り切って、レシスが俺の目の前に現れた。

 どうやら正気に戻っているようだが、魔物が迫って来ていることに気付いてもいない。


「後ろに迫って来ているぞ!! レシスっ!」


 レシスは俺の正面に立ちはだかっている。

 魔物に背を向けているということになるが、同時に範囲魔法の影響も受けてしまうのは避けられない。


「はわわわわ!? 魔物ですよ、エンジさん!!」

「だから早く避けて――あぁ、くそっ! 《ルーセント・ガード》!!」


 全く危機を感じていないレシスには何を言っても通用しないので、先手を取った。

 レシスの全身には微かながらに光が残っていたが、光を上書きするしかない。


「ほえええ!? またまた光ってますよ! いつから私は発光するように!?」


 すぐに彼女の全身が光に包まれたが、強い魔物が眼前にまで迫っていた。


「――レシス、そのままその場に大人しく立っててくれ!」

「ほえ?」


 光防御魔法がかかっている状態で魔法を放てば、範囲魔法の効果が半減してしまう恐れがある。

 そうかといって、レシスに突っ込めとも言える状況にはない。


 レシスがダメージ無効化することを信じて、一気に片付ける手段を取ることにする。

 召喚を使うのはいつ以来か忘れたが、大量の魔物相手にはこれが手っ取り早い。


「来たれ! 召喚ティアマト!!」


 漆黒のドラゴンであるティアマトが、周辺の外気を一変させる息を吐き出しながら顕現する。

 召喚獣の場合は命令で動くのではなく、目に見える敵に対してドラゴンブレスを吐き出すだけだ。


 だがその効果は絶大なもので、敵の耐性に関係無く灼熱と腐食、それに石化させて敵を弱体してくれる。

 

 これなら多少手強そうな魔物が控えていても、何も問題は無いはず。

 その意味でも、レシスの光防御に期待した。


 光防御なら召喚獣からの弱体効果も、全て弾くと判断したからだ。

 

「エ、エンジさ~ん……、目の前が全然見えませんよ~? 一体何が起こっているんですか?」

「もう少しの辛抱だから、そのまま待機で!」


 ドラゴンブレスの威力は凄まじく、地上に群がっていた大小の魔物を容赦なく吹き飛ばしている。

 普通ならレシスもドラゴンブレスの範囲内に含まれているのだが、彼女だけは攻撃対象外のようだ。

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