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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
漆頁:属性石との関わり

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134/180

134.ルファス鉱山を探れ 1


「何だい、ゼースヒルのことは知らないのかい?」

「い、いえ、洞窟のことですよね?」

「そう! 最近になって崩落した、あの洞窟のことだよ。ゼースヒル洞窟には、古代の書物があると言われていたんだけど、いつの間にか冒険者が持っていったみたいでね」

「な、なるほど」

「それが無くなった途端に、凶悪な洞窟になったんだ」


 古代書のことだろうか。実は洞窟を正常に保っていた書物だったのでは。

 今や俺の体の中に備わっているわけだけど。


「ゼースヒルのようにっていうのは、どういう?」

「書物には妙な力があって、光の属性を持っていたとも聞く。光の属性は決していい光だけじゃない。だからこそ魔物が守っていたとも聞くけど、真相は分からないね。それがどうだい、書物が消えたら洞窟がおかしくなったじゃないか!」

「ま、まぁ」

「ここルファスの女町長も、宝石に目がくらんで光の属性石を求めるようになった。ここの鉱山には、何度も採掘に行かされてるんだ」

「……」


 光の属性石を巡っての争いがすでに起きているとは。

 古代書が光の属性なら、この俺のコピースキルもその恩恵があるのだろうか。


「――よし、エンジ。今から依頼を変える。お前さんには、ルファス鉱山を探ってもらいたい! もし鉱山に光の属性石があれば持って来て欲しい。無かったとしても、構わない」


 鉱山を探る、か。そうなると鍛冶師であるデリオンがいてくれれば心強いが。

 確か今は、リウたちを町案内している最中のはず。


「一人でじゃないですよね?」

「もちろん。そろそろデリオンが戻って来るはずさ。そしたら、あいつに案内させるよ! お前さんの仲間もいた方がいいんだろう?」

「そうですね。ところで、デリオンは戦えるんですかね?」

「鉱山の中だけなら、冒険者にも引けを取らないはずだ。鉱山での戦い方は、あいつに聞きな!」


 鉱山の中だけってことは、外ではまるで弱いということなのか。

 護衛を頼まれて何事かとも思っていたけど。


「……とにかく、ルファス鉱山を探ってくれ! この町……いや、光の属性石を狙うゲレイド新国には、奪われたくないからね」

「ゲレイド新国……なるほど」

「さて、エンジ。そろそろ支度だ」

「でも、まだ完全には削り切れてないですよ?」

「今はそれで十分。要は原石を削ることが出来ればいいんだ」

「そ、そういうことでしたら」


 ルファス鉱山を探って来い、とか、絶対嫌な予感しかしない。

 それにしても、ゲレイド新国か。俺の腕を奪ったあの女が狙うのは、光の属性石……。


 あれこれ悩んでも仕方が無い……そう思っていたら、デリオンが姿を見せた。


「おう! 戻ったぜ! 早速だが、エンジ。鉱山に行くぜ!」

「あ、はい。ところで、彼女たちは?」

「外で待たせているが、目立つんでな。鉱山近くに待たせてある」

「それじゃあ、そこに案内をよろしく」

「おぅ。こっちだ!」


 マスターに頭を下げ、デリオンについて行く。

 それにしても、またしばらく鉱山の中に籠ることになるのだろうか。

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