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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
漆頁:属性石との関わり

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141.鍛冶師とコピー魔法士の連携


「行くぞっ! 準備はいいな?」

「いつでも」

「そらっ! 鉱石だっ」

「…………」


 いきなりのことで戸惑ったが、彫金ギルドで得たスキルをすぐに展開。

 デリオンが投げつける鉱石を、すぐ削ることが出来た。


 彼が依頼して来た連携は魔物との戦いによる連携技ではなく、鍛冶師が掘り出した石を即座に磨くといった、流れによる意味だった。


 俺たちは巨人族の仕掛けを通過し、今ようやく、鉱石が掘れる下層エリアに到達している。

 デリオンが言うにはよほど下層でなければ、基本的に採掘エリアには、魔物の類は一切いないらしい。


 ただし仕掛けありきの鉱山のようで、鉱石を掘りすぎると罠が発動するとのこと。

 町の中の洞窟と言う時点で人工的な仕掛けや罠があると思っていたら、そういうことだった。


「ぬぅ、また外れか?」

「闇の鉱石……ですかね」

「エンジのお目当ては光だったよな? そうなると、もっと下層に行かないと駄目か……」

「魔物が出るエリアで採掘を?」

「そうなるな。そこだと敵を排除する為の、本物の連携が必要になりそうだが……」


 デリオンが不安を感じるのも無理はない。

 話に聞いていたよりも彼の冒険者レベルは、そこまで期待する程では無かったからだ。


「……それはそうと、今はつるはしを使わずに掘るなんて、知らなかったよ」

「一昔前はそうだったけどな。だけど今は、鍛冶師スキルに”抽出”ってのがあってな。採掘ポイントで手をかざせば、何かしらの石が掘れるってわけだ! 便利だろ?」


 城塞都市ゲンマに行った時は、そんなスキルは聞いたことが無かった。

 鍛冶師という存在もはっきりしていなかったし、仕方が無いのかもしれないが。


「そのスキルは俺も覚えられるの?」

「いや、鍛冶師特有だからなぁ。どうしても必要なら、ギルドに入るしか無いが……」

「特有なんだ……う~ん」

「オレはエンジの削りスキルが使えねえし、そんなもんよ!」


 そう思いつつ、デリオンの手に触れたらコピー出来そうな気がしないでもない。

 今はまだそれをする時じゃないので、様子を見るしかないだろう。


「エンジさま、まだかにぁ?」

「退屈かい?」

「魔物がいないと眠くなるにぅ~」

「もう少ししたら、もっと下層に下りて行くから、それまで休んでてくれるかい?」

「はいにぁ」


 リウを始めとして、ルールイ、レッテもだるそうに待機中だ。

 そして最も退屈そうにしてそうなレシスは、一人だけで楽しそうに声を出し続けている。


「そ~れ! そ~れ!! わっしょい、わっしょぉぉぉい!!」


 レシスがデリオンに説教をしていた時は、アレが素なのだと信じていた。

 しかし、やはり彼女は不思議な性格だった。


「ほれっ、エンジ! 石だ」

「あ、はいっ」


 魔物のいない採掘エリアで光の鉱石が出るとか、そんな甘いものじゃないようだ。

 俺とデリオンは何度も連携して、採掘からの削りを繰り返している。


 しかし一向に出る気配が無い。

 そんな俺たちの連携に対し、レシスは汗をかきながら応援の声を張り上げている。


「それそれっ! エンジさん、ナイスですよ~! ついでにデリオンも頑張れ~!!」


 俺たちを手伝うでも無く、削り終えた鉱石を片付けるでもないレシスは何故か満足そうだ。


「……声援で運が上昇するとかじゃないよな?」

「それは無い。レシスの行動はあまり気にしなくていいから……」

「そ、そうか。見てて微笑ましいような気がしないでも」

「まぁ、気分は悪くない……はず」

「だ、だな。エンジ、あと少ししたら移動するぞ!」

「分かった。やっぱり光は魔物エリアにあるってことで、間違いないんだ?」

「もしくは魔物の腹ん中だな。そうなったら、姉ちゃんたちの力が必要になるが」


 レシスは置いといて、ルールイたちをチラッと見ると準備を始めている。

 コピーも含めて、やはり魔物との戦闘が無いと面白くない。


「リウ、ルールイ、レッテ! そろそろ移動するよ」

「はいにぁ!」

「お待ちしておりましたわ」

「はいでーす」



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