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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
捌頁:極めの帰結

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155.戦いの気配


「ひ、ひどい、ひどすぎます……あんまりです」

「いや、その……きっと上手く行くと信じていたから、それで……何というか」

「エンジさんは私の扱いがひどすぎます!! 素敵な所へ連れて行ってくれるとばかり思っていたのに、着いた先にはルールイさんがいて、おまけに……こんなこんな土だらけのところにぃぃ!」


 


 さかのぼること、数時間前のことになる。

 リウとレッテ、そして俺の考えが一致し、光の防御魔法に守られたレシスを投げ飛ばすことを決めた。


 レシスには目を閉じてもらい、俺はそのまま思いきり彼女を投げ飛ばした。


 ほぼ一直線に飛んで行ったレシスは予想以上に森の木々をなぎ倒し、ダークエリアにいる多くの魔物を吹き飛ばしまくった。そして別エリアへの道を作ってくれたという、偉業を達成してくれたのである。


 ――しかしレシスの意思とは無関係に投げ飛ばしたことと、彼女を受け止め抱きしめたのがルールイだったことで、それに気づいたレシスはすっかりと機嫌を損ねてしまった。


「エンジさま、レシスまだ怒っているのにぁ?」

「しばらく機嫌を直してくれそうにないかも」

「ふにぅ……でもおかげで、ひらけた場所に来れたにぁ! もうすぐ森から出られるにぅ」

「他の場所のことが見えるかい?」

「まだはっきりとは分からないにぁ。でもでも、たくさんの気配を感じているにぅ」


 リウは俺と同様に、範囲内外のサーチが可能だ。


 さっきまでいた大森林と違い、ひらけた場所に出たことでわずかながらだが、人の気配やここがどういう場所なのかを把握出来るようになった。


 大森林のダークエリアとなっていた所から、光に包まれたレシスが道を無理やり切り開いた。

 そのおかげで地形に変化を生じさせ、大森林のややこしい地形は大きく崩れてしまった。


 手荒いやり方となってしまったが、見事に森を抜け出せたのである。


「ルールイ! どう?」


 そして今、ルールイに上空から様子を見てもらいながら、別の道を探している状況にある。


「エンジさん!! 何とか言ってくださいよ!」

「ご、ごめん! 何でも言うこと聞くから、機嫌を直して」

「ほほぅ? 何でも言うことを聞くんですね?」

「も、もちろん……」


 レシスを包んだ光は、残念ながら"絶対防御"では無かった。

 しかしオーグリスから抽出した原石から生み出された魔法は、想像以上に強力なものだった。


 光の防御魔法はリウとレッテには使える魔法では無く、二人には害にしかならない。

 それが何故か、レシスにとってはとんでもない防御効果をもたらした。


 光が完全に消えるまでの効果だったが、光防御魔法にかかっている限り、どうやら無敵状態となることが分かった。


 それにより少なくともレシスだけは、確実に助かる確率が高いということになる。

 当の本人は、俺に投げられたことでずっと機嫌を損ねたままだ。


「ヌシさまっ! 魔物の気配がするでーす」

「魔物? え、どこから?」

「にぅ! 色んな所から向かって来ているにぅ」

「色んな所って……」


 上空に飛んでいるルールイの姿が見えない。

 近くではなく、遠くの方を確かめているのだろうか。


「何がいいかな、エンジさんにはあんなことやそんなことまでを~……ぬふふふ」


 レシスの願い事を聞く前に、もしかして大量の魔物と戦うことになるのだろうか。

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